ふふ、まさか3話目まで続くことになるとは誰も思っていなかっただろうなあ。
というわけで続きへどうぞ。
カウント8で立ち上がった両者は、その後一進一退の攻防を繰り広げていた。
ここまで手数ではまったくの互角であったが、やはり新風伊達の方の方が攻防ともに一番星伊達を上回っている。
試合時間の経過とともに色濃くなってゆく、一番星伊達の劣勢。セコンド陣が声を枯らして声援を送るが、能力の差を埋めることができない。
「はあっ!」
新風伊達のフェニックスニーが一番星伊達のどてっぱらを打ち抜いた。
「あぐああっ…」
両手で腹部を抱えるようにしてダウンし、禁断の片ヒザをつく一番星伊達。
ついに無敵を誇った一番星プロレスのエース、FSP初代チャンピオンにして絶対王者伊達遙の陥落の瞬間がやってきた。
「勝機…見逃すわけには行かない!」
新風伊達の決め台詞を場内の新風伊達ファンが合唱し、それと同時に一番星伊達のファンから悲鳴が上がった。勢いをつけて突っ込んでいく新風伊達。狙うは必殺技シャイニングフェニックス(新風伊達式シャイニングウイザード)だ。
「あぐあっ…」
だが…次の瞬間ガクッと片ヒザをついたのは、新風伊達のほうだった。
「おおおっ!」
一番星伊達の片ヒザダウンはブラフだったのだ。突っ込んでくる新風伊達に対し、素早く立ち上がった一番星伊達はカウンターのハイキックを一閃。
「一番星プロレスのために、そして社長の為に……この勝機…見逃すわけにはいかないっ!」
一番星伊達が一番星プロレスの意地と誇り…そして社長への感謝の気持ちを込めた必殺のサイレントウイッチ(一番星伊達式シャイニングウイザード)が新風伊達の顔面を打ち抜いた。
「フォール!」
「OK、カウントだよ。」
渾身の力でカバーする一番星伊達。ミスターDENSOUがカウントを取る。
バンっ!
「ワンっ!」
バンっ!!
「トゥ!!」
「決めるッス、遙っ!」
「返して遙っ!」
真田と南の声援が交錯する。
ミスターDENSOUの右腕が3度目のマットを叩こうとした瞬間、ミスターDENSOUの体が吹き飛ばされた。
「ぐあああああっ…」
ミスターDENSOUは左のわき腹を抑え、悶絶している。
「勝手に頂上決戦気取るんじゃねえよ、誰か忘れてるよ、忘れてるんだよ!」
ミスターDENSOUの脇腹にキックを叩き込んでカウントを妨害したのは、東洋女子プロレス社長秘書のヤサグレ霧子であった。
用を済ませたヤサグレ霧子は素早くリング下に降りるが、場内から大ブーイングを浴びた。
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普通には終われませんので。
ここでまさかの切り札を投入してみました。