☆注意喚起情報☆
このお話はレッスルエンジェルスサバイバー リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』の設定を受け継いでいますが、このお話は『NEW WIND』のお話ではありません。
また、登場人物の設定は前述の『NEW WIND』での設定を受け継いでおり、公式とは違う設定がなされています。
本来なら先輩であるはずの登場人物が、後輩として登場したりしますのでその点についてはご留意ください。
また基本的にこのお話は管理人のオリジナルであり、リプレイではありません。
ただし、外伝という位置づけですので、リプレイの設定を受け継いでいます。
リプレイでいえば、13年目4期生永沢舞の引退後あたりを舞台に展開していきます。
以上注意喚起情報を留意の上、つづきへとお進みください。
※感想はOKというか歓迎しますが、苦情は一切受け付けませんので、あらかじめご留意ください。
管理人 N
このお話はレッスルエンジェルスサバイバー リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』の設定を受け継いでいますが、このお話は『NEW WIND』のお話ではありません。
また、登場人物の設定は前述の『NEW WIND』での設定を受け継いでおり、公式とは違う設定がなされています。
本来なら先輩であるはずの登場人物が、後輩として登場したりしますのでその点についてはご留意ください。
また基本的にこのお話は管理人のオリジナルであり、リプレイではありません。
ただし、外伝という位置づけですので、リプレイの設定を受け継いでいます。
リプレイでいえば、13年目4期生永沢舞の引退後あたりを舞台に展開していきます。
以上注意喚起情報を留意の上、つづきへとお進みください。
※感想はOKというか歓迎しますが、苦情は一切受け付けませんので、あらかじめご留意ください。
管理人 N
「そうじゃない!こうだ!」
ダンディさんはお手本を見せるべくコーナーへと駆け上がる。
「は、はやい・・・」
「すげえなあ・・・」
藤島と八島が感嘆の声を漏らす。
「そしてこうだっ!」
ダンディさんはコーナーから膝を抱えて後方に飛ぶ。
高さ、フォームの綺麗さ・・・どれを取っても現役選手より美しい。
ダンディさんは後方2回転して下に敷いてあった安全マットの上に腹部から落下。
「これがダブルスピンムーンサルトだ。武藤が現役だった頃のフィニッシュホールドだな。」
「そんなのアタシに出来るわけねえだろう。大体、ダイビングボディプレスですら出来るかわかんないのに。」
「ダンディさんすごーい。ねえねえ、ヒトミツイスターのお手本を見せて。」
「いいだろう。」
ダンディさんは再びコーナーへと駆け上がると、華麗に宙を舞った。
「何度も練習していれば飛べるようになるさ。コーナーへの駆け上がりは、スピードとバランスが重要だ。これはスワンダイブにも同じことが言えるな。それと、一番大事なのは、失敗を恐れない勇気だよ。」
この後、藤島と八島は飛び技の練習に精を出したが、まだまだ観客の前で披露するのは遠いようだ。
「ムーンサルトくらいなら入団前から出来たのに。」
藤島は思うとおりに飛べない自分が腹立たしかった。
「ムーンサルトが出来ただけではお客さんは納得しないんだ。ムーンサルトに説得力を持たせるのは、やはり心だよ。魂を込めて放つから決まるんだ。」
「心・・・魂・・・」
「ああ、魂を込めれば、ただのチョップでも必殺技に変化するからなあ。」
NEW WIND外伝 伝説のダンディ・ドラゴン第4話「試合はじまる。」
「本日のメインイベント、SPW認定タッグ選手権試合60分1本勝負を行います!」
リング上では王者組の堀雄也と仮面シューター・スーパーパンサーが物凄い形相で挑戦者の二人を睨みつけているが、当の二人は涼しい顔で受け流していた。
「熱くなりやがって。バカじゃねえの。」
「本気のあいつ等をぶっ潰さないと意味はないからな。ちょうどいいだろう。」
関野と須永はボソボソといっていた。
「青コーナー、挑戦者、フリー参戦193パウンド~ ダンディ、すな~が~!」
リングアナのコールにあわせ、バク転をしてみせる須永。
拍手3分の1、ブーイング3分の2が須永を出迎える。
「くく。不人気だな、須永。」
「ふん。試合が終わればかわるさ。」
「200パウンド~ かんの~げんきち~!」
関野は両腕を突き上げるが、「ブー!ブー!ブー!」と大量のブーイングを浴びせられてしまう。
ブーイング率100%といったところか。
「かっかっか。ナイスなヒールぶりだな、関野。100%ブーイングじゃねえか。」
「うるせえ。99.9%だ。ほら、そこ見ろ。あの娘だけは拍手してくれているぜ。」
関野が指差した先には可愛らしい女性がおり、ブーイングの嵐の中拍手を送ってくれていた。
「そうだな。あの娘は藤島のように可愛らしかったよ。」
「え~私の方が可愛いでしょう?だって私は絶対無敵のアイドルなんだからね♪」
「そういうことにしておこう。」
関野がなぜこれだけブーイングを浴びるかといえば、裏切り者だからだ。
元々フリー参戦で外様の須永と違い、関野はSPW所属の若手。
その若手が外様と組んで団体のエースへ反旗を翻したのだから当然ともいえる。
「赤コーナー チャンピオン、275パウンドー 仮面シューター、スーパーパンサー!」
スーパーパンサーは得意のキックのシャドーを見せる。
大きな拍手と、チビッコたちからの大きな声援が送られる。
「パンサー!がんばって~!」
「フン、猫の癖に生意気だぜ。今日はあの猫をボコボコにして子供の夢を破壊してやる。」
「・・・関野、発言が思いっきりヒールだぞ。」
「264パウンド~ほり、ゆう~や~!」
堀が右拳を突き上げると大歓声が沸き起こる。
「たいした人気だぜ。」
「レフェリー、山上幸平(やまがみ・こうへい)」
「こ~へ~!」とファンからこーへコールがわきあがった。。
須永と関野のボディチェックを始めたところで、王者組が奇襲を仕掛けた。
「オラアッ!」
「タアッ!」
堀の逆水平チョップが関野を襲い、パンサーのミドルキックが須永を襲う。
「ハアッ!」
堀のチョップを関野は脇固めで切り返し、パンサーのミドルキックは須永は飛びつきヒザ十字に切り返す。
「ぐ・・」
「つうう・・・」
不意打ちのつもりが逆襲され呻く王者組。
「ば~か。お前ら単細胞がやることなんてお見通しなんだよっ!」
関野が大声を出すと、「ブー!」とブーイングが飛んだ。
カアン!ゴングが鳴った。
二人はある程度痛めつけると技を外し、まず堀を場外へ叩き落とした。
パンサーVS須永で試合がはじまる。
パンサーはキックを主体とした選手だが、須永の切り返しを警戒しキックを出せない。
「どうしたヒーロー。蹴って来いよ。」
須永は右手でおいでおいでをする。
「パンサー!キック!キック!!」
子供たちからキックを期待する声がする。
「ヒーローが子供の要求を無視するのか?ライダーキックを出さないライダーがいるのかよ?」
須永はニヤリを笑ってみせた。
「舐めるなよっ!」
パンサーはローキックを放つ。
「おっと。」
須永はそれをサラリと足でさばいてみせた。
「何っ・・・」
「悪いがキックがお前の専売特許だなどと思わないことだ。」
須永はスピードに乗った右ローキックを放つ。
シュパッと空気を切り裂く音がしてバシーンといい音がする。
「おおっ!」
客席から思わず声が上がる。
「あ~っと、須永の鋭いローキック!パンサー驚いています。解説の坂崎さん、どうでしょうか。」
「うーん、驚きましたね。いいキックです。キックといえばパンサー選手の専売特許でしたが、今のローキックを見た限り、須永選手のキックも引けは取りませんね。」
「ハッ!ハッ!ハッ!」
須永はローキックを連打する。
「ぐっ・・・このっ!」
パンサーも負けじとローキックを連打。激しいキック合戦となる。
キックスピードと防御テクニックでは須永が上回るが、一撃、一撃の破壊力は体重が37キロ重いパンサーの方が上、次第にパンサーが押し始める。
「お~っと須永ヒザをついてしまった!」
「やはり一撃の威力が違いますからね。体重の重いパンサー選手の方が有利でしょう。」
「もらったぜ!」
パンサーはヒザをついた須永の顔面に向かって右キック繰り出す。
「ハアッ!」
須永はそれをキャッチする。
「なにっ!」
「甘いんだよっ!」
須永はさっと手を離すとローリングソバットでパンサーのあご先を打ち抜いた。
「須永のローリングソバット!綺麗に決まった!」
「まだっ!」
後方に倒れこむパンサーに須永はその場飛びのニールキックで追い討ちをかける。
「フォール!」
須永は片エビに固めるが、カウント2でパンサーはクリアしてみせた。
「ま、これで終わってもらっては困るからな。」
須永は涼しい顔で関野にタッチ。
「ふん、俺の相手はお前じゃねえ。」
関野はパンサーのマスクを引っ張って無理やり立たせると、赤コーナーへと放り投げた。
「出て来い!堀!」
「ほ~り!ほ~り!」
堀コールが沸き起こる。
「仕方ねえなあ出てやるよ。」
堀はパンサーの背中にタッチするとゆっくりとリングインした。
「オラアツ!」
堀は逆水平チョップを叩き込む。
「い~っしょお!」
関野はその腕に合わせてグーパンチ。
堀のチョップと関野の拳が交錯する。
「おわあっつ!」
吹っ飛ばされたのは関野の方だった。
「ククッ・・・その程度の拳で俺のチョップは止められねえぜ。」
堀は不敵に笑った。
「すごいですね。拳で殴られているのにチョップで跳ね返すなんて。」
吉田が驚嘆のため息をつく。
「堀の奴は異常に腕が頑丈だったからね。」
「でも、源吉さんのグーパンチって反則じゃないですか?」
藤島が聞く。
「もちろん、反則だよ。だがね、藤島。プロレスでは反則は5カウント以内なら反則じゃないんだよ。だからこの場合反則ではない。まあ私はグーパンチという言い方はあまり好きじゃないけどね。」
「なんで?」
藤島が興味ありありで聞くが、その傍で吉田がちょっと嫌な顔をした。
(吉田はNEW WINDでグーパンチを唯一使う選手)
「名言があるんだよ。『グーパンチっていうけど、パンチがグーなの当たり前だろ』ってな。」
「あははっ、なるほど。パーとかチョキのパンチはないもんね♪」
藤島は楽しそうだ。
「そういうことだ。だからあれはパンチとかナックルパートと言うべきなんだ。」
「ダンディさんは使うことには反対しないんですか?」と吉田。
「反則は5カウント以内ならOKでしょう。ルールどおりに使うなら問題はないと思う。だけど、度を越してしまってはいけない。」
「なるほど。」
堀のチョップで拳ごと弾き飛ばされた関野だったが、ダメージはほとんどない。
「さすがといっておくぜっ!おい、堀!お前のチョップと俺のケツどっちが固いか勝負だっ!」
関野はそう宣言し、パンと自分のお尻を叩いた。
「いや~ん。」
「なんか嫌ですね。」
「私もあいつのケツもといヒップ技には苦労したよ。この時は仲間だったから頼もしく思ったものだが、あいつも『七色のケツ使い』というニックネームがあったからなあ。」
「な、七色のケツ使い・・・物凄く嫌だ。」
「長くなるから、ひとまず休憩を挟もうか。」
「は~い。」
「ストレッチしておけよ。」
ダンディさんはお手本を見せるべくコーナーへと駆け上がる。
「は、はやい・・・」
「すげえなあ・・・」
藤島と八島が感嘆の声を漏らす。
「そしてこうだっ!」
ダンディさんはコーナーから膝を抱えて後方に飛ぶ。
高さ、フォームの綺麗さ・・・どれを取っても現役選手より美しい。
ダンディさんは後方2回転して下に敷いてあった安全マットの上に腹部から落下。
「これがダブルスピンムーンサルトだ。武藤が現役だった頃のフィニッシュホールドだな。」
「そんなのアタシに出来るわけねえだろう。大体、ダイビングボディプレスですら出来るかわかんないのに。」
「ダンディさんすごーい。ねえねえ、ヒトミツイスターのお手本を見せて。」
「いいだろう。」
ダンディさんは再びコーナーへと駆け上がると、華麗に宙を舞った。
「何度も練習していれば飛べるようになるさ。コーナーへの駆け上がりは、スピードとバランスが重要だ。これはスワンダイブにも同じことが言えるな。それと、一番大事なのは、失敗を恐れない勇気だよ。」
この後、藤島と八島は飛び技の練習に精を出したが、まだまだ観客の前で披露するのは遠いようだ。
「ムーンサルトくらいなら入団前から出来たのに。」
藤島は思うとおりに飛べない自分が腹立たしかった。
「ムーンサルトが出来ただけではお客さんは納得しないんだ。ムーンサルトに説得力を持たせるのは、やはり心だよ。魂を込めて放つから決まるんだ。」
「心・・・魂・・・」
「ああ、魂を込めれば、ただのチョップでも必殺技に変化するからなあ。」
NEW WIND外伝 伝説のダンディ・ドラゴン第4話「試合はじまる。」
「本日のメインイベント、SPW認定タッグ選手権試合60分1本勝負を行います!」
リング上では王者組の堀雄也と仮面シューター・スーパーパンサーが物凄い形相で挑戦者の二人を睨みつけているが、当の二人は涼しい顔で受け流していた。
「熱くなりやがって。バカじゃねえの。」
「本気のあいつ等をぶっ潰さないと意味はないからな。ちょうどいいだろう。」
関野と須永はボソボソといっていた。
「青コーナー、挑戦者、フリー参戦193パウンド~ ダンディ、すな~が~!」
リングアナのコールにあわせ、バク転をしてみせる須永。
拍手3分の1、ブーイング3分の2が須永を出迎える。
「くく。不人気だな、須永。」
「ふん。試合が終わればかわるさ。」
「200パウンド~ かんの~げんきち~!」
関野は両腕を突き上げるが、「ブー!ブー!ブー!」と大量のブーイングを浴びせられてしまう。
ブーイング率100%といったところか。
「かっかっか。ナイスなヒールぶりだな、関野。100%ブーイングじゃねえか。」
「うるせえ。99.9%だ。ほら、そこ見ろ。あの娘だけは拍手してくれているぜ。」
関野が指差した先には可愛らしい女性がおり、ブーイングの嵐の中拍手を送ってくれていた。
「そうだな。あの娘は藤島のように可愛らしかったよ。」
「え~私の方が可愛いでしょう?だって私は絶対無敵のアイドルなんだからね♪」
「そういうことにしておこう。」
関野がなぜこれだけブーイングを浴びるかといえば、裏切り者だからだ。
元々フリー参戦で外様の須永と違い、関野はSPW所属の若手。
その若手が外様と組んで団体のエースへ反旗を翻したのだから当然ともいえる。
「赤コーナー チャンピオン、275パウンドー 仮面シューター、スーパーパンサー!」
スーパーパンサーは得意のキックのシャドーを見せる。
大きな拍手と、チビッコたちからの大きな声援が送られる。
「パンサー!がんばって~!」
「フン、猫の癖に生意気だぜ。今日はあの猫をボコボコにして子供の夢を破壊してやる。」
「・・・関野、発言が思いっきりヒールだぞ。」
「264パウンド~ほり、ゆう~や~!」
堀が右拳を突き上げると大歓声が沸き起こる。
「たいした人気だぜ。」
「レフェリー、山上幸平(やまがみ・こうへい)」
「こ~へ~!」とファンからこーへコールがわきあがった。。
須永と関野のボディチェックを始めたところで、王者組が奇襲を仕掛けた。
「オラアッ!」
「タアッ!」
堀の逆水平チョップが関野を襲い、パンサーのミドルキックが須永を襲う。
「ハアッ!」
堀のチョップを関野は脇固めで切り返し、パンサーのミドルキックは須永は飛びつきヒザ十字に切り返す。
「ぐ・・」
「つうう・・・」
不意打ちのつもりが逆襲され呻く王者組。
「ば~か。お前ら単細胞がやることなんてお見通しなんだよっ!」
関野が大声を出すと、「ブー!」とブーイングが飛んだ。
カアン!ゴングが鳴った。
二人はある程度痛めつけると技を外し、まず堀を場外へ叩き落とした。
パンサーVS須永で試合がはじまる。
パンサーはキックを主体とした選手だが、須永の切り返しを警戒しキックを出せない。
「どうしたヒーロー。蹴って来いよ。」
須永は右手でおいでおいでをする。
「パンサー!キック!キック!!」
子供たちからキックを期待する声がする。
「ヒーローが子供の要求を無視するのか?ライダーキックを出さないライダーがいるのかよ?」
須永はニヤリを笑ってみせた。
「舐めるなよっ!」
パンサーはローキックを放つ。
「おっと。」
須永はそれをサラリと足でさばいてみせた。
「何っ・・・」
「悪いがキックがお前の専売特許だなどと思わないことだ。」
須永はスピードに乗った右ローキックを放つ。
シュパッと空気を切り裂く音がしてバシーンといい音がする。
「おおっ!」
客席から思わず声が上がる。
「あ~っと、須永の鋭いローキック!パンサー驚いています。解説の坂崎さん、どうでしょうか。」
「うーん、驚きましたね。いいキックです。キックといえばパンサー選手の専売特許でしたが、今のローキックを見た限り、須永選手のキックも引けは取りませんね。」
「ハッ!ハッ!ハッ!」
須永はローキックを連打する。
「ぐっ・・・このっ!」
パンサーも負けじとローキックを連打。激しいキック合戦となる。
キックスピードと防御テクニックでは須永が上回るが、一撃、一撃の破壊力は体重が37キロ重いパンサーの方が上、次第にパンサーが押し始める。
「お~っと須永ヒザをついてしまった!」
「やはり一撃の威力が違いますからね。体重の重いパンサー選手の方が有利でしょう。」
「もらったぜ!」
パンサーはヒザをついた須永の顔面に向かって右キック繰り出す。
「ハアッ!」
須永はそれをキャッチする。
「なにっ!」
「甘いんだよっ!」
須永はさっと手を離すとローリングソバットでパンサーのあご先を打ち抜いた。
「須永のローリングソバット!綺麗に決まった!」
「まだっ!」
後方に倒れこむパンサーに須永はその場飛びのニールキックで追い討ちをかける。
「フォール!」
須永は片エビに固めるが、カウント2でパンサーはクリアしてみせた。
「ま、これで終わってもらっては困るからな。」
須永は涼しい顔で関野にタッチ。
「ふん、俺の相手はお前じゃねえ。」
関野はパンサーのマスクを引っ張って無理やり立たせると、赤コーナーへと放り投げた。
「出て来い!堀!」
「ほ~り!ほ~り!」
堀コールが沸き起こる。
「仕方ねえなあ出てやるよ。」
堀はパンサーの背中にタッチするとゆっくりとリングインした。
「オラアツ!」
堀は逆水平チョップを叩き込む。
「い~っしょお!」
関野はその腕に合わせてグーパンチ。
堀のチョップと関野の拳が交錯する。
「おわあっつ!」
吹っ飛ばされたのは関野の方だった。
「ククッ・・・その程度の拳で俺のチョップは止められねえぜ。」
堀は不敵に笑った。
「すごいですね。拳で殴られているのにチョップで跳ね返すなんて。」
吉田が驚嘆のため息をつく。
「堀の奴は異常に腕が頑丈だったからね。」
「でも、源吉さんのグーパンチって反則じゃないですか?」
藤島が聞く。
「もちろん、反則だよ。だがね、藤島。プロレスでは反則は5カウント以内なら反則じゃないんだよ。だからこの場合反則ではない。まあ私はグーパンチという言い方はあまり好きじゃないけどね。」
「なんで?」
藤島が興味ありありで聞くが、その傍で吉田がちょっと嫌な顔をした。
(吉田はNEW WINDでグーパンチを唯一使う選手)
「名言があるんだよ。『グーパンチっていうけど、パンチがグーなの当たり前だろ』ってな。」
「あははっ、なるほど。パーとかチョキのパンチはないもんね♪」
藤島は楽しそうだ。
「そういうことだ。だからあれはパンチとかナックルパートと言うべきなんだ。」
「ダンディさんは使うことには反対しないんですか?」と吉田。
「反則は5カウント以内ならOKでしょう。ルールどおりに使うなら問題はないと思う。だけど、度を越してしまってはいけない。」
「なるほど。」
堀のチョップで拳ごと弾き飛ばされた関野だったが、ダメージはほとんどない。
「さすがといっておくぜっ!おい、堀!お前のチョップと俺のケツどっちが固いか勝負だっ!」
関野はそう宣言し、パンと自分のお尻を叩いた。
「いや~ん。」
「なんか嫌ですね。」
「私もあいつのケツもといヒップ技には苦労したよ。この時は仲間だったから頼もしく思ったものだが、あいつも『七色のケツ使い』というニックネームがあったからなあ。」
「な、七色のケツ使い・・・物凄く嫌だ。」
「長くなるから、ひとまず休憩を挟もうか。」
「は~い。」
「ストレッチしておけよ。」
PR
笑いました。