NEW WIND社長 風間新手記より
~NEW WIND30万HIT記念特別興行~
※今回のお話は、リプレイの正史ではないため、全員全盛期の力を持って登場します。
ただし、基本的な設定は主に、リプレイサバイバー1版NEW WIND編の設定に準じています。
第4試合
スターライト相羽VS ガルム小鳥遊
スターライト相羽は、努力の天才と評されることがある。
才能という点では、先輩達や同期であるジーニアス武藤には劣るものの、懸命に努力を続け、最終的には常に先を行っていたジーニアス武藤を倒し、スカイブルーのリングの頂点であるMAX WINDのベルトを巻き頂点に立つことができた。
凡才でも努力を続ければ、才能に勝るという一つの例であり、その後入団した後輩からすれば手本でありもっとも身近な成功例と言える。
対するガルム小鳥遊は、女子プロレス界において100キロを超える最も重い体重でありながら、身軽に動けるスーパーヒールレスラーだ。凶器はほぼ使わないが、その肉体こそが最強の凶器といえる。
相羽は今までこのサイズの選手との対戦経験はない。というよりもNEW WINDという団体には80キロ級のレスラーすら不在であるため、完全に未知の領域であろう。
(相羽の対戦相手で最も重いと思われるのは、外国人選手のカオス)
「OK,GO!」
トニー館の合図とともに、試合開始のゴングが鳴らされる。
「いくぞ!」
相羽は元気よくコーナーを飛び出す。この辺りはベテランになっても若手の頃のままだな。
「おっしゃ!」
と思ったら、小鳥遊までコーナーを飛び出してるし。。。
「ぐあっ!」
いきなりショルダータックル、というか”ぶちかまし”が決まり相羽が吹き飛ばされる。
「どうした。こんなもんかよ」
「まだまだっ!」
相羽はすっくと立ち上がり、得意の右手逆水平チョップ(通称スターライトチョップ)を放つ。
この技は相羽が練習生の頃にダンディさんから教わった技であり、頂点にかけあがる過程でも威力を発揮してきた技でもある。
「効かねえなあ」
十分に魂の込められた重いチョップだと思ったが、小鳥遊は顔色一つ変えない。
「これがチョップだ!」
小鳥遊の体重の乗った一撃に、相羽の体が思いっきりのけぞる。
「ぐうううっ、、、このおっ!」
だが相羽もここで引けない。もう一度さっき以上の威力のチョップを小鳥遊の分厚い胸板に叩き込む。
「なんかしたのか?」
平然とした顔で受け流し、小鳥遊はもう一度チョップを相羽の胸元に叩き込んだ。
「あぐううっ……」
相羽は苦悶の表情を浮かべ、ふらつく。
「どうした? オラッ!」
追撃のチョップを踏ん張り切れず、相羽は仰向けにダウン。
「こんなもんかよ、NEW WIND」
小鳥遊は体重の乗った強烈なストンピング!
「ぐうっっ……」
明らかに相羽の旗色が悪い。決して実力では負けていないはずだが、初めて経験する超ヘビー級相手に対処法を見いだせないでいるようだ。
「まだまだこんなもんじゃないはずですがね。あの子は、決して体格や才能に恵まれていたわけではなく、努力と根性でここまで這い上がってきたのですからな」
「私もそれは知っています。それに相羽はまだ、最高のチョップを打っていないってこともね」
そう、相羽は超ヘビー級と試合するのは初めてだが、どうすれば通用するのかは知っているはずなのだ。
「カズキさん、まだ試合は始まったばかりですよ!」
セコンドのギムレット美月が檄を飛ばし、その横ではなぎさがうんうんと頷いている。
「……NEW WINDは、いやボクはこんなもんじゃない!」
相羽はダメージを感じさせずに立ち上がった。その瞳には生気が戻り、全身から気迫がみなぎっているのがわかる。
「ほう……そうこなくちゃな」
小鳥遊は余裕の笑みを浮かべた。
「たかなしいいっ!」
相羽はまたも右手で逆水平!
「うぐっ……」
今度は小鳥遊の顔色が変わった。
「らああああっ! たあああっ!!」
相羽の連打に小鳥遊の体勢が崩れる。
「出ましたなスターライトチョップ」
ダンディさんは満足そうな笑みを浮かべている。
「先ほどからチョップは出していますが……」
「さっきまでのはただの逆水平チョップにすぎません。今あの子が出している、『絶対に倒してやるんだ』という強い想いが乗り移った時、ただのチョップは必殺心の乗った光輝く技に進化する。それこそがあの子が愚直に練習生の頃から鍛えあげてきたスターライトチョップという技なのです」
相羽は小鳥遊が大きくのけぞったのを見ると、一瞬のタメを作った。
「倒せ、相羽~~~~!!」
「いけーーーーーー!!」
ファンの声援が上乗せされた一撃が小鳥遊の巨体を見事に吹き飛ばした。
「ぐああっ……」
「フォール!!」
ダウンした小鳥遊に相羽がかぶさり、カウントをとりにいく。
「オッケー、ワン! ト……」
カウント2に入る前に相羽の体は赤コーナーポストまで跳ね飛ばされていた。
「ええええええっ?」
「おおおおっ!」
ダウンしている状態で決して軽いとはいえない相羽の体をほぼリング中央から赤コーナーまで投げ飛ばすとは……。さすがはガルム小鳥遊だ。
「おーいて。確かにいいチョップだったぜ。だがな……ガルム小鳥遊を甘く見てもらっちゃ困るぜ」
「ボクだってこんなもんじゃないよ、小鳥遊さん」
「試合時間4分経過、4分経過」
ここからはオンリーギブアップルールになる。
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プロレスには詳しくなく、サバイバー2を経営シミュレーションとして遊んでいたので、レスラーが生き生きと動いている様子がとても面白いです。
またお手隙の際に更新頂けましたら嬉しいです。