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2024/04/25 14:11 |
新たなる風の物語 第69話「忍」

NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より 

 ※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
 旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。

◇3年目7月
 
「只今より、NEW WINDネオ・ソウル・バトル…シングルマッチ15分1本勝負を行います。」
 仲間リングアナの美声が場内に響渡る。
「うおおおおお!待っていました!!」
「オレは仕事さぼってこれを見に来たんだ!」 
 場内から様々な声が飛ぶ。本日の会場は秋田県総合文化体育館。5千人収容のこの体育館は超満員札止め…5200人の大観衆でぎっちりと埋まっている。とても第1WINDとは思えない声援と拍手だ。
「青コーナー……本日デビュー戦。秋田県出身143パウンドー、越後~しの~ぶ~~!!」
 越後は丁寧に四方に向かってお辞儀をした。飾りっ気のないまっ白な新人用の水着(胸にNEW WINDのロゴ入り)もそうだがなんだか初々しいな。
「しのぶ~~~!!」
「頑張れ~しのぶ~~!!」 
地元でのデビューということもあり、すでに固定ファンがついているようだ。
「メイドっ子にゆきんこ魂さ、みせてやれ~~!」
「ゆきんこプロレスラーの意地みせたれ~~!!」
 ゆきんこプロレスラーって…そういえば地元には雪ん子プロレスなる団体もあるそうだけど。そこのレスラーじゃないんだから…まあ、それは置いておいて、いったい“ゆきんこ魂”とはどんなものなのだろうか。
「寒さに対してはかなり耐えられるらしいですぞ。それゆえに体が強い。だから防御力に長けているのでしょうな。」
 ダンディさんが私の疑問に答えてくれた。
「なるほど。確かに越後は受けのセンスがありますね。」
 
「赤コーナー、愛媛県出身136パウンドー、メイデン~さくらざ~き~」
 こちらも丁寧なお辞儀をする。
「今日はお相手いたしますわ。しのぶお嬢様。」
「お願いします!」
 越後は大声を出すと両手で握手を求めた。
「シェイクアップ!」
 レインボー岩城レフェリーが握手を促す。
「よろしくお願いいたします。」
 桜崎も丁寧にそれに応じた。
「オッケー、いきましょう!ゴー!」
 
 カアン!



「10分16秒 “これでよろしいでしょうか?”逆片エビ固めで勝者メイデン桜崎。」
 越後のデビュー戦は敗北に終わった。越後は正統派のファイトで挑んだが、それを桜崎は受けつけず徹底的に越後をサブミッション地獄に引きこんだ。
 しかし、越後は何度も悲鳴を上げながらも粘りに粘ってみせた。
「くそおおおおおおっ!」
 越後はなりふり構わないナックルパートで桜崎の顔面を殴りつけ、大きなダメージを与えたが、このナックルが桜崎の怒りを買ってしまった。何しろ桜崎はいかにもMぽく見える”メイドさん”でありながら、その実かなりS…いや気が強い。最後は拷門式の逆片エビ固め“これでよろしいでしょうか?”で越後の体をシャチホコに固めでギブアップの声を出させた。
「歩いて帰る!」
 越後は右脚を引きずりながらも一人で退場していった。その背中に健闘を称える大きな拍手が送られていたことに彼女は気づいただろうか。
 とにかく越後しのぶのプロレス道はまだはじまったばかり。早く先輩たちに追いつけるように頑張ってもらいたい。

「この試合パーフェクトに決める!」
 北条のフィニッシュ宣言に場内が沸く。
「くらえええええっ!」
 北条の必殺技ロイヤルDDTが市ヶ谷に炸裂!そのまま市ヶ谷は3カウントを聞いた。
「くっ…」
「この間の借りは返させてもらった。」
 歯噛みする市ヶ谷をリングに残し、北条は花道を退場していった。
「北条はさすがですな。」
「ええ。表情には出ていませんでしたが、ここは勝ちたいという気持ちが伝わってきていました。逆に市ヶ谷の方には油断がありましたね。」
 一度勝った程度では世代交代とは言えない。それにキャリアがあるといっても北条だってまだまだ成長できる選手だ。たとえ今は輝けなかったとしても耐え忍びいつか輝いてくれよ。

第70話へ
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2009/01/24 18:00 | Comments(0) | サバイバー2リプレイ NEW WIND編

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