前回の続きです。
書くつもりはなかったのですが、筆が乗ったので書いてしまいました。
続きからどうぞ。
書くつもりはなかったのですが、筆が乗ったので書いてしまいました。
続きからどうぞ。
「…くうっ」
「…くうっ」
手四つからの力比べはまったくの互角といってよかった。背格好・顔立ちがまったく同じ、二人のプロレスラーの手四つ。
観客は伊達コールを送りながら、初めて体感する不思議な光景に魅入られていく。
「はっ!」
先に動いたのはFSP王者一番星プロレスの伊達遙(以下一番星伊達と表記)だった。
押し込まれると見せかけて、素早くクラッチを切ると相手の胴に腕を巻きつけてフロントスープレックスでNEW WINDの伊達遙(以下新風伊達と表記)を投げ飛ばす。
「あぐっ…」
キレのある一番星伊達のフロントスープレックスを喰らい、新風伊達が呻く。
「いいぞ、遙!」
「ナイスッス!」
一番星側のセコンドが活気付く。
「はああっ!」
一番星伊達はそのままロコモーションで新風伊達を投げ飛ばそうとする。
「甘いっ!」
しかしそれを察知した新風伊達は逆にフロントスープレックスで投げ返した。
「あぐっ…」
投げ技のキレは新風伊達の方がわずかに上か…
両者すくっと立ち上がると、やや距離をとって打撃の構えをとった。
その構えは鏡合わせの用に正確に同じである。
「たあっ!」
先に動いたのは一番星伊達。
絶対的王者としての威厳のこもった威力のあるエルボーを新風伊達の顔面に叩き込む。
「…この程度?」
新風伊達は表情を変えずに問うた。
「たあっ!!」
この問いかけに答えるようにさらに気合を入れてエルボーを打ち込む一番星伊達。しかし…新風伊達は一歩も下がらずにエルボーを打ち返した。
「あぐっ…」
重さに関してはは新風伊達の一撃の方が重い。
「たあああっ!」
一番星伊達は、ダメージを堪え、お返しのエルボーを叩きつける。
「あぐっ…」
新風伊達の足元が多少グラついた。
「たああっ!」
一番星伊達は新風伊達の右腕を掴み、ロープへと振った。そしてそのまま反対側のロープへと走る。
「いけッス!」
一番星伊達のジャンピングニーが新風伊達の顔面を的確に打ち抜いた。
「あぐうっ…」
「もう一度ッス!」
セコンド真田の声に反応して一番星伊達がロープへと走り、もう一度ジャンピングニー!!
「あぐううっ…」
しかし今度呻いたのは一番星伊達の方だった。
新風伊達のカウンターのフェニックスJ(伊達式ジャンピングニー)が一番星伊達の顔面を打ち抜いたのだ。
「遙さん、続けてっ!」
新風伊達は一番星伊達の首根っこを掴むと、強烈なニーリフト、フェニックスニーを打ち込んだ。
「がはあっ…」
一番星伊達の足元が怪しくなる。
「もう一発よ!」
南の声が飛び、新風伊達は助走をつけてフェニックスニー!
「あぐあっ」
呻いてヒザをついたのは新風伊達。一番星伊達のカウンターのニーリフトが腹部を打ち抜いたのだ。
「いけッス!」
「今だ!」
一番星側セコンドの声にコクンと頷いた一番星伊達だったが、こちらもガクンとヒザをついてしまった。
「なっ!あのタフな遙が…」
一番星社長が焦りの声を上げる。
「どうやら、伊達遙同士だとダメージを受けるようですね。」
一番星社長秘書井上霧子が的確な解説をするが、その顔には焦りがみえる。
焦りの色が見える星プロ側とは正反対なのはNEW WINDの首脳陣。
「ふむ…さすがにやりますな。」
「この程度はやってくれないとな。」
ダンディ須永と風間新は意味ありげに頷いた。
「しかし、あの程度の実力ではうちの伊達にはまず勝てんよ。」
「いくらFSP絶対王者伊達遙とはいえ、それは星プロでの話しにすぎませんからな。最新レーティングではトップの伊達遙ですら1170に過ぎません。」
「ふふ…1170か。マッキーや氷室よりも下の評価にすぎんとはね。うちの伊達は1470だよ。」
レーティング1170はこのころのNEW WINDでは中堅レベルに過ぎないのである。
「両者ダウンだよ。」
リング上ではミスターDENSOUがダウンカウントを取り始めていた。
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いやいや、まさか続きを書かれるとは正直思ってなかったですわ。
どうなりますやら。決着を楽しみにしております。
そうそう。東女の社長秘書が
「オイオイ、伊達と言えばどこか忘れてるよな。忘れてんだよ」
とやさぐれてました(笑)
ようやく動画アップ環境が整ったので、
伊達vs伊達でも上げようかしらw