NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇NEW WIND興行
第3戦
「そ、そんな…」
ミミ吉原はまさかの3カウントを奪われ茫然としていた。
「私のサービスはいかがでしたでしょうか、お嬢様。」
勝ったのはメイデン桜崎だ。2か月前のシングル初対決で敗れていただけにこの勝利には価値がある。吉原に敗れて以来桜崎は陰で相当の特訓を積んでいたようだし、その成果が出たというところだろうか。
「よくやったわ、美咲。」
カラミティ・メイデン(仮)のリーダーであり、桜崎の現在の実質的な師匠格にあたる十六夜が祝福に現われた。
「十六夜…」
吉原の顔色が変わる。それも当然だろう。6人タッグとはいえ吉原は十六夜に直接フォールを取られているのだから。
「そんなに怖い顔をしても無駄よ。私は美咲に負けたミミ吉原などに用はないのだから。自分の価値を高められる相手ならいくらでもやってあげるけどね。」
十六夜はそういうと笑みを浮かべたまま引きあげていった。
「くっ…」
吉原は唇を噛みしめ、無言で退場していった。その背中からは決意のオーラが放たれていた。
第4戦 越後しのぶ VS ミミ吉原
通常ならばチャレンジマッチの域を出ない試合。吉原が十六夜への挑戦権を得るための再出発の踏み台にすぎない試合のはずだった。
しかし…吉原の意気込みを越後の気迫が上回り、試合は終始越後ペースで進んでいた。ほぼ同期の桜崎には負けられないという越後の想いが原動力なのであろう。
「いくぞおおおおっ!」
越後が拳を握りフィニッシュを宣言する。
「天空ゥゥゥ剣!」と観客が叫んだ。この瞬間、正義の力が越後の右足に宿る。
「うおおおおおおっ!」
越後は強烈な右カカト落としをソニックの右肩へと叩きこむ。
「必殺…」
「Vの字蹴り!!」
越後は声援に合わせるように飛び、右のオーバーヘッドキックを吉原の左肩に叩きこんだ。ガクンと崩れ落ちる吉原を見て吉原ファンおよび新女のファンから悲鳴が上がる。
「レフェリー、フォールだ!!」
越後はガッチリと片エビで固めた。
「OK、フォールだよ。」
ゲストレフェリーのミスターDENSOUがカウントをとる。
「ワン…トゥ……スリー!だよ。」
DENSOUレフェリーが3つめのマットを叩き、越後の勝利を告げるゴングが鳴らされると「どわああああああっ!」と大歓声が上がった。
「みたか!これが正義の力だ!」
越後は右腕を高々と突き上げた。
「し・の・ぶ!し・の・ぶ!」
大しのぶコールが巻き起こる。
「次の試合も、や~ってやるぜ!!」
越後はそう言うとマイクを投げ捨てた。
越後の勝利を受けてメインでは女王南利美&ビューティ市ヶ谷の“クール&ビューティ”が出陣。理沙子&龍子の新女ペアを16分少々であっさりと撃退してみせた。
第5戦 南&越後 VS 龍子&吉原
桜崎・越後というNEW WINDの若手に連敗し、後がなくなった吉原が女王南との対戦という最高のチャンスに大ハッスル。得意の空手殺法で越後と南を流血に追い込む。
「本気でやる必要があるようね。」
しかし南が本気モードに入り吉原に強烈な技を畳みかけ、龍子へとスイッチさせる。
「あとは任せたわよ。」
南は越後とタッチすると吉原を無理やり場外戦へと引きずり込みリング上で一騎打ちの構図を作り上げる。
「なめるなああっ!」
激昂した龍子が越後を攻め立てるが、そこは“鋼のディフェンス”と呼ばれる越後だ。きっちりと攻撃を受け切った上で攻め疲れた龍子を逆に追い込む。
「天空ゥ剣!」
越後の正義パワーのこもった右ハイキックが龍子の脳を揺らす。
「終わりだあああっ!」
すかさずロープへと走り、スワンダイブ式のミサイルヒップで飛ぶ!
「ぐぶっっ…!」
越後が片エビに固めるのを確認して、ミスターDENSOUレフェリーがカウントをとる。
「ワン…トゥ……スリー!だよ。」
「うおおおおおおっ!!」
タッグマッチとはいえ、実質1対1の状況で越後がフォールを奪った。
「な…なんだとおっ!!」
龍子はショックを隠せない。まあ当然だろうな。それにしても越後が吉原と龍子を連破するとはまったく思ってもみなかったよ。
どうやらこれで終わるとは思えない。今月はまだまだサプライズ!!がありそうな気がしてきたよ。
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