第3回レッスル駅伝第6区走者南のお話です。
「新旧NEW WINDの合同チームってわけ?」
駅伝のメンバー表を見ながら南は呟いた。
「ああ。といっても新の方からは、小鳥遊&朝比奈だけなんだけどな。」
風間社長の言葉に南はフンと鼻を鳴らした。
「…私は“新”じゃないわけ?」
南利美は新旧NEW WINDのどちらにも登場している。旧NWでは一人だけ1歳年上の一期生として登場。同期の伊達遥とライバルストーリーを展開し見事ストーリーの中核を担っていた。また引退後には10年近いブランクを克服して前述の伊達と再会試合を戦ってみせた。まさに旧NWを代表する選手の一人である。
「…新でもあるんだろうが…やはり旧のイメージの方が強いんだよな。」
新NWでの南は旧NWとは違い、現在不動のエースとして成長しつつある
「そう。で、私は今回どちらの南利美なのかしらね?」
二つのNWに密接にかかわっているだけに難しいところである。
「…どちらでもない南利美でいいんじゃないのか?」
風間社長の答えを聞いて南は吹き出した。
「あははっ…さすが社長。無理難題を押し付けてくれるわ。いいでしょう、その役目完璧にこなしてみせるわよ。」
「頼むぞ南!」
「ええ、完璧な走りをしてみせるわ!」
3キロという短いコースなだけに前をとらえるのは容易ではないが、南はたすきを受け取ってすぐにトップスピードに乗った。
「はっ…はっ…」
南は前との差を縮めていく。
「捉えた!」
南の視線に前を走るハッスルエンジェルスのなぎさの姿が映る。
「なんとか…順位を…」
だが追い抜くにはさすがに距離が足らなかった。
「くっ…でも小鳥遊さんと朝比奈の頑張りには答えることができたわね。あとは女王らしく完璧な走りでたすきを託すのみ!」
南を伊達が出迎える。
「…南さんっ!!」
伊達が手を伸ばす。
「遥!頼むわよ、偉大なる鳳凰のはばたき楽しみにしているわ。」
「…うん。…南さん完璧な走りだった…受け継ぐね。」
伊達はハニカミながらたすきを受け取った。
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