NEW WIND社長風間新 手記より。
※サバイバー1版のリプレイの設定を使用していますが、これはリプレイではありません。
※サバイバー1版のリプレイの設定を使用していますが、これはリプレイではありません。
「死の谷落とし!」
「きゃうっ……お母さ~ん!」
ライラのデスバレーが火を噴き、榎本が戦闘不能に陥り場外へと転落する。
「このおっ! プ……岩城式北斗原爆固め!」
岩城の変形ノーザンライトスープレックス……プリズムフォールが油断したライラに決まる。
「ぐはっ!」
「数えるぞ! いー! りゃん! さ」
「ぬおおおおっ!」
なぜか中国読みでカウントをとるDENSOU。それをカウント2.99で返すライラ。
「くそっ! それならっ!」
岩城はコーナーへと駆け上がる。
「そうはさせませんよ~~!」
その間にみぎりがライラの体を引っ張り、強引にタッチを成立させ、さらに巨体に似合わぬ俊敏な動きで、コーナー上の岩城を掴み、高々と持ち上げた。
「うわ、やばっ!」
「いきますよ~、超高層抱え投げ!」
みぎりの必殺技の一つ、頭上遥か高く持ち上げられてまっさかさまに落とされる、恐怖の技……超高層ボディスラムが完璧に決まった。
「かはっ!」
岩城の体が衝撃で浮き上がる。それを両手でぎゅむっ! と押さえ込んだみぎりは、元気よく……「”フォール”ですっ!」と叫んだ。
ブブー! 当然ブザーが鳴ったが、試合は途切れることなく続いていく。
「よし、押さえ込み! ハナ~~! トゥル~~! セ」
「くうっ!」
ミスターDENSOUの、突然の韓国語カウントにも岩城は対応しぎりぎりで肩を上げた。
「先程はライラが中国読みを返し、今度は岩城が韓国語を返しましたが……二人とも意味をわかっていたんでしょうか」
「いや……あれはカウントを取られれば3つ入る前に肩を上げるというプロレスラーの本能ですな。確かに中国・韓国出身のレスラーがうちの団体に上がったことはありますが、みなNEW WINDにいるときは日本語で会話していましたし」
「なるほど……」
それにしてもミスターDENSOUの場合は、ジャンプして着地した音の後にカウントがはいるわけで、他のレフェリーよりも音が一つ多い。異なる言語でカウントをとられてもそこまで把握できるものなのだろうか。
「思ったよりもシブトイですね~~それじゃあ、生物災害”ボム”いきますよ~~」
ブブーとブザーが鳴る。
「あら~~」
うーん、惜しいな。そこまで日本語に直しておいて、最後にボムをつけるか。
「でも、いっちゃいますよ~~!」
この技が決まれば試合は終わるだろう。
「うわわっ! ウラカン・ラナっ!」
岩城は後方へ回転して技を回避しようとする。
「そうはさせませんよ~~っ!」
みぎりはその並はずれた腕力で岩城の動きをとめ、強引にもう一度持ち上げた。
「う、うそだろ~~!」
「生物災害~~ツヴァイ! です!」
そのままジャンプして、さらに高さをつけて繰り出す大技……バイオハザードボム2へと移行するみぎり。
「うわあああああっ!」
ドゴオオオッ!
リングが大きく揺れ、岩城の体が凄い高さからマットへと叩きつけられた。
「ぐはっ……」
「DENSOUさん、押さえますっ!!」
「数えるっ! ひ~! ふ~! み」
ミスターDENSOUの右手がギリギリのところでとまる。
「”スリー”ですよお~~」
これには当然ブザーが鳴る。みぎりは3本指を立ててアピールするが、ミスターDENSOUは首を振り、右手の人さし指で岩城の右手を指した。
「ああっ!」
「ロ……いや、命綱を握っているだろう。だから”カウント”は入らない」
ブブー!
なんとか言いなおしたのだが、最後に英語が出てしまっている。やはりレフェリーにとってこのルールは厳しいか。
みぎり+3(8) DENSOU+1(8)
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