NEW WIND社長風間新 手記より。
※サバイバー1版のリプレイの設定を使用していますが、これはリプレイではありません。
※サバイバー1版のリプレイの設定を使用していますが、これはリプレイではありません。
「やれやれ、先が思いやられますな」
違反連発にぼやくダンディさんだったが、その顔はとても楽しそうだ。
「ですね。ですが、お楽しみはまだまだこれからですよ」
みぎりと岩城の二人は、ここから安心して出せる(?)張り手を繰り出し、お互いの頬が真っ赤になるまで張り合った。
「張り手いきますよおお!」
みぎりの張り手をダッキングで交わした岩城、何を繰り出すか。
「低空両足とび蹴り!」
だからその表現は微妙だといっているのだが……岩城の低空ドロップキックが決まり、みぎりの巨体がぐらつく。
「よっしゃ、”チャンス”だ。綾、”タッチ”!」
ブブー、ブブー!
場内に、久しぶりにブザーが鳴り響く。
「あっちゃあ……しまった…」
「”ドンマイ”だよ、彩菜ちゃん」
ブブー!
「ええっ?」
ドンマイは日本語のように使われているが、英語を略していっているということで引っかかる。ナインティナインを略してナイナイと言ってもひっかかるように。
榎本+1(3) /岩城+2(3)
「いいもん! 勝てばいいんだから! いくよ~『ももじりどっかん』!!」
榎本の珍妙な技名に場内がどっと沸く。
「ヒップアタックを『ももじりどっかん』ときましたか。これは想像がつきませんでしたな」
榎本のヒップアタック……いや、『ももじりどっかん』が片膝をついたみぎりの顔面に決まった。
「いたっ!」
「よっし、いっちゃうよ~! みんな、力を貸して!『脳天砕き』いっちゃうよ!」
「おおっ?」
まさかのブレーンバスター予告!
女子プロレス最低身長の榎本が、最高身長のみぎりをブレーンバスターで投げる! これは見ものだ。
「いっくよおお!」
全員の期待が集まる中、榎本は、みぎりの頭を自らの可愛らしい腿で挟み込んだ。
「脳天砕き!」
「???」
場内に?マークの嵐が吹き荒れる中、みぎりの巨体をうんとこしょ! っと持ち上げた榎本は、そのままパイルドライバーでみぎりの脳天をスカイブルーのマットに突き刺した。
「おいおい、それの何処が脳天砕きなんだよ?」
ライラが全員を代表して突っ込みを入れる。まったくその通りだと私も思う。
「えっ? 違ったの??」
「今お前が決めたのは、脳天杭打ち……つまり”パイルドライバー”じゃねえか。脳天砕きは”ブレーンバスター”だっつーんだよ!」
ブブー、ブブー! 悪い奴のはずのライラがまともな事を言ってお金を取られる……これも新春ならではのボーナスってことか。
「ふざけんな! 英語はいってねえぞ!」
いや、思いっきりいっているぞ。
「4つとらないだけでも感謝してほしいものですな」
確かに単語単位でみれば、4つカウントされてもおかしくはないか。
「後で、地獄へ送ってやるぜ、このくそ爺!」
「はっはっは。いつでもリングに上がってあげますよ。その時はダンディ須永と、スーパー・ヒールのどちらがいいですかな?」
「ああん? そんなもの”スーパー・ヒール”に決まってるだろ!……アッ、しまった!」
ブブー、ブブー!
「はっはっは。引っかかりましたな」
「てめえ、このくそ”ダンディ”!」
ブブー!
「くぞ~~~~っ!」
地団太踏んで悔しがるライラ。タッチロープから手を離して腹いせに榎本を仕留めんと、リングへ入ろうとする。
「HAHAHA、駄目だぜ、お嬢ちゃん。ちゃんと”タッチロープ”は持ってないとな!」
ブブー、ブブー!
「ぬなっ?」
「ミスターDENSOU、貴方も英語禁止の対象ですよ」
私は笑いをこらえながらマイクを使う。
「忘れていたぜ……」
「はっはっは、ざまあないなあ”レフェリー”さんよ」
ブブー!
「くそっ……迂闊!」
ライラ+6(9) ミスターDENSOU+2
ライラは未だリングに入っていないのに、現在ダントツのトップであった。
「ちっきしょお、とっとと”チェンジ”しやがれ!」
ブブー!
「くそそおおおおおおっ!」
ライラ+1(10)
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