NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
第4戦
タッグマッチで激突したのは通称小鳥遊派の朝比奈&零のコンビと祐希子&永原の正規軍コンビだった。
「零!」
「はいっ!」
朝比奈と零が連携力の高さで祐希子組を圧倒。チームリーダーの祐希子を場外へとたたき落とすと朝比奈が場外戦で祐希子を引きずりまわす。
「決めろ!」
朝比奈はリング上の零に檄を飛ばし、祐希子をパイプ椅子の中に沈めた。
「えいっ!」
「くうっ…」
零のスピード感あふれる打撃に永原はたちまち追い込まれていく。
「いくよ!」
永原のダメージを見てとった零はサイレントナックル!
「!」
間一髪のところで永原は回避。その眼前には背中を向けた零の姿があった。
「じゃ~ま~~~~~~~ん!!」
永原のこだわりの技であるジャーマンスープレックスが完璧に決まった。
「なっ!」
朝比奈があわててカットに入ろうとしたがリングからは離れすぎていた。
「スリー!!」
零はピクリとも動かず3カウントを聞いた。
「これが私のジャーマン!」
永原は力強く胸を張った。
「そんな馬鹿な…」
「あの子のジャーマンを舐めすぎたようね。言っとくけどこの団体でナンバー1のジャーマンの使い手なんだからね。」
祐希子はそう言うとダメージの残る頭を押さえながら永原の元へ駆け寄った。
「ジャーマン娘のジャーマン…素晴らしい武器になってきましたね。」
「格上の零から取るくらいですからな。他の先輩たちも気を引き締めてくるでしょうな。」
ジャーマン永原とまで名乗るほどジャーマンにこだわりを持つ永原。そのこだわりと才能が開花しはじめた。
ゼミファイナル ガルム小鳥遊 VS 越後しのぶ
小鳥遊の地獄スリーパーを自力で脱出した越後は、セカンドロープからのミサイルヒップで反撃。ヘッドバット・ボディスラムと連続して決め越後が一気にペースを握る。
「くらえっ!」
さらに越後は正義パワーのこめられたジャブとパンチ(※ともに反則)を叩き込んでフォールするがレフェリーはカウントをとらない。
「やってくれるじゃねえか!」
小鳥遊はセカンドロープからのダイビングフットスタンプで越後を悶絶させると、強烈なボディスラム2連発からジャンボスープレックス、スリーパーホールドと一気呵成に攻め込む。
「まだまだっ!」
越後はベアハッグからボディスラム、さらにはレフェリーのブラインドを利用した正義ジャブを打ち込みフォールするもカウント2.5。
「やってくれるじゃねえか!」
小鳥遊は越後の喉へと食い込む強烈なチョップで反撃。さらに全体重を乗せた頭突き!
「このおおっ!」
しかし越後もまったく退くことなくジャブを連打で叩き込む。
「だっしゃあああ!」
小鳥遊は頭突きの連打でお返しするが、越後は倒れることなく3発目の頭突きを防いでパイルドライバー!小鳥遊の全体重が自身の首へのしかかる。
「うぐう…」
さすがの小鳥遊もこれは効いた。起きあがるために片膝をついて立ち上がろうとする。
「勝機!や~ってやるぜ!」
助走をつけた越後は小鳥遊のヒザを踏み台にしてヒップアタック!
「でたあああっ!越後のオリジナル技…“シャイニングケツザード”っ!」
実況席でアナウンサーが叫ぶ。
「…シャイニングヒップアタックなんですがな…」
ダンディさんは苦笑する。公式プロフィールにもシャイニングヒップアタックと書いてあるのだが、実況もプロレス雑誌も…そしてファンも“シャイニングケツザード”の名称で呼んでいる。
越後は再びフォールするがこれも小鳥遊は2.5でクリア。
「地獄に落ちろっ!」
スリーパーで反撃する小鳥遊。しかし、これをうまく外した越後はお返しのスリーパーで小鳥遊の首を狙う。
「ぬおおおおっ!」
小鳥遊これを外すが、再び片膝をついてしまう。
「うおおおおおっ!」
越後再びシャイニングケツザード!!いやシャイニングヒップアタック。
「ぬんっ!」
フォールするも小鳥遊はサードロープを掴み3カウントを許さない。
「決めるぞ!」
越後は右腕を突き上げフィニッシュを宣言し、ロープへと走った。
「たかなしいいいいいいっ!!」
正調のランニングヒップアタック“くろがねの城”が炸裂!
「フォ~~~ル!!」
越後は倒れ込むようにカバーする。
「OK!フォール!」
トニー館レフェリーがカウントを数える。1度…2度…小鳥遊が起きる気配はない。
「た、大将!!」
セコンドの朝比奈の声は届くだろうか。
「……」
トニー館は首を左右に振ってからマットを叩いた。
「スリー!!!」
…なんと越後が小鳥遊からフォール勝ち。この結果に場内総立ちになって大きな歓声と拍手を送った。
「越後!大将の仇はオレが打つ。次の岩手大会覚悟しておけよ!」
「…オーガ朝比奈…やってやるぜ!その首洗っておけっ!」
次回大会にて朝比奈VS越後決定。
「朝比奈に続いて越後までも小鳥遊超えか…」
私は嬉しさと寂しさが入り混じった複雑な心境であった。
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