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2024/03/29 04:56 |
大空みぎりVSフォクシー真帆

 このお話は時間軸ではNEW WIND編の18年目10月頃の話になっています。 
 再会から数か月後のNEW WINDマットの前座戦線での出来事になると思ってください。

「ウマカ~~~ッ!!」

 みぎりの大きな太ももに噛みついた真帆は喜びの声をあげた。
「いたたたたっ、いたいです~~~」
 この攻撃にはさすがのみぎりも悲鳴をあげてダウンだ。
「ウマッ!ウマッ!」
 ガジガジとみぎりの太ももをカジリ続ける真帆。その表情は恍惚としていた。そう…極上の牛肉にありついているかのように。
「ウマッ!」
 かぎりついたまま、みぎりのアキレス腱をきめる真帆。かつての獣性だけのレスラーではない。
「いたっ!いたたたったたああ!!」
 みぎりは予想だにしない技に悲鳴をあげることしかできない。
「真帆、反則です。ワン…トゥ…スリー…フォー」
 ギムレット美月レフェリーがカウントを取る。
「ムカッ!邪魔するなっ!」
 カウント4でいったんは離した真帆だったが、すぐにむしゃぶりついた…あ、いやこの表現は微妙な気もするが…でもこれが一番近い。
「きゃあああああああっ!」
「反則です。1,2,3,4!」
「離した。」
 真帆は残念そうに噛みつきをやめたが、アキレス腱固めは外さない。
「くうううううっ!」
 みぎりは両腕の筋力でロープへとにじり寄る。
「うわっ!」
 真帆は思わず声をあげた。なにしろ真帆もかなりのパワー自慢なので、通常ならばそう簡単にはロープへは近づかない。だがみぎりはまるで真帆などいないかのようにスイスイとロープへと進んでいるのだ。
「おおおおおおっ!」
 その異様な光景に場内は沸きかえる。
「ロープです。」
「チッ…化け物めっ!」
 真帆はラリアートで突っ込むが、みぎりはとっさに腕を突き出して真帆の顔面を打ち抜いた。
「がはっ…」
 狙って出したわけではなくただ腕を突き出しただけだったのだが、絶妙のカウンター掌底になってしまった。
「あら?」
 みぎりは予期せぬ出来事に戸惑いの表情を浮かべた。
「ふむ、空気を読めないことがいい方に作用したようですな。」
 ダンディ須永もまさかの出来事に苦笑するしかない。
「えいっ!」
 みぎりは素早くロープへと走ると、大きなヒップを真帆の顔面目がめて打ち込んだ。
「うわ~これはもらいたくないなあ…」
 思わず風間社長も唸ってしまったという一撃。こんな技をもらってしまってはダメージを受けた真帆では耐えきれないだろう。

「いたあああああああああああああ!!!」
 しかし、悲鳴をあげたのは真帆ではなくみぎりの方だった。

 なんと!なんと!!真帆はみぎりのヒップにかじりついたのだ。
「きまったああああああああ!!フォクシー真帆隠し技の”おしりかじり虫”だああああああっ!」
 観客の数人が例の歌を歌い始め、やがて場内はあの歌の合唱になってしまった。
「いたたあああああああっ!」
 リング上、女性のおしりにかじりつく女がいて、それを大勢の観客の歌う”おしりかじり虫”が見守るというなんともいえない光景が繰り広げられている。
「うらあああああっ!」
 かじりつくのに飽きたのか真帆はみぎりの体をロープへと振った。
「いくぞおおおっ!」
 カウンターでのフォクシドライバーを狙うつもりだろう。
 パチイイイ~ン!
 ダンディ須永が大きく指を鳴らした。
「はいい~~~っ!」
 ロープに振られたみぎりは戻りながら体を反転させてジャンプ!そのまま振り上げた右足でオーバーヘッドキック!!
 真帆の頭部をサッカーボールのように蹴り飛ばした。
「ぐはあああああっ!」
 真帆は予期せぬ攻撃に対応できず、そのままコーナーへとたたきつけられてしまった。
「ストップ!ストップ!…ゴング鳴らしてください!!」
 ギムレット美月はすぐさまゴングを要請した。
「ただいまの試合はオーバーヘッドキックによるKO勝ちで勝者大空みぎり。」
「またやりすぎちゃいました~~。」

「あの巨体であの動きができるとは…ダンディさんもすごい逸材をみつけてきたものだ。」
 風間社長はゾクゾクとしていた。

「まだまだ完璧ではないけど、将来が恐ろしいわね。」
 観戦に来ていた南利美は思わず呟いていた。
「そうね。今はまだ粗削りもいいところだけど、それでもあの強さ。試合を覚えてきたら、驚異になるわね。」
 利美の妹、寿美(ハイブリット南)は鋭い眼でリング上のみぎりを見ている。
「…もっとも私たちには関係がない話だけどね。智世には関係があるかもしれないけどね。」
「そんなこと言って。姉さんもう一度復帰してやっつけちゃけば?」
「…馬鹿ね。今の私では勝てっこないわ。」
「でも、努力すれば?」
「体格の差が戦力の絶対的差ではないことを教えてあげる…ことはできるかもしれないけど、私はもうただの人。あの怪物退治は後輩に任せるわよ。」
 利美はそういってスカイブルーのリングをじっと見つめた。
(あのリングに上がる資格を得た後輩たちならきっと止められるはずよ。)


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2008/09/04 18:00 | Comments(4) | NEW WIND外伝

コメント

真帆、いつの間に博多弁を…
恐ろしい狐。

…ともかく、
「おしりかじり虫」は笑わせてもらいました。
行動は読めたけどネーミングは読めなかったので(笑)

あとみぎりがこれだけ動けるのは意外でした。まさかオーバーヘッドとは。
なかなか自分の頭の中では動いてくれないキャラなので、参考になります。
posted by ライトオat 2008/09/04 23:56 [ コメントを修正する ]
 博多弁に関してはNEW WINDは福岡が本拠なので、自然とということにしてください(苦笑) 何しろ勢いで書きあげているんで特に考えてませんでした。
 おしりかじり虫は、この話を書いていたら突如頭に響いてきたのでこのネーミングに。笑ってもらえてよかったです。
 みぎりは、ストーリーアプリによれば”体は大きいけど普通に動ける”ということなので、普通の動きならできるだろうということで書いてみました。
 もちろん単に大空といえばドライブシュートとオーバーヘッドだよね!ということでもあるのですがね。
posted by Nat 2008/09/05 00:52 [ コメントを修正する ]
マスターシュ黒沢がどんな顔して見てるのか気になる試合ですなw
おしりかじり虫で噴いちまったぜ(笑)
NEW WINDはプロレスの幅が広いなあ。
posted by 鷹羽シンat 2008/09/06 00:26 [ コメントを修正する ]
 >シンさん
 確かに(笑)
いえい!噴かせたぜっ!(笑)
 まあそれが目的のネタなんで笑ってもらえないと困るのですが。
ともかく真帆には広田的なテイストを振りかけてみました。こういうのも含めてプロレスですよ。

posted by Nat 2008/09/08 01:22 [ コメントを修正する ]

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