NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇6年目5月
旗揚げ5周年記念興行IN九州ドーム
第1WIND NEW WINDネオ・ソウルバトル 15分1本勝負
旗揚げ興行のオープニングを飾るのはこれがデビュー戦となる5期生の小早川志保とその後輩にあたる6期生の大空みぎりだ。
小早川はかなり前から練習生として鍛練を積んでいたのだが、なかなか合格ラインに達することができずにプロデビューが大幅に遅れていた。体格的に劣る部分があったからそれも仕方のないところか。
小早川は身長155cm・体重53kgとあって女子プロレスラーとしてはやや小柄だが、食欲に関しては先輩のソニック&祐希子ともタメを張れる資質を持っている。最近ではこの3人が出入り禁止の店もチラホラとあると聞いている。
デビューが遅れたおかげでドームデビューというビッグチャンスを掴むことができたわけで、よくよく考えればドームでデビューできるなんてとても幸せな奴なのかもしれないな。とにかく相手は体格に勝るとはいえ一期後輩になるわけだし、ここは意地を見せてもらいたいところだね。
デビュー戦を迎えるもう一人は、6期生の大空みぎり。彼女はダンディさんの推薦で入団してきた。もともとバレーボールをやっていたらしく、身長190cm体重は90kgと恵まれた体格の持ち主だ。
みぎりは遠くから見るとおしとやかな雰囲気のお嬢様然としている美少女といえるが、近くにいくと違和感を覚える。何しろ大きいからな。当然その体力とパワーは並はずれている。
現役時代はジュニアクラスの選手だったダンディさんよりも背は大きいし下手すれば体重だって重い可能性がある。“デカくて強いのがプロレスラー”という典型的なタイプに化けてくれることを期待している。
「青コーナー本日デビュー戦198パウンド~大空~みぎ~り!」
「でかいな…」
「うおおっ…」
NEW WINDを見慣れている観客たちもさすがにみぎりの体格には驚いたようだ。
「赤コーナー、同じく本日デビュー戦116パウンド~小早川~し~ほ~~!!」
リング上で向かい合う二人の差は40cmある。まるで大人と子供…なんともいえないコミカルな空気が漂っていた。
「OK、GO!ダヨ。」
ミスターDENSOUレフェリーの合図で試合が始まった。
「でかいからって強いってわけじゃねえ!」
果敢に小早川が突っ込んでいく。
「きゃあああっ!」
小早川の気迫にひるんだみぎりは反射的に腕を振り下ろした。
「ぶげっ!」
「おおおおおっ!」
ざわざわ…とどよめきが広がる。みぎりはただ腕を振り下ろしただけなのだが、普通の選手以上の強力なハンマーブローになっていたのだ。
「きゃあああっ!」
さらに強烈なハンマーブロー(?)が襲い、大ダメージを受けた小早川はたまらずダウンする。
「あら?あらあら…どうしましょう…どうしましょう…」
マットにうつ伏せに突っ伏す小早川を見てみぎりは困りましたという顔をする。
「休むな!攻めろ!」
「ギロチンだ!」
観客は口々にヤジを飛ばす。
「ダウンだよ。」
DENSOUレフェリーがカウントに入るが小早川はカウント8で立ち上がった。
「いいぞ!」
「頑張れ!」
ファンは声援と拍手を送る。
「くっそおお…たった2発でやられるわけないだろ、バカヤロー!!!」
小早川は再びみぎりにむかって突っ込んでいく。
「きゃああああっ!」
ハンマーブローを繰り出すが小早川はそれをさっと回避してヘッドシザースホイップでみぎりの巨体を宙に舞わせた。
「おおおおっ!」
おおきなどよめきが広がり大きな拍手が送られる。
「よっしゃ!いくぞ!」
間合いをとって助走をつけた小早川が突っ込んでいく。
「えいっ!」
今度は両腕をそろえた本物のハンマーブローがカウンターで炸裂。小早川の意識が飛んだように見える。
「おわりで…きゃううう…」
フィニッシュを狙ったみぎりのボディに強烈なソバットが突き刺さる。
「いったああいです!」
しかしみぎりはダウンせずに踏みとどまると小早川を捕まえてロープへと振った。
「あぶないですよおおおおっ!」
みぎりはあの巨体ながらも通常の選手と変わらぬスピードでロープへと走った。
「えいっ!」
巨体が舞った。ジャンピングネックブリーカーだ。
「ぎゃふん!」
小早川の体が押しつぶされた。
「うわあああっ…」
あの巨体に押しつぶされてはただではすまないだろう。下手するとコスチュームの中に住む”平面小早川”になってしまうかもしれない…
「そんなわけはありませんが…ま、これは返せませんな。」
どうやら知らずに口に出していたようだ。
「6分25秒ジャンピングネックブリーカーで大空みぎり選手の勝ち。」
大空みぎりデビュー戦で先輩から勝利。小早川としては屈辱的な結果になった。
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クイズの結果は残念なものになりましたが、大変楽しませていただきました。
誠に有り難うございます。
それはともかく、”平面小早川”笑わせていただきました。グッズショップで発売すれば、大ヒットしそうです。(笑)