ＮＥＷ　ＷＩＮＤ

「風間社長、大変な事がおきましたぞ！」
　普段は穏やかなダンディ須永が、扉を蹴破らんばかりの勢いで開け、中に飛び込んできた。
「どうしたんですか、ダンディさん？」
「……ハッハッハ、ダンディさんらしくないじゃないか。どうしたんでい、そんなに慌てて」
　社長室で談話していた風間社長とミスターＤＥＮＳＯＵは笑いながらダンディ須永を見る。
「そんなに落ち着いている場合ではありませんぞ！　大変な事が起こっていたのです！」
　ダンディ須永は手に持っていたプレスリリースを二人に見せた。
「ハッハッハ、なんだいその紙きれは」
「……なっ？　本当ですか？」
　見ようともしないミスターＤＥＮＳＯＵと対照的に、風間社長はすぐにプレスリリースを読み、事態の大きさに衝撃を感じたのだった。
　　　　

　金銭問題…年内４大会を中止を発表

「後楽園プラザ大会（※）の前日に中止するとは……よっぽどの事態だったのですね」
「オイオイ、あれだけの観客動員を誇っていたのにどういうことだい」
「正直、高田総統が抜けた段階で、相当マズイのは想像つきましたが……まさか大会前日に中止になるとは……」
　ニュースで見る限り、金銭問題とのこと。すでにインリン様のゴタゴタなどでもその末端は見えていたのだが……
「……正直、末期症状ですな。どこかの団体でプロレスは日銭が入るから……と言っている方もいましたが、収入源である興行を中止するようでは……」
「……確かにくるしいわな」
「同じ団体の社長として、苦渋の決断だった事は想像できるが……それにしてもあまりにもイメージが悪い」
　風間社長は苦虫をかみつぶしたような顔になっている。
「ですな。このダメージは大きいですぞ」
「……パンチ℃なんか最悪だな。箱舟からは解雇されるんだろう？　その上にせっかくつかんだ場所がなくなるとはついてないな」
「とにかく続報を待つしかないが、業界としてもこの話題は重く受け止めるしかないな。団体経営におけるなにかを警告している気がするよ」

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　※３人はレッスル世界の住人なので、後楽園ホールではなく、後楽園プラザなんです。


　さて、３人の掛け合いで書くには少々重かったかな。
　私はハッスル好きなので、正直残念ですね。状況はよくないなというのは感じていましたが、ここまで悪くなっていましたか。
　キングＲＩＫＩは悪くないけど、高田総統に比べてしまうと数枚格が落ちますからねえ。総統あってのハッスルでしたし。

　うーん、ＨＧの復帰が見たかったんですけどねえ。残念な話題です。なんとか存続してほしいものですが……