一話一話は短めなのですが、今回でなんと4話目です。 続きからどうぞ。
ノーレフェリー状態となったリング上、先に起き上がったのは新風伊達遙だった。
「はあっ!」
今度こそ、必殺のシャイニングフェニックスが炸裂!一番星伊達がガクンと崩れ落ちた。
「フォール!!」
新風伊達が声を絞り出す。しかし、当然のことながらレフェリーのミスターDENSOUはダウンしたままなのでカウントは入らない。
「レフェリー!カウントー!!」
新風側セコンド陣がエプロンをバンバン叩く。
「トニー館だ、トニー館!」
サブレフェリーに指定されていたトニー館がリングインしてフォールを取ろうとしたが、カウント2で再びヤサグレ霧子がリングイン、トニー館の腰へキックを叩き込む。
「ぐうううっ…」
トニー館までもがダウン。
「くそっ!」
新風伊達は怒りを込めて立ちあがると、コーナーへと攀じ登る。
「決めるぞ!」
大きく両手を広げる新風伊達。
「まさかっ!アレを出すつもなの?」
新風伊達が狙うのは前方回転ダブルニーアタック、”フェニックスキック”だろう。これが決まれば、一番星伊達に勝機はない。
「ぐっ…くっ…」
ノロノロと起き上がる一番星伊達。決着の瞬間がいよいよ訪れるかに見えた。
「ああああっ!」
ここで新風伊達に迫る一人のレスラーの影が。そのコスチュームには”SPZ”の文字が見える。そして素早く背後から新風伊達に接近すると、新風伊達の後頭部に、必殺のSPZキック(ハイキック)。
「あぐあっっ」
そのままリングに転落する新風伊達。
「たあっ!」
さらに一番星伊達にもSPZキックを打ち込むSPZ伊達。
「なあ、これでよかったの?」
秘書に囁く今野社長。
「ええ。SPZの名を売り込むチャンスですからね。うふふふふ。」
リング上に残る伊達遙はSPZの伊達遙のみ。しかし、ここでニヤリとほくそ笑む影があったことを気づいたものはいなかった。
「フォール。」
SPZ伊達が一番星伊達をフォールする。ここで蘇生したミスターDENSOUが朦朧とする意識の中でフォールをとりにいく。見た目はほとんど同じ、伊達遙だ。朦朧とした意識の中では判断ができないだろう。
バン!
バンッ!!
場内から怒号とブーイングが上がるなか、ミスターDENSOUの右腕が振り下ろされる。
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