現在開催中の第3回レッスル駅伝に関連するSSです。
「はあ…ふう…はあ…」
藤島瞳は苦しげに喘いでいた。
「…まったく…オーナーも風間社長も無茶させるわよね…」
藤島は無茶な命令を出してきた二人の顔を思い浮かべた。藤島は今シローさん主催の第3回レッスル駅伝の第1区を走っている。
「…私は…アイドルだって…こんなの…無理に決まって…」
文句を言いながらも藤島はふらつく足取りで一歩ずつ前へ進む。スピードを売りにしている半面藤島はスタミナに難がある。
「いいか、藤島。完走してくれれば文句は言わない。だが、藤島らしさを忘れないでくれよ。」
風間社長の顔を思い浮かべる。
「まったく…私らしさってなんなのよ…」
すでに自分の後ろには誰もおらず、だからと言って前を走る選手の姿も見失った藤島の心は折れそうになっていた。
「頑張れ~ひとみちゃ~ん!!」
「あきらめるな~~」
ファンからの声援が聞こえてきた。
(!…私はアイドルなんだ…しかも最強のアイドル…)
それまで苦しげな表情だった藤島の顔つきが一変する。
「ありがと~私頑張るからね~~!!」
藤島はにっこりと笑ってファンに手を振った。
「これが私らしさ…アイドルたるもの、どんな時だって声援には笑顔で応えるものよ。」
元気を取り戻した藤島は、なんとか中継地点へと辿りついた。
「瞳おねーちゃん!!はやく、はやく~~~!!」
藤島の後輩アイドル候補の榎本綾が小さく体をぴょんぴょんさせながら手を大きく振った。
「綾!あとはお願いっ!!」
「うん!!綾もおねーちゃんみたいにがんばるもん!!」
綾はタスキを受け取るとタッタカタと走りだした。前を走るランナーとの差は…ジャスト2分である。
「お疲れ藤島。」
倒れ込みそうになる藤島を風間社長とオーナーが受け止め、大きなタオルで体を包んだ。
「ご、ごめん……遅れちゃった。」
「いいんだ。藤島らしく走ってくれればそれでいいんだよ。」
「うん…アイドルの本分は忘れなかったよ。」
最強のアイドルはニコッと笑ってみせた。
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レッスル駅伝第1区藤島選手お疲れ様でした。2区以降の選手達も楽しみです。
あと、先日ブログを始めました。「カウント2.99からの逆転劇」と申します。訪れていただけると幸いです。
それから、シロー様の許可を頂きまして今回のレッスル駅伝の実況を務めさせていただきますのでよろしくお願いします。
最後にこちらからリンクさせてよろしいでしょうか。