このお話はもう一度あの日のように~再会~後のNEW WINDを舞台にしています。
この間に第2試合は開始されており、同期の理沙子(パンサー理沙子)は一つ上のライラ先輩にボコボコにされていた。
「オラアッ!」
腹部を蹴り飛ばされたまらず前かがみになった理沙子の整った顔を、ライラ先輩は容赦なくステップキックで蹴り飛ばす。
「キャハッハ~!」
ガクンとなった理沙子の後頭部に踵を落とし、さらにグリグリと踏みつけるライラ先輩。
「ぐっ…くっ…」
理沙子はすでに額と鼻から出血し、口の中も切っている。
「オラアアッ!」
さらに踵を落とすライラ先輩。相手がデビュー戦だろうと容赦のない攻撃を加え続ける。
これはどうみても公開リンチにしか見えないし、誰もがライラ先輩の圧勝だと思われた。
だが………
「もうオネンネかあ?フケ顔のわりには子供だなあっ。」
ライラ先輩のこの一言が試合の流れを変えることになる。
「なんですって!!」
一方的に攻め込まれていた理沙子がスクッと起き上がった。顔つきは先ほどまでとは違い殺気に満ちている。
「殺意の波動に目覚めマシタか?」
「…あんた難しい言葉しってるのね。」
確かディアナはブラジル人だと思ったけど。
「なんだてめえ?」
ライラ先輩は理沙子を睨みつける。
「許さない…」
理沙子はそういうが早いか頭突きをライラ先輩の鼻に打ち込んだ。
「グベッ…」
鼻を押さえよろめくライラ先輩。
「てめえええっ!」
自分の掌についた血を見て逆上するライラ先輩。
「ハッ!」
理沙子は素早くスピンしてソバットを腹部に打ち込むと、今度は強烈なエルボーをライラ先輩の鼻めがけて打ち込んだ。
「グハッ…」
「ハアッ!!」
理沙子はよろめくライラ先輩の顔面に向かってドロップキック!!
「高いっ!」
「さすが理沙子サンデス。」
打点の高いドロップキックで顔面を打ち抜かれライラ先輩はたまらずダウン!
「おおおおおおっ!」
この出来事に観客は一気にヒートアップ。
「フォール!」
理沙子はここでフォールに行った。
「甘いなっ!」
フォールに意識がいった理沙子に首根っこをライラ先輩は左手で鷲掴みにし、右の拳で理沙子の顔面にパンチを連打する。
「うわああああああっ…」
理沙子の顔から血が滴り、場内は言葉を失った。
「いつのまにっ!」
私は思わず叫んでいた。
全然気付かなかったけど、ライラ先輩の右の拳にはいつのまにかメリケンサックが装着されている。
「ダウンした時デス。」
ディアナがつぶやく。
「理沙子…大丈夫かな…」
「大丈夫デス。まだ目が死んでいませんから。」
確かに。ライラ先輩の反則攻撃を受けて流血しながらも理沙子の目は輝きを失ってはいなかった。
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