NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇5年目11月◇
「思う存分暴れてこい。」
「おうよ。」
3人は私が激励するまでもなくそのつもりのようだった。
「ふむ。ところで…新女には誰が行くか伝えなくてよろしいのですかな。」
「別に問題はないのではないでしょうか。事前にうちの選手を3人派遣することは伝えてありますから。」
新女とは対抗戦を行っているわけだが、選手はともかくフロントはそこまでいがみ合っているわけではない。もちろん新女のフロント陣も女子プロレス最古参団体としての意地があるだろうからうちに負けるわけにはいかないとライバル心は燃やしているだろうし、うちだって盟主の座を狙っているわけだから、新女に負けるわけにはいかないとスタッフ一同気合は入れてはいるけどね。
「そういえば新女側からもうちに3人寄こすと連絡が入っていますな。うちと同様に誰が来るのかは通達されていませんが…」
誰が来るのかはお楽しみということか。
◇NEW WIND興行◇
「ガルム小鳥遊!借りを返しにきたわ!」
パンサー理沙子がスカイブルーのリングを占拠し、マイクで高らかにリベンジ宣言をした。傍らにはミミ吉原・サンダー龍子。新女からの派遣は前回と同じ顔ぶれであった。
「………」
うちの選手たちは唖然として理沙子たちを見ている。
「どうした、ビビって声も出ないのか?」
龍子が挑発する。
「……いや…別に驚いて言葉が出なかっただけなんだが…」
気を取り直してマイクを握ったのは…ロイヤル北条であった。このマイクをきっかけに場内のあちこちから失笑が漏れる。
「ど…ということかしら…」
理沙子たちは予想と違う反応に戸惑いを見せた。
「…パンサー理沙子、お前が探しているガルム小鳥遊ならここにはいません。」
「…!?」
「なんだと?いない?」
言葉の出ない理沙子に代わり龍子が反応した。
「ああ。」
「どこにいるの!」
ようやく気を取り直した理沙子が北条に尋ねた。
「ふう…どうやら本当に何も知らないようですね。いいでしょう、教えてあげましょう。小鳥遊…ガルム小鳥遊なら、今新女の興行に参戦している!」
「な・なんですって!!」
◇新女興行◇
私は新女興行を見ていないが、新女興行に関しては参戦していた選手とマネージャーとして動向したレインボー岩城から聞いた内容を元に書かせてもらっている。
主力3人を欠いた新女に殴りこんだ小鳥遊&朝比奈+零の3人は初日から大暴れ。
キャリアで上回る相手に零が30分時間切れ引き分けへともつれる大熱戦を演じると、後輩に負けじと師弟タッグが新女の期待のホープタッグを撃破し、新女のファンにNEW WINDのレベルの高さをまざまざと見せつける。
第2戦ではRIKKAの前に零が敗れてしまったが、メインでは初日のタッグ戦で快勝した小鳥遊&朝比奈の師弟コンビは早くもジャネット・クレア&ローズヒューイットが持つAACタッグ王座へと挑戦。両チーム譲らぬ熱戦を繰り広げ60分時間切れ引き分け。おしくも王座奪取をならなかったが、師弟タッグの実力がトップレベルであることを証明してみせた。
「うわああああああっ!」
零は第3戦でRIKKAにリベンジを果たし、さらには“大将”小鳥遊がシングル王座を巻く八島を撃破してみせた。
「八島あ、この程度かよ!」
「調子に乗るな、このデブ!AACかけてやるぜ!」
八島は最終戦でのAACヘビー級戦を示唆。これにはAAC側が難色を示したそうだが、最終的にはGOサインがでることになった。
「いくぜ!マッスルバスターだ!」
朝比奈のマッスルバスターが決まり、3カウントが入った。
「よっしゃああ!楽勝だぜ!」
チョチョカラスたちが持つGWAタッグ王座を小鳥遊&朝比奈見事奪取。
「うおおおおおおっ!」
最終戦のメインでは八島が王者としての意地をみせ小鳥遊の巨体を喉輪で豪快に叩きつけて防衛に成功した。
「ちっ…なかなかやるじゃねえか。」
小鳥遊はむくっと起き上がるとニヤリと笑って退場していった。
「当然だ。私はチャンピオンなんだからな。」
最後に八島が勝ったことで新女としては面目も立つだろうな。
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と喜びつつも、NEW WINDリングでのやりとりに笑いがこらえきれません(^^;。本人たちが真剣であればあるほどギャグだよなぁ、この展開は……。