マッスルブラザーズ VS ヘル・バトラーズ
「この対戦カードを見て、何人の者が対戦カードの中身がわかるだろうか…」
この団体社長はそう呟きながらマスコミにカードを送信した。
「はっはっは、マッスルブラザーズですか。」
ガールズ・ゴングのO坂次長はいつもの穏やかな笑みを浮かべていたが、その瞳は鋭い光を放っていた。
「このカードは私が取材するしかありませんな。」
O坂は取材に向かうことを決めた。
「なにがマッスルブラザーズだよ。オレはキン肉マンか!っつーの。」
マッスルブラザーズの片割れは憤っていた。
「落ち着けよ。オレだって、なんだかな~って思ってるんだからよ。」
自慢の筋肉を鍛えながら、マッスルブラザーズのリーダーは相棒を宥めた。
「まあいいけどよ。相手はヘル・バトラーズか。かなりの強敵だな…」
「ああ。間違いなく強力な相手だ。何しろ、あの強豪団体のトップ二人が組むんだ。飛びっきりの強敵だぜ。」
「恐ろしい相手だが、なんだかワクワクするよな。」
「ああ。オレたちのタッグチームとしてのデビュー戦きっちりと飾ろうぜ。」
ガッチリと握手をする二人。
「さあ、もうちょっと鍛え上げようぜ。」
「だな。」
二人は、自慢の筋肉をさらに鍛えはじめたのだった。
そして試合当日…超満員に膨れ上がった武道館は、セミファイナルまで終了しついにメインイベントを残すのみとなった。
「まず青コーナーより、ヘル・バトラーズの入場です。」
重低音がよく聞いた重厚なテーマ曲がかかる。花道から姿を現したのは…WWCAのトップレスラーにして、現WWCA世界ヘビー級王者ダークスター・カオスである。
「おおおおおおおおおお!」
場内は異様な盛り上がりを見せる。まさかまさかのダークスター・カオスの登場に驚きを隠せない。カオスはゆっくりとリングへと向かう。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
さらに、そのパートナーの登場に、激しく盛り上がる場内。カオスのパートナーとして登場したのは、現IWWF世界ヘビー級王者にしてIWWF不動のエース、クリスモーガンである。
ライバル団体として争っている海外の強豪団体のトップエース二人のまさかまさかの合体劇に、場内は大いに盛り上がる。モーガンがリングサイドまで来たところで、カオスがモーガンの正面に立つ。
「すわっ!乱闘か?」と思わせておいて、カオスはモーガンのためにロープを肩で押し上げた。
「おおおおおっ?!」
まさかまさかの光景に驚きを隠せない場内。
「……」
モーガンはカオスに一礼してからリングイン。そして二人はガッチリと握手を交わした。
「おおおおおおおおおおっ!」
場内は大いに盛り上がる。
「続きまして、赤コーナーよりマッスルブラザーズの入場です。」
そして姿を現したのは…キン肉マンのマスクを被ったレスラーが一人と、違う色のキン肉マンマスク…キン肉マングレートマスクを被ったレスラーであった。
「どおおおおおおおおっ!」
場内はまさかの演出にどよめく。二人はそのままマスクを被ったままリングに乗り込みポーズをとった。
「ブルーコーナー、チームヘル・バトラーズ! ダークスター~カオ~ス~~!! ア~~~ンド、クリ~イス・モーガーン!!」
カオスとモーガンが両腕を突き上げ、場内は大きな歓声と拍手で二人を歓迎した。
「レッドコーナー、マッスル・ブラザーズ! キン肉マ~~ン、ア~ンド、キン肉マングレ~ト~~!」
マスクを被ったまま二人は右腕を突き上げる。こちらにも拍手と歓声、そして笑い声が送られる。
「レフェリー、ミスター~~~DENSOU~~~」
緑色のマスクを被った怪しげなレフェリーがコールされ、場内からは「BU~~~~!!」と大音量のブーイングが送られた。
「なおこの試合は60分3本勝負で行われます。」
なお先発は、キン肉マングレートのマスクを被ったレスラーと、カオスである。
「OK、ファイトだよ!」
ミスターDENSOUの合図でゴングが打ち鳴らされた。
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とりあえず、レッスル界の超大物2人を相手にマッスルブラザーズの中の人たちがどこまで奮闘してくれるか、楽しみにしております。