第3区のお話です。
「ボ、ボクがメンバーですかっ!」
スターライト相羽は大きな瞳をさらに大きく見開いた。
「ああ。第3区を任せる。」
「はいっ!頑張ります。でも…」
「でも?」
風間社長は続きを促した。
「選ばれるとは思っていませんでした。」
相羽は頭をかきながらテヘヘと笑った。
「…ああ、選ぶつもりはなかったよ。」
風間社長はあっさりと衝撃の事実を告げた。
「えっ…ええっ!」
「…本来は岩城の予定だったんだが…」
「ああ、19期生の…」
「…旧NWだとそうだったか…こっちではレフェリーなんだが。」
風間はつぶやく。
「はい?」
「コホン。岩城は首の負傷と諸事情(コスト)により出走できなくなったんだ。」
「そ、そうなんですか!彩菜ちゃん大丈夫かな…」
後輩の心配をする相羽。
「(旧NWでは)大丈夫だ。」
「よかった。」
ほっとする相羽。
「岩城の無念の分も走ってくれるな?」
「はい!彩菜ちゃんの分も気合と根性で頑張ります!」
相羽はぐっと拳を握りしめた。
「その気合と根性を見込んで選抜したんだ。頼むぞ。」
「はいっ!!」
相羽は元気よく答えた。
「ちなみにシュミレーション結果によると藤島と榎本の二人は相当遅れてくるだろう。」
「そ…そうなんですか?」
「ああ。十中八九最下位でタスキをうけることになる。」
最下位と聞いて相羽の表情が引き締まる。
「そこで相羽、君の使命だが…差をできるだけ縮め、好タイムでたすきを小鳥遊に渡す事にある。順位を一つでもあげてくれればなおよい。例によって途中棄権またはタイムを縮めることができなかった場合は今後の出番は減少することになる。成功を祈る。」
「…このタイムならっ!!小鳥遊さん!」
相羽は区間10位と好走したが、先頭とのタイム差は…±0であった。
「いい走りだったぜ。さすがはMAX WIND女王!」
「…元ですけどね。」
相羽は苦笑いする。
「安心しな。私も同じだ!」
小鳥遊は前を追い掛けてドスドスと走っていった。
「頼みます!小鳥遊さん!」
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