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2024/03/29 18:10 |
NEW WIND30万HIT記念特別興行その1

NEW WIND社長 風間新手記より
~NEW WIND30万HIT記念特別興行~

※今回のお話は、リプレイの正史ではないため、全員全盛期の力を持って登場します。
ただし、基本的な設定は主に、リプレイサバイバー1版NEW WIND編の設定に準じています。




一回戦第一試合 

 トーナメント一回戦の第一試合。このトーナメントの初めての試合であり、今後の流れを左右する可能性がある大事な試合だ。

 対戦するのは、NEW WINDの一期生南利美と、10期生の白石なぎさ(通称ノエル)。白石がデビューする前には南は引退しており、リング上での接点はない。
「純粋なパワーなら、最強の龍こと吉田龍子や、ビューティ市ヶ谷と同等クラス。いくら南といえど、カウント2を取られてしまうことは考えられますな」
「そのパワーは強みですけど、白石はテクニシャンを苦手にしています。実際ウインドドラゴン(南智世)や、ミミ吉原との対戦ではことごとく負けてますからね」
 南の力量は前の二人より上だ。白石の不利は否めないだろうな。
「OK、GO!」
 トニー館レフェリーの掛け声を合図に試合開始のゴングが鳴らされる。
「いくぞっ!」
 赤コーナー側の南がゴングと同時にダッシュ! 狙うのは右のランニングエルボーだろう。
「……甘……い」
 白石は南の右ひじをヘッドスリップで回避。そのまま勢いよく一回転して、右のローリングラリアット!!
「がふっ!」
 カウンターでもらった南は縦に一回転してスカイブルーのマットに叩き付けられた。
「計算通り」
 セコンドについているギムレット杉浦がニヤリと笑みを浮かべる。
「え……予想してたの?」
 もうひとりのセコンド、スターライト相羽が目を見開く。
「当然です。普通の試合タイムならともかくこのハイスパートルールでは9割方突っ込んでくると思っていました」
「さすが美月ちゃん」
「フォ~ル」
 白石は南の左足を抱え込み、片エビで抑えこんだ。
「ワンッ! ト…」
 南はカウント1.9というところで肩を上げ、かろうじて秒殺を防ぐ。
「おおおおおっ!」
「あぶねっ!」
「おしいっ!」
 最初の4分間はカウント2ルールだ。一瞬でも気を抜けば一気に決まってしまう。
「……ざんねん」
 白石はトニー館を睨みつけつつ立ち上がる。
「でも、これで終わり」
 立ち上がった白石は、右手で南の喉をムンズとつかむと、そのまま無理やり起き上らせた。一般の女の子よりも華奢に見える体のどこにそんなパワーがあるのか、毎回不思議に思う。
「ばあああん!」
 そしてそのままワンハンドのど輪落とし!
「よし決まった!」 
「十分!」
 相羽と杉浦がいうように完璧な技の決まり具合だった。カウント3ならともかく、カウント2ならば余裕だろう。
「うぎゃああああああ……いたい! いたい! いたい!」
 だかトニー館がマットをたたく音の代わりに聞こえたきたのは、白石の叫ぶ声だった。
「腕ひしぎ逆十字!」
「さすが姉さん」
 今度は南側セコンドの南姉妹(ハイブリット南&南智世)が盛り上がる。
「ふふっ、まだよ」
 今度は三角締めへ移行する。
「これは完璧に極まってますな」
「ノエルちゃん、耐えて!」
「ノエルさん、ロープへ逃げて!」
 セコンド陣がエプロンマットをバンバン叩きながら指示を飛ばす。
「……無理……ギ、ギブアップ……」
 白石はあっさりと左手でマットを叩き、降参の意を表した。
「えええっ!」
「早っ!」
「まじかっ!」
「ノエルちゃん?」
「嘘でしょ?」
 さまざまな声が漏れる。
「無理……」
 白石はもう一度タップ。
「たわいのない」
 南は技を外し、リング降りるべくロープへと向かった。
「姉さん! まだ終わってないっ!」
「えっ?」
 そう試合はまだ終わっていない。この試合は最初の4分間はカウント2ルール&”オンリーフォール”ルールだ。
 つまりさっきのギブアップは無効。試合はまだ終わっていない。
「……油断大敵」   
 いつの間にか背後へ忍び寄っていた白石がキャラに似合わぬ高速の逆さ抑え込みを決めた!!
「おおおっ!」
「なっ!」
「フォール!」
 白石がカウントを促す。
「くっ!」
 南がフォールを返そうと試みるが、体勢いが若干崩れただけだった。
「OK、ワンッ!」
「南返せっ!」
「姉さんっ!」
「トゥ!」
 ファンの願い虚しくカウント2が入った。
「えええええっ!」
「まじかっ!」
 場内から驚きの声の渦。
「ぶいっ!」
 勝利を確信した白石は余裕のVサインをみせる。
「ノエルちゃんすごいっ!」
 相羽は自分が南との対戦を熱望していたことを忘れ拍手を送っている。
「むう。まさか南が負けるとは……」  
 正直に言おう。私は南が負けることをまったく想定していなかった。
「あらゆる展開を想定しておくべきでしたな。こういう展開になる可能性があるのがこの特殊ルールだとうことはわかっていたはずですぞ」
 ダンディさんは表情を変えていない。
「ですね。気を付けます」
「そうすべきでしょう。出ないとこの後のアナウンスでひっくり返ることになりますからな」
 ダンディさんは気になることをいう。
「それは……」
「ただいまの試合は、1分17秒、1分17秒、変形クラッチホールドにより、勝者……南利美」
 私の質問を仲間リングアナのアナウンスが遮った。
「なっ? 南の勝ち?」
「えええっ?」
 場内がざわつく。
「何かの間違えじゃないのか?」
「ただいまの試合は、1分17秒、1分17秒、変形クラッチホールドにより、勝者……南利美」
 仲間アナはもう一度試合結果をアナウンスした。
「いったいこれは……」
「リプレイが出ますぞ」
 場内に設置されたモニターにフィニッシュシーンが映し出される。
「白石が逆さ抑え込みにいって、南が体勢を若干崩し……ああっ!」
 そうか、そうだったのか。
「そう、体勢を崩したように見えたのですが、あの時逆に肩をついてしまったのは白石の方だったんですよ」
 リング上では南が勝ち名乗りを受けている。
「む~う」
 白石はぷ~っと頬を膨らませ、不満げにリングを降りていった。
「トラップか」
「でしょうな。あの南がルールを把握していないということはないでしょうから」
 一回戦第一試合は南の勝利に終わった。
 
 

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2013/11/17 22:45 | Comments(4) | 30万HIT記念特別興行

コメント

南さんまたテクニカルな勝ち方だw

と、あろうことか記事を一個飛ばしてたんで反応遅れましたが
真鍋がハロパーの真鍋で相手があの鏡さんとは。
そもそも3人がかりでも相手になるのか怪しいところですが
そこはきっと見せ場もあるはず!……はずか?
第2戦を楽しみに待ってます
posted by 泡藻at 2013/11/18 13:58 [ コメントを修正する ]
あわもさん

テクニックの南です^_^

ハロパー勝手にお借りします。
例のエンジェルマニアを読み返しながら買いています。もう少しお待ちを
posted by Nat 2013/11/24 14:29 [ コメントを修正する ]
 ノエルが負けたっ!?
 南さん相手じゃしょうがないですよね。
 頭脳ならば杉浦が補えますが、したたかさとなればやはり南さんの方が一枚上手です。
 次のCBTの試合も楽しみにしています。
posted by CBTFat 2013/12/09 08:23 [ コメントを修正する ]
>CBTFさん
 遅レス で申し訳ない。
 ノエル+杉浦ならというところでしたが、わずかに経験の差ですね。
今は美月の試合書いているので、しばしお待ちいただければと思います。

posted by Nat 2014/01/07 23:38 [ コメントを修正する ]

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