NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇2年目10月
「ギ…ギブアップさね…」
南流のチキンウイングフェイスロック”サザンクロスアームロック”が決まり、ソニックはたまらずギブアップを宣言した。
「手ごたえありね。」
以前よりも切れ味を増したサブミッションは目を引くものがある。
「私は関節技だけではないわ。」
リンは関節をかなり警戒していたが、南は意表をついた投げ技でフォールを奪ってみせた。
「ふむ。南は成長しましたな。これなら大丈夫でしょう。」
ダンディさんは愛弟子の成長に目を細めた。
「大丈夫そうですね。安心しましたよ。」
南は勝利とともに失っていた大事なものを取り戻した。
「南が失っていたもの…それは…」
「自信ですね。」
南が失っていた自信を取り戻したことで若手戦線が一気に活気づいた。
「負けてられないわ。」
「悔しいのさね!」
祐希子とソニックの闘志にも火がついたようだ。
「これでまた面白くなりますな。」
ダンディさんは右手で顎を撫でながら微笑みを浮かべた。
最終戦水戸大会 メインWIND
シングルマッチ60分1本勝負 ガルム小鳥遊VSオーガ朝比奈
先月の最終戦のメインではタッグ王者として防衛に成功した二人が、今月はシングル対決でメインを務める。
定員をはるかにオーバーし、消防法ギリギリの状態まで詰めかけた3675人の観客が見守る中、2度めのシングル対決のゴングが鳴った。
なおレフェリーを務めるのは今回もレインボー岩城である。
「せいっ!」
朝比奈の重いチョップが小鳥遊の胸元をえぐるが、小鳥遊はまるで動じない。
「はああっ!」
ボディスラムを挟んで2度のスリーパーを決めて小鳥遊が優位に立つ。
「チョップってのはな!こうやるんだよっ!!」
朝比奈の胸元に体重を乗せた強烈なチョップを打ちこむ。
「ぐはっ…だけどなあああっ!」
今度は朝比奈がボディスラムでお返し。小鳥遊の巨体をマットに叩きつける。
「いってえなあ!おらああああ!」
鈍い音がして小鳥遊の頭突きが決まる。
「ぐうう…石頭め…うわあああああっ!」
額を押さえてふらふらとする朝比奈の首を小鳥遊は引っ掴み喉輪落とし”ガルムズボンバー”で叩きつける!
さらに体重をかけることでダメージを強化する念の入れようだ。
「どうしたオラ!終わりか?」
小鳥遊は朝比奈の上体を引き起こすとチョップを叩きこむ。
「くっそおお!」
朝比奈はもう一度小鳥遊をボディスラムで投げ飛ばし、起きあがり際に必殺のオーガクラッシャー!!
「効かねえつうんだよ!」
小鳥遊はすくっと立ちあがる。逆に攻撃を仕掛けた朝比奈が起き上がれない。
「起きろってんだよっ!!」
小鳥遊はその場飛びのギロチンドロップ!
「ぐっ…なめんなあああっ!!」
朝比奈はフォールを許さず力を振り絞って立ち上がる。
「いくぜええええっ!」
朝比奈はダメージが出て膝立ちになった小鳥遊の体を飛行機投げの要領で担ぎあげる。
「おらああああああっ!!!」
その場でジャンプして小鳥遊をバックフリップで投げ飛ばす。
「しゃあああああっ!」
さらに立ちがありにラリアートを合わせる朝比奈。
「効かねえなっ!」
小鳥遊は朝比奈をフライングメイヤーで投げ飛ばすと、ガラ空きになった背中に強烈なサッカーボールキック!
「ぐあああああっ…」
さらに小鳥遊の猛攻が続き最後はセカンドロープからのダイビングギロチンドロップ!
朝比奈はこれを返すことができず、無念のスリーカウントを聞いた。
「くっそおお!また勝てなかったか!!」
「だから言っただろう。私は簡単には超えさせねえって。何度でもかかってこい。私は何度でもお前を叩きつぶす!」
「勝つまでやってやらあ!!」
今回は“小鳥遊強し”を印象づける内容だった。まだまだ朝比奈にとって小鳥遊は巨大な壁といえるだろう。この二人の対決は今後も注目だな。
第52話へ
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