NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇5年目2月
ソニックがダイナマイト・リナを破り、長年の悲願であったWWCAジュニア王座の奪取に成功。しかし、勝ったソニックは「勝つには勝ったのさね…」と浮かない顔であった。
「ふむ。ソニックとしてはリナではなくコリィからベルトを奪いたかったのでしょうな。」
なるほど。ソニックはずっとジュニア王者であったコリィをライバルとしていたわけだし、そういう部分はあるだろうな。
「ですが…ソニックはコリィとの防衛戦という考えができますからね。」
そう…そうなのだ。納得いかない戴冠であったとしても、倒したい相手に防衛すればかなり近い価値を見いだせるだろう。
GWAタッグ挑戦者決定リーグ
小鳥遊と朝比奈が保持するGWAタッグへの挑戦権を賭けたタッグリーグ戦が行われ、北条&祐希子のタッグが優勝。
ソニ&越後、十六夜&桜崎といった他の参加チームに比べると即席タッグという感は否めなかったのだが、蓋をあけてみれば見事な連携を披露してくれた。
「正直意外だったぜ。」
「そうだな。私は十六夜と桜崎だと思っていたんだがな。」
「ま、勝てばいいってことに変わりはないけどな。」
朝比奈と小鳥遊の顔からには自分たちが王者だという自信があふれていた。
「…まるで物足りないわね。」
南は不満そうにつぶやくとベルトを巻くことなく肩に担いで退場していった。
「十六夜では実力差がありすぎるようですな。」
ダンディさんに言われるまでもなく、ここにいるすべての人間が感じていることだろう。
「わずか9分53秒ですか…」
1DAYトーナメントを制した十六夜がこのタイムで敗れるとは…南の進化は凄まじいものがあるな。
「もはや強さで魅せる域に入りつつありますな。」
プロレスラーには様々な魅せ方がある。強さを前面に出す者もいれば受けのよさで魅せる者もいる。今までの南は先輩や外敵へ対し、やられながらも立ち向かい声援を受けながら相手を倒し乗り越えることで魅せてきた。
しかし主要な先輩を撃破し、外敵もほとんど片づけた今…南は絶対女王への道を歩き始めている。ダンディさんのいうように強さで魅せるようになりつつあるのかもしれない。
◇5年目3月
第1戦
「気持よく飛んでけっ!」
桜崎の萌える裏拳…通称“萌拳”が小鳥遊の顔面をハードヒット。
「ってえ…」
顔をしかめたものの小鳥遊は倒れなかった。
「いい裏拳だ。だがな…お前の裏拳は軽いんだよ!」
小鳥遊の本気の裏拳が火を吹き、桜崎は一瞬で意識が吹っ飛んだ。
「これが本物の裏拳だ。覚えておくんだな…って聞こえちゃいねえか。」
小鳥遊は頭をカリカリと掻いた。
「ふむ…裏拳の威力はさすがでしたが…かなりきわどい試合でしたな。桜崎が勝ってもおかしくない試合でしたからな。」
「確かに。」
最後こそ裏拳の威力で制したものの、全体を通してみると桜崎が優勢だったといえるだろう。小鳥遊の力が少しづつ落ちてきている気がする。
第2戦
「うらああああっ!」
「はっ!」
小鳥遊に挑んだ零は抜群の集中力の高さで、小鳥遊の大技を何度も切り返しあわやという場面を作り出す。
「シッ!」
「ってええなあああっ!」
重く鋭い打撃で小鳥遊を攻め込むが、最後は桜崎の意識を飛ばした裏拳で意識を飛ばされてしまった。
「2試合続けてですか…小鳥遊の裏拳の威力恐るべしですね。」
「一撃の重みに頼りはじめましたかな。あまりいい兆候とはいえないのですが…」
このダンディさんの心配が杞憂であればよいのだが…その可能性は限りなく低いといわざるを得ない。
小鳥遊らしくないのは誰が見てもわかることなのだから。だがファンはガルム小鳥遊がガルム小鳥遊らしくあることを望んでいる。その期待に応えてほしいと私も思っている。
小鳥遊よ、まだまだこれからだぞ!
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