NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇6年目10月
スカイブルーのマットの頂点に立つ者の証であるMAX WIND。
これに挑戦するには、指定のトーナメントやリーグ戦で優勝するか、もしくは他の団体のベルトを奪う必要がある。しかしながら、指定のリーグ&トーナメントは年に2度程度…しかも開催時期は決まっていない。
MAX WINDを狙うには、開催されるのを待つか、積極的に動いて他団体のベルトを奪うしか方法はない。
現状では北条がアジアヘビー、小鳥遊がTWP、朝比奈がNJWPのベルトをそれぞれ保持しており挑戦権利を持っている状態だ。
つまり、他の選手にとってはこの3人の首を狙うのが頂点への近道となっているわけで、日々の試合でも3人からフォールを奪うことを画策しているものが多くなっている。
簡単にいえば単なるタッグ戦であっても王者から勝利すれば挑戦をアピールしやすくなるということだ。
特に10月は最終戦に九州ドーム大会が組まれていることもあって、王座挑戦アピールが白熱。
その結果…朝比奈のNJWPには桜崎が、北条のアジアヘビーには祐希子が挑戦することになった。
4大タイトルマッチが組まれた九州ドーム大会。まずその口火を切ったのはソニックのWWCAジュニア王座。これに挑戦したのは、ディアナである。
ディアナはソニック&越後とともに正義軍の一員として普段は活動しており、いわば同門対決だ。当然ソニックの動きは熟知しているのだが、それはソニックも同じことがいえる。二人の試合はお互いの動きを読む展開となったが、やはりまだまだ地力が違った。
15分15秒シューティングスタープレスでソニックがディアナを下し、2度目の防衛に成功している。
朝比奈の王座に挑戦したのは、最近急成長を見せ、先輩たちを脅かしている桜崎だ。
「私のおもてなし存分に受けていただきます。」
大会前に行われたインタビューでも朝比奈相手なら余裕という口ぶりだった桜崎だが、蓋をあけてみれば王者朝比奈の強さが際立つ形になった。
フィニッシュバスター、アルゼンチンバックブリーカーなどで追いこむ朝比奈に対し、桜崎も萌える裏拳(萌拳)やメイデンストレッチなどで反撃。
しかし王者朝比奈はこれらの攻撃を余裕でクリア、高角度のバックドロップで反撃し、これをカウント2.5で返されると、桜崎の起き上がりに鬼刀(ジャンピング顔面蹴り)を炸裂させる。なんとかロープへと足を伸ばしこれフォールを回避した桜崎であったが、続けざまに打ち込まれた二発目の鬼刀で意識を刈り取られた。
「せっかくの王座、お前ごときにわたすかって~の。」
それにしてもこの防衛には少々驚かされた。正直もっときわどくなると思っていたし、桜崎の戴冠も十分あり得ると思っていたのに。
ベルトを巻いた朝比奈は正直別人のようなオーラを放っている。これが王者の風格という奴であろうか。
セミWINDのアジアヘビー戦は激しい攻防の末、挑戦者祐希子が伝家の宝刀ムーンサルトプレスでフォール勝ちし、自身初のシングル王座の獲得と相成った。
「やったね。でもこれは通過点に過ぎないから。私の目標はMAX WIND女王南利美
だけなんだから。絶対に女王になってやるってって!やってやるって!」
王座を戴冠し、意気上がる祐希子に対し、さすがに二つのベルトを失った北条はガックリとしていた。
「今日のところは負けですが、きっとまたベルトを奪ってみせますよ。」
北条の輝きはまだ失われてはいない。きっとこれから先もチャンスはあるだろう。
そして、メインWIND…所属選手全てが狙うMAX WIND女王戦が行われ、23分57秒クロスアームスープレックスで女王南が挑戦者モーガンを下し、通算6度目の防衛に成功している。
「あのIWWF王者クリス・モーガンですら相手になりませんか。南も強くなったものですな。」
「まさに絶対女王ですね。これから先防衛記録をどこまで伸ばすのか、誰が止めるのか…注目ですね。」
女王の座を狙う選手たちに今日の試合はどう映ったのだろうか。
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