DQ1より、有名なシーンを描いてみました。
主人公を誘惑する竜王。主人公はそれにどう答えるのか…
主人公を誘惑する竜王。主人公はそれにどう答えるのか…
「世界の半分をお前に与えよう。」
竜王はニヤリと笑って僕に取引を持ちかけてきた。
「勇者さま、話にのってはいけませんわ。」
僕の腕に抱えられているローラ姫はそういって僕の瞳を見つめた。
それはそうだろう。アレフガルドを恐怖のどん底に陥れた張本人である竜王のいうことになど耳を傾けてはいけない。
それは僕もわかっているのだが…世界の半分という条件は捨てがたい。今まであまり欲を持った事はない僕だが、今までの冒険を通じて色々と知ってしまった。
単なる町の暴れん坊に過ぎなかったこの僕が、いまや皆に信頼される勇者様だ。
今まででは考えられなかったような経験もたくさんできたし、今更普通の生活には戻れないだろう。
それに…遥かに身分の違うローラ姫と男と女の関係にもなれた…本来なら顔を見ることすら叶わぬ高嶺の花。
まさか、このような関係になれるなんて…
「勇者さまっ!」
「ローラ…」
僕はあの夜を忘れない。
「ふふ、迷っているようだな。」
竜王はニヤニヤと笑みを浮かべている。
ふん、薄気味悪い笑みだ。絶対に何かをたくらんでいるに違いない。
「いや迷ってはいない。お前の出した条件は魅力的だからな。」
「勇者様っ?」
ローラ驚き、僕の顔をまじまじと見つめた。
「ほう。ということはお前は世界の半分を望むのか?」
竜王の瞳の奥に「勝った」という輝きが見える。
僕はそれを見て抱いていた疑念が確信に変わった。奴は何かをたくらんでいる。
「ああ、そうだ。僕は生の世界をもらう。そして貴様には死の世界に行ってもらう。覚悟しろっ、竜王っ!!」
僕は、ローラ姫を優しく床に降ろすと偉大なる先祖、勇者ロトから受け継いだ王者の剣…いやロトの剣を構えた。
「勇者さまっ!」
「ローラ、見ていてくれっ!僕はアレフガルドに平和を取り戻し、ローラ、君とっ!」
「はいっ!勇者さまっ!」
「うぬぬ、覚悟しろっ勇者ロトの血を引きしものよ!」
そして、僕と竜王の決戦がはじまった。
「勇者様、信じています!」
ローラの愛のバックアップがあれば僕は百人力だ。僕は必ず、この戦いに勝ってみせる。
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