NEW WIND社長 風間新手記より
~NEW WIND30万HIT記念特別興行~
※今回のお話は、リプレイの正史ではないため、全員全盛期の力を持って登場します。
ただし、基本的な設定は主に、リプレイサバイバー1版NEW WIND編の設定に準じています。
「やれやれ、この二人にはオンリーギブアップは関係ないようですな」
「ですね」
オンリーギブアップルールになってすでに3分が経過しているが、相羽と小鳥遊がこの間に繰り出した技といえば、チョップにタック
ル、ドロップキック、ミドルキックにパンチといったところである。どう考えてもギブアップ勝ちなどは狙っていない。
「そろそろ、カタつけさせてもらうぜ!」
小鳥遊はぶっとい腕を振りかざし、右腕の内側で相羽の左頬を打ち抜いた。
「ぐあっ…」
よろめく相羽の右頬を今度は左腕が、さらに右! 左! 右! 左! ガルムズハンマーと呼ばれる小鳥遊の得意技の一つだ。
「おらああああああっ!!」
完全にフラフラになったところで、右のぶん殴りラリアットが相羽の首を刈る!
「ぎゃうっ!」
相羽の体が縦に2回転して吹き飛ばされる。
「おらあああっ!」
倒れこんだところへエルボーを落とし、素早く立ち上がるとロープへと走る。
「うああああああああっ!」
客席から悲鳴が上がるなか、小鳥遊はセントーン!
「試合時間8分経過、8分経過。残り2分。ここからは通常のプロレスルールになります」
仲間アナのアナウンスが入る中、カウントが入る。
「ワン! トゥ! 」
「だあああっ!」
相羽、ここはなんとかカウント2.5で返す。
「まだまだああっ! えっ? ぐえっ!」
立ちあがろうと片膝をついた相羽の表情が驚きに変わり、そして一瞬のちに苦悶の表情に。そして小鳥遊の巨体が相羽を押し潰した。
「シャニング……」
「セントーン?」
誰もが予想しない技が決まり、カウントが入る。
「ワン! トゥ! ス」
カウント2.9でかろうじて返す。
「残り試合時間1分!」
「ふん。そろそろ終りにすっぞ!」
髪の毛をつかんで無理やり引き起こすと、小鳥遊は右拳を突き上げてアピールしてから、巨体を一回転させ裏拳をたたきこんだ。
「くっ!」
相羽はかろうじて両腕でガードしたが、裏拳の威力を吸収しきれず激しくコーナーへと弾き飛ばされる。
「砕け散れっ!」
対角線を走り、小鳥遊の必殺技ガルムズディナー!!
「これを待っていたんだ!」
相羽はトップロープをつかんでひらりとエプロンへ逃げる。
「なにっ!」
勢いのついた小鳥遊は当然とまれず、コーナーへと勢いよく突っ込む。
「せいっ!」
相羽は再びトップロープをつかんでリングへと戻りつつ、小鳥遊の後頭部へトラースキック!
「ぐはっ!」
不意をつかれ、呻く小鳥遊のぶっとい腰に相羽の両手が回った。
「スターライト!」
相羽の動きと観客の声が合わさる。
「ジャーマ~ン!!」
小鳥遊の巨体が綺麗な弧を描いてスカイブルーのリングに突き刺さった。
「おおおおおおおおおっ!」
「OK,ワン! トゥ! スリ」
カウント2.99でかろうじて小鳥遊の肩が上がる。
「残り試合時間20秒」
「決めるっ!」
相羽は小鳥遊を引き起こすと、両腕を前でクロスさせる。
「あがるのか?」
「あげろっ!」
「ぬおおおおおおっ!」
相羽は自分の倍近い体重の小鳥遊を担ぎ上げ、高さのあるブリッジでフォールする。
「ハイパースターライト!」
この技はかつて、相羽が初めてMAX WINDを戴冠した時のフィニッシュホールドである。
「ワンっ! トゥ!」
「スリー!!」
カウント3の大合唱とともに、試合終了のゴング。
「ただいまの試合は、9分59秒、9分59秒……ハイパースタ-ライトにより勝者スターライト相羽!」
「やったああああ!!!!」
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