NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
第3戦
「これで終わりだっ!」
北条が高貴なるバックドロップ“ロイヤルBD”の体勢に入った。
「やらせるかっ!」
越後はそれをボディプレスで切り返す。
「うおおおお!天空ゥ剣!」
先に起きあがった越後は右カカト落としを北条の肩口にめり込ませた。
「必殺Vの字蹴り!!」
観客のチャントに合わせ…いや観客が越後の動きに合わせるのか?まあどちらでもいいが、バシッと右オーバーヘッドキックが完璧に決まった。
「強くなったな…越後。」
敗れた北条は素直に越後の強さを認めた。
「いえ…まだまだ自分は…」
「いや…強くなったよ。あのパンサー理沙子に勝ったのはまぐれじゃないってことよくわかった。だけどこれだけは覚えておくんだ。まだまだ完璧とは言えない。だから次は私が勝つ!…以上だ!」
リングを去る北条を越後は最敬礼で見送った。
「うらあああああっ!」
「だっしゃああああっ!」
この日のメインは朝比奈と小鳥遊の師弟対決。これがもう何度めの対決になるのかわからなくなってきているが、ただ一つはっきりしているのは“朝比奈は一度も勝っていない”ということだけ。毎回「今度こそ!」という気合が感じられる朝比奈と、「絶対負けねえ!」という小鳥遊の意地が素晴らしい試合を作り出してくれている。
試合開始2分でお互いの必殺技であるダイビングフットスタンプとフィニュッシュバスターを出しあい、お互いの想いをこめたチョップ合戦で胸板を真っ赤に染める。
「らあああっ!」
「しゃあああっ!」
ヘッドバット・ギロチンドロップ・スリーパーホールド…鏡合わせのように同じ技を出し合う二人。長い時間組んでいるだけにわかるお互いの呼吸と技…規格外のパワーを誇る二人だけに試合は場内だけではおさまらず場外で激しい殴り合いに発展する。
「しゃああっ!」
この場外戦でペースを握ったのは意外にも朝比奈。地獄の番犬と恐れられた小鳥遊を鉄柵へ鉄柱へとぶん投げ大きなダメージを与えてリングに押し込む。
「くたばれええええっ!」
朝比奈の得意技オーガクラッシャー(朝比奈式エースクラッシャー)、スリーパーホールドで小鳥遊の体力を削ると、アルゼンチンバックブリーカーで軽々と小鳥遊の巨体を持ち上げる。
「どうでええええっ!」
「ぐううう…いいアルゼンチンだ…だがまだ甘いな。」
小鳥遊はチッチッと指を振る。
「なんだとおっ!」
朝比奈はさらに強烈な背骨折りを決めた。
「ふふ…甘いな。」
しかし小鳥遊はするりと抜け出すと逆に朝比奈をアルゼンチンバックブリーカーで担ぎあげた。
「ぐああああああっ!」
「これが本物のアルゼンチンバックブリーカーだ。」
しかし朝比奈もこれをするりと外した。どうやら使い手は防御法を知るという言葉は二人にも当てはまるようだ。
「でええええっ!」
朝比奈のマッスルバスターが決まるが、小鳥遊はこれをカウント2.9でキックアウト。
「あさひなあああああああああああああっ!」
小鳥遊は強烈なニーを朝比奈のボディに打ち込み頭を下げさせるとパワーボムで朝比奈を高々と持ち上げた。
「くだけちれええええええええっ!」
決まった!と思われたがこれをなんと朝比奈は大柄な体からは想像もできないスピードのウラカン・ラナで切り返した。
「おおっ!」
思わずダンディさんが立ちあがってしまうほど完璧なウラカン・ラナ。
「ワンッ…トゥ……」
迷うことなくレインボー岩城レフェリーの右手が振り下ろされる。
バンンッ!
「スリー!!!」
ついに…ついに朝比奈が小鳥遊を超えた。丸め込みという決着であったが、それに対する文句を言わせないほど説得力のある完璧なウラカン・ラナであった。
「完璧です。完璧ですが…」
「?」
「朝比奈はフィニッシュの瞬間を覚えていないでしょうな。完全に今のは無意識でやっているはずです。」
確かにリング上の朝比奈はきょとんとした顔で勝ち名乗りを受けていた。
「朝比奈…やられたぜ。」
「大将…オレ大将に勝っちまったのか?」
「ああ。完璧な3カウントだった。」
小鳥遊は朝比奈をぎゅっと抱きしめる。この瞬間朝比奈の両眼から涙が滝のようにあふれ出した。
「た…大将…オ…オレ…」
「泣くな。胸を張れ朝比奈。お前は強くなった…ただそれだけのことなのだから。」
5年目3月…オーガ朝比奈ようやく悲願の小鳥遊超え達成。長い長い大河ドラマに一つの決着がついた瞬間であった。
PR
よりにもよってウラカン・ラナで決まったというところがまた「無我夢中」な雰囲気が出てていいですね。おめでとう~>朝比奈
そして……、
>胸板を真っ赤に染める。
2人とも胸板出てねぇ~!!(コス的に(笑))