NEW WIND社長風間新 手記より。
※サバイバー1版のリプレイの設定を使用していますが、これはリプレイではありません。
※サバイバー1版のリプレイの設定を使用していますが、これはリプレイではありません。
「そんなっ! 完璧に決まったのにっ!」
「それが自惚れってもんさ」
言うが早いか、岩城はヘッドスプリングで起き上がってみせた。
「なっ……」
その岩城の動きに、みぎりは驚きの表情を隠せない。
「どうした? かかっておいでよ!」
岩城は強気にみぎりを挑発するが、その膝はガクガクと震えている。
「もう動くのもきついのでしょうな」
「でしょうね。岩城なりのハッタリというやつですね」
「ええ。あの様子だとみぎりはまったく気づいていないようですな。そのあたりがキャリアの差といったところでしょう」
ダンディさんは目を細めてリング上で対峙する二人を見つめる。娘を見るような優しい眼差しは一期生達が活躍していたころと変わりはないな。
「このおおっ! 今度こそ決めてみせますっ!」
みぎりは両手を大きく上げて岩城の肩を掴みにかかる。
「そうはさせないっ!」
岩城はタイミングを外してみぎりにクラッチをとらせない。
「このっ!」
「おっと!」
決めに行こうとするあまり、みぎりの動きが直線的になってしまっている。あれなら、足元のおぼつかない岩城でも動きを見切れるだろう。
「このやろうっ!」
いつの間にか蘇生したライラが後ろから岩城を捕まえにかかる。
「邪魔はさせないっ!」
小さな体を懸命に伸ばして、榎本がライラの右足首を掴みテイクダウンを奪ってみせた。
「離せ、クソチビ! このっ! このっ!」
ライラは左足で榎本の顔面をけり飛ばす。
「そんな”キック”効かないもん!」
ブブー! ブブーとブザーが数度鳴った。これは技名を言わないライラへのペナルティと、榎本の言葉に対するものだ。
「大人しくしてっ! 『ばってんっ悪役固め』!」
ライラの蹴り足をキャッチした榎本は、サブミッションの高等技クロスヒールホールドを極めた。
「ぐわああああああああっ! ”ギブ”だ、”ギブッ”」
ライラはマットをバンバンとタップしてギブアップを表明するが、試合権利はなく試合は止まらない。
「彩菜ちゃん! あとは任せたよっ!」
「任せてっ!」
岩城は上手くみぎりの両肩を掴んだ。
「このおっ!」
みぎりが力任せに放り投げようとするが、それを岩城は堪えてみせる。
「…ン……ゥ……ア……」
みぎりの攻撃を上手く外しながら、岩城が何やら呟き始めた。
「ダンディさん、これは?」
「どうやら、タイミングをとっているようですな。何を狙っているのかはわかりませんが……」
「ア……ド……ロ……」
「くっ!」
「アン……ゥ……トロ…」
「ええいっ!」
「アン、ドゥ、トロワっ! 内股っ!!」
みぎりの体勢を崩した岩城は、みぎりの巨体を内股で思いっきり跳ね上げた。
「いっぽんっ!!」
完璧な技の決まりに、ミスターDENSOUレフェリーが思わず右手を大きく上げて一本を宣言してしまった。
「”レフェリー”、”カウント”っ!」
「”OK”、”フォール”! アン~! ドゥ~! トロワ~~っ!!」
3カウントが見事に入り、試合終了のゴングと、二人のペナルティを告げるゴングが鳴り響いた。
「ただいまの試合は、26分35秒、26分35秒……内股からの体固めで、勝者、レインボー岩城っ!!」
岩城+2(7) DENSOU+2(10) ライラ+4(24) 榎本+1(6) みぎり(8)
合計55千円
☆英語禁止プロレスへのコメント☆
ライラ「どうもこうもねえが、これだけは言っておく。覚えておけ、ダンディ須永っ! 絶対リング上でボッコボコにしてやるからな!」
みぎり「難しかったです~」
榎本「難しかったよ~~。お客さんにちゃんと和訳しろって怒られちゃった」
岩城「ぶいっ! って言えなかったのはきつかった」
DENSOU「HAHAHA! レフェリーにはちょいっとやり辛かったが、楽しめたぜ。HAHAHA!」
なお、この試合で徴収された違反金は世界の恵まれない子供達へのワクチン注射を推進するNPO団体に寄付をさせていただきました。
新春特別興行編 ~終了~
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