※このお話は、サバイバー1の年代設定に準拠しています。
「必殺技ってプロレスラーにとって必要なものだよね」
相羽は唐突に話題を振った。
「確かにそうですけど、急にどうしたんです?」
杉浦は相羽の真意が掴めずにいた。
「いやーボクも先輩たちみたいなカッコいい技を使いたいなって思ってさ」
「……カズキさんには無理ですよ」
杉浦は顔色一つ変えないでサラリといってのける。
「ええっ? なんでさ??」
「それはカズキさんが『普通』だからです」
「それってひどくない? ボクだってがんばってるのに」
「いえ、実に的確な表現だと思いますよ」
「むう……」
相羽は頬をぷくっと膨らませるが、杉浦は意に介さない。
「……普通でいられることが羨ましい人もいるんですけどね」
杉浦は聞こえないように呟いた。
「もう。でもさー必殺技の条件ってあるじゃない?」
「確かにそうですね。カズキさんにしてはいい判断です」
「……必殺技の条件ってのを考えてみれば、必殺技がわかるんじゃないかなと思ってさ」
相羽はいいアイディアだと胸を張る。
「間違ってはいないと思いますよ」
「でしょ!」
二人は必殺技についてのディスカッションを始めた。
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