NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇6年目7月
先月は興行を行わず、各選手のダメージを抜く期間にあてた。ただし、伸び盛りの若手である越後と零だけは東京女子の興行に参戦し、対抗戦を行うことでよりレベルアップを図った。
その結果…7月シリーズに東女勢の参戦が決定し、さらに提携海外団体からはWWCA王者カオス、IWWF王者クリス・モーガンが来日する。
そこで私は最終戦に広島大会を急遽手配し、30000人収容の球場で豪華カードを組むことにした。大会名は…チャンピオンカーニバルである。
まずIWWFジュニア王者真壁が登場し、見事に初防衛に成功してみせた。
「きゃーっ、やった!こ、コホン。当然の勝利ね。」
続いて行われたのは東京女子プロレスの至宝TWPヘビー級選手権試合だった。現TWP王者はフレイア鏡。対する挑戦者はガルム小鳥遊である。
「まさかお前とタイトルマッチをすることになるとはな。」
「私も思っていませんでしたわ。」
小鳥遊とフレイア鏡は、ある時は同じコーナーで肩を並べ、またある時は対角コーナーでぶつかりあった…因縁浅からぬ関係である。
フリーだった小鳥遊が突如NEW WIND所属選手となった後もしばらくの間フレイアはフリーとして暴れまわっていたが、いつのまにか当時参戦をしていた東京女子の所属選手になっていたのである。
先日行われた前哨戦では小鳥遊が勝利しているがはたしてどうなるだろうか。
「これは楽しみですな。」
「因縁があるだけに…興味をそそられますね。」
しかし…
「しゃあああああああっ!」
「12分49秒、ガルム小鳥遊選手の勝ち!」
フレイアのテクニックに手を焼いた小鳥遊だったが、ダイビングフットスタンプで流れをガラッと変え、最終的にはパワーの違いで圧倒してみせた。
「悪いな。お前んのとこの至宝とやら、もらっておくぜ。」
小鳥遊は東女のベルトを肩にかけると記者の記念撮影に応じた。
「TWP王者となりました、ガルム小鳥遊選手にもう一度大きな拍手をお願いいたします。」
大きな拍手が送られ、小鳥遊は拍手の雨の中を退場していった。
「パーフェクトに決める!」
オーガ朝比奈を挑戦者に迎えて行われたNJWPの初防衛戦。試合は互角に展開で進んだのだが、終盤に差し掛かったところで北条がペースを握り、最後はロイヤルバックドロップからロイヤルDDTへとつなぎ勝利を収めた。
「くそっ!」
朝比奈はマットを叩いて悔しがるが、すでに後の祭りであった。
「連日の防衛戦を見事に成功させましたか。北条からは王者の風格が漂い始めていますな。」
昨日の大会では北条は、市ヶ谷を相手にアジアヘビーの防衛戦を行い防衛に成功していたのだ。
「南には敗れてしまいましたが、今の北条は充実期のようですな。」
このあと行われたIWWFヘビー戦は挑戦者祐希子の猛攻をしのいだ王者モーガン防衛に成功している。
セミで組まれた十六夜とカオスのWWCAヘビーの方も、王者カオスが貫録をみせた。
「さすがに海外のツートップ。簡単には倒せませんな。」
しかし倒せない相手ではすでになくなっている。早いうちに誰かにこの二人からはベルを奪ってもらいたいものだ。
そしてメインでは南が勝利をおさめ、5度目の防衛に成功している。
「もはや南は止められませんな。」
「ですね…もう少し他の選手に頑張ってほしいものですね。」
そんな南がこのシリーズでは珍しくフォールをとられている。6人タッグ戦ではあったが、カオスが絶対女王に土をつけたのである。
「カオスやモーガンといったところには負けてほしくありませんな。」
その通りだと私は思う。いや、むしろ二人の挑戦を受けきって勝ってほしいものだ。
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