「あいたたたたっ!」
「ふぎゃん! い……いたいかも……も、もっとやさしく……」
道場から悲鳴が聞こえる。
「もっとやさしく? もう火がついているから、止められない……」
いったい道場ではなにが起きているのだろうか。
「ふぎゃん! い……いたいかも……も、もっとやさしく……」
道場から悲鳴が聞こえる。
「もっとやさしく? もう火がついているから、止められない……」
いったい道場ではなにが起きているのだろうか。
い、いったい何を!」
道場に飛び込んだボクが見たものは……。
リング上で南さんに関節技を極められ、呻きもがいているノエルちゃんと美月ちゃんの姿だった。
「あら相羽。どうしたのそんなにあわてて?」
南さんはいつものクールな声でボクに尋ねた。
「あ、いや……その……なんか変な声が聞こえたものだから」
「ああ、そう。ちょっと二人に手ほどきをね」
南さんはニヤリと笑うとノエルちゃんと美月ちゃんの腕を絞りあげた。
「あううううつ!」
「きつっ!」
「ふふふ……」
どうやら、前回のかつらの件で南さんの怒りを買ったらしい。まあ、この間はボクだけがやられたのだから、これでおあいこだね。
「じゃ、じゃあランニングいってきます!」
ボクは猛ダッシュで逃げ出した。
後ろから、「かずき~~ばか~~」「カズキさん覚えておきなさい」という声が聞こえた気がしたけど、きっと気のせいだろうな。
PR
遅くなりました。 完璧主義の南さんなので、首謀者二人も当然ターゲットです。
CBTを書いたのはかなり久しぶりでしたが、このトリオは書いていて楽しいです。また機会あれば何かしら書きたいと思います。