NEW WIND社長 風間 新手記より
※このお話は、NEW WIND編のストーリー&星明りの少女の続編です。
NEW WIND編後半および、星明りの少女をあわせてお読み頂けるとより深みが増すと思います。
なおゼロさんの書かれたお題SS「ライバル」の視点チェンジ話になっていますので、先にゼロさんの「ライバル」をお読みください。
ツリー式合作SSとなっております。
※このお話は、NEW WIND編のストーリー&星明りの少女の続編です。
NEW WIND編後半および、星明りの少女をあわせてお読み頂けるとより深みが増すと思います。
なおゼロさんの書かれたお題SS「ライバル」の視点チェンジ話になっていますので、先にゼロさんの「ライバル」をお読みください。
ツリー式合作SSとなっております。
新日本ドーム大会のメインは、9期生によるタイトルマッチ。
『第5代MAX WIND女王』スターライト相羽に、同期のジーニアス武藤が挑む。
「今回は、負けられない!」
意気込むジーニアス。
それもそのはずで、ジーニアスが女王相羽に挑むのは、今回が2度目。
前回は女王相羽が、貫禄の勝利を収めている。
この敗戦という事実はジーニアスのプライドをズタズタに引き裂いた。
「私が、相羽なんかに・・・」
相羽のことは、最初は相手にもしていなかった。
こんな奴・・・と見下していたジーニアス。
だが、相羽は努力を続け、ついにジーニアスを追い越すと、先に女王の座を手に入れた。
先に女王の座を奪われたことで傷つけられたプライド。
「私が、女王に!」
ならば奪えばいいと、心に決めたジーニアスは、女王相羽に挑戦した。
「相羽からなら簡単に取れる!」と思っていたと、試合後にジーニアスは語っていたが、その簡単に取れると思っていた相手に完敗を喫してしまった。
「そ・・・そんな・・・」
がっくりと肩を落としたジーニアスだったが、目は死んでいなかった。
「絶対に相羽から・・・女王からベルトを引き剥がしてやる!」
そう誓った目をしていた。
それからジーニアスは変わった。
いままで以上に練習をし、努力をするようになった。
誤解がないように言っておくと、いままでも練習はきっちりこなしていた。
だが、相羽ほどの練習をしていたわけではない。
「あいつに出来るなら、私にだって・・・」
ジーニアスは相羽をライバルとして認めたのだろう。
だからこそ、打倒相羽を目指し、さらなる努力を始めたのだ。
「ちょっとオーバーワーク気味ではないでしょうか。」
井上さんが心配そうに報告してきた。
「私もそれはわかっているけどね。私や井上さんが言って聞くような娘じゃないよ。」
私は苦笑する。
「そ、それはそうですが・・・明らかにオーバーワークです。」
「大丈夫。あいつが素直に意見を聞く可能性がある人物は心当たりあるからね。」
私は事務所のパソコンと格闘している人物の背中を見た。
「は、はあ・・・」
その後、秘書見習い武藤めぐみが、ジーニアスのコーチを務めることになり、ジーニアスのオーバーワークは解消される。
結城&武藤の二人がジーニアスの特別コーチにつくことが決まり、ジーニアスに技とエースへの自覚を叩き込んでいく。
以下の会話は、コーチ二人から聞いた内容だ。
「ケイ、和希は『女王の心構え』と『エースの自覚』を叩き込まれているの。」
「女王の心構えと、エースの自覚・・・」
「そうよ。かつて遙さんが弟子の舞に教え込み、私は遙さんから学び、そして龍子に叩き込んだわ。」
『初代MAX WIND女王』結城ならではの、教え方だと思う。
「そして、その龍子も和希にそれを叩き込んでいたし、舞も和希にそれを伝えていたし、和希はそれを実践している。ケイ、和希は手強いわよ。」と武藤。
「はい。」
「ケイ、あなたは私から『バックドロップとスーパーフリーク』めぐみから『ダブルスピンムーンサルト』を学んだわね?」
結城はそう言ってじっとジーニアスを見る。
「はい。」
今日は素直なジーニアス。いつもこうであって欲しいものだが。
「でも、練習をたくさんした、技を覚えた・・・これだけじゃ女王にはなれないわ。」
「・・・」
「技に魂を込める。想いを乗せる・・・そしてお客さんと一体になる。これができなければ、あなたは和希には勝てない。」
「・・・」
「ダンディさんがよく言っているわよね?『ただのチョップでも魂を込めれば、必殺技になりえる』って。」
実際に映像でみたことはあるが、チョップでも鍛え方によってはフォールを取れるものだ。
「だから、ケイが和希に勝ちたいなら・・・魂を込めないとダメ。ただ新しい技を使うだけじゃ、絶対に和希には勝てない。あの子はそれだけの域に達しつつある。」
「まだ、私たちの全盛期には及ばないけどね。」
武藤のプライドであろう。このあたりはジーニアスもよく似た部分を持っている。
「クス・・・さすが武藤先輩。言うと思いました。」
「ふん・・・こういう気持ちは大切なのよ。」
「もう、めぐみったら。折角いいお話していたのに・・・もう知らない!」
結城がむくれる。
「あ、ご・・・ごめん千種・・・そんなつもりじゃ・・・」
動揺する武藤。
「・・・本当に悪いって思っている?」
「うん。」
「そう・・・なら、あそこのパフェで許しちゃおうかな。」
「・・・わかったわよ。」
武藤が女王になれなかった理由は案外こういうところにあるのかもしれないな。
「私、いままでライバルとして認めてなかったんです。相羽の事。」
「知っているわよ。ねえ、千種。」
「うん。」
二人は頷き合う。
「はは・・・さすが先輩ですね。・・・でも、この間の試合で認めました。」
「それでいいのよ、ケイ。まず相手を認めること、それができないと冷静に見れないでしょう?」
「こんな事を言っているけど、めぐみだって舞や龍子を認めるのに相当かかったのよ。」
「だから!どうしてそういうことをバラすかなあ・・・」
最高のパートナーであり、ライバルでもあった二人。
ジーニアスは、この二人の事をうらやましいと思ったそうだ。
それだけでも十分な変化だと思うよ。
(続)
ゼロさんの書いてくださったツリー式SSに触発されて久々のNEW WIND編です。
試合をプレイしたわけではないので、リプレイではなく創作ですけどね。
ゼロさんが、うまくうちのストーリーを使って書いてくださっていますので、ぜひお読みください。
また、ゼロさんの書かれているレッスルのストーリーも面白いので、皆さんパスリクしてあげてくださいね。
ゼロさんのサイトはこちらからどうぞ。
『第5代MAX WIND女王』スターライト相羽に、同期のジーニアス武藤が挑む。
「今回は、負けられない!」
意気込むジーニアス。
それもそのはずで、ジーニアスが女王相羽に挑むのは、今回が2度目。
前回は女王相羽が、貫禄の勝利を収めている。
この敗戦という事実はジーニアスのプライドをズタズタに引き裂いた。
「私が、相羽なんかに・・・」
相羽のことは、最初は相手にもしていなかった。
こんな奴・・・と見下していたジーニアス。
だが、相羽は努力を続け、ついにジーニアスを追い越すと、先に女王の座を手に入れた。
先に女王の座を奪われたことで傷つけられたプライド。
「私が、女王に!」
ならば奪えばいいと、心に決めたジーニアスは、女王相羽に挑戦した。
「相羽からなら簡単に取れる!」と思っていたと、試合後にジーニアスは語っていたが、その簡単に取れると思っていた相手に完敗を喫してしまった。
「そ・・・そんな・・・」
がっくりと肩を落としたジーニアスだったが、目は死んでいなかった。
「絶対に相羽から・・・女王からベルトを引き剥がしてやる!」
そう誓った目をしていた。
それからジーニアスは変わった。
いままで以上に練習をし、努力をするようになった。
誤解がないように言っておくと、いままでも練習はきっちりこなしていた。
だが、相羽ほどの練習をしていたわけではない。
「あいつに出来るなら、私にだって・・・」
ジーニアスは相羽をライバルとして認めたのだろう。
だからこそ、打倒相羽を目指し、さらなる努力を始めたのだ。
「ちょっとオーバーワーク気味ではないでしょうか。」
井上さんが心配そうに報告してきた。
「私もそれはわかっているけどね。私や井上さんが言って聞くような娘じゃないよ。」
私は苦笑する。
「そ、それはそうですが・・・明らかにオーバーワークです。」
「大丈夫。あいつが素直に意見を聞く可能性がある人物は心当たりあるからね。」
私は事務所のパソコンと格闘している人物の背中を見た。
「は、はあ・・・」
その後、秘書見習い武藤めぐみが、ジーニアスのコーチを務めることになり、ジーニアスのオーバーワークは解消される。
結城&武藤の二人がジーニアスの特別コーチにつくことが決まり、ジーニアスに技とエースへの自覚を叩き込んでいく。
以下の会話は、コーチ二人から聞いた内容だ。
「ケイ、和希は『女王の心構え』と『エースの自覚』を叩き込まれているの。」
「女王の心構えと、エースの自覚・・・」
「そうよ。かつて遙さんが弟子の舞に教え込み、私は遙さんから学び、そして龍子に叩き込んだわ。」
『初代MAX WIND女王』結城ならではの、教え方だと思う。
「そして、その龍子も和希にそれを叩き込んでいたし、舞も和希にそれを伝えていたし、和希はそれを実践している。ケイ、和希は手強いわよ。」と武藤。
「はい。」
「ケイ、あなたは私から『バックドロップとスーパーフリーク』めぐみから『ダブルスピンムーンサルト』を学んだわね?」
結城はそう言ってじっとジーニアスを見る。
「はい。」
今日は素直なジーニアス。いつもこうであって欲しいものだが。
「でも、練習をたくさんした、技を覚えた・・・これだけじゃ女王にはなれないわ。」
「・・・」
「技に魂を込める。想いを乗せる・・・そしてお客さんと一体になる。これができなければ、あなたは和希には勝てない。」
「・・・」
「ダンディさんがよく言っているわよね?『ただのチョップでも魂を込めれば、必殺技になりえる』って。」
実際に映像でみたことはあるが、チョップでも鍛え方によってはフォールを取れるものだ。
「だから、ケイが和希に勝ちたいなら・・・魂を込めないとダメ。ただ新しい技を使うだけじゃ、絶対に和希には勝てない。あの子はそれだけの域に達しつつある。」
「まだ、私たちの全盛期には及ばないけどね。」
武藤のプライドであろう。このあたりはジーニアスもよく似た部分を持っている。
「クス・・・さすが武藤先輩。言うと思いました。」
「ふん・・・こういう気持ちは大切なのよ。」
「もう、めぐみったら。折角いいお話していたのに・・・もう知らない!」
結城がむくれる。
「あ、ご・・・ごめん千種・・・そんなつもりじゃ・・・」
動揺する武藤。
「・・・本当に悪いって思っている?」
「うん。」
「そう・・・なら、あそこのパフェで許しちゃおうかな。」
「・・・わかったわよ。」
武藤が女王になれなかった理由は案外こういうところにあるのかもしれないな。
「私、いままでライバルとして認めてなかったんです。相羽の事。」
「知っているわよ。ねえ、千種。」
「うん。」
二人は頷き合う。
「はは・・・さすが先輩ですね。・・・でも、この間の試合で認めました。」
「それでいいのよ、ケイ。まず相手を認めること、それができないと冷静に見れないでしょう?」
「こんな事を言っているけど、めぐみだって舞や龍子を認めるのに相当かかったのよ。」
「だから!どうしてそういうことをバラすかなあ・・・」
最高のパートナーであり、ライバルでもあった二人。
ジーニアスは、この二人の事をうらやましいと思ったそうだ。
それだけでも十分な変化だと思うよ。
(続)
ゼロさんの書いてくださったツリー式SSに触発されて久々のNEW WIND編です。
試合をプレイしたわけではないので、リプレイではなく創作ですけどね。
ゼロさんが、うまくうちのストーリーを使って書いてくださっていますので、ぜひお読みください。
また、ゼロさんの書かれているレッスルのストーリーも面白いので、皆さんパスリクしてあげてくださいね。
ゼロさんのサイトはこちらからどうぞ。
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私がかなり好き勝手に書かせて頂いたのに、見事なツリー形式でお題のライバルを合作SS小説にまとめて頂きありがとうございましたm(__)m
流石、N様だなぁ~と感心しました(^o^)
…私の方は初めて書くレッスルのツリー形式だった為、かなり緊張して書いたのですがN様の『NEW WIND』のイメージを壊さなかったようで良かったです(^_^;)
良ければまたツリー形式に挑戦させてください_(._.)_
追伸‥10万HITのお祝いメッセージと当サイトの宣伝までして頂いてありがとうございましたm(__)m