ＮＥＷ ＷＩＮＤ社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり～飛翔編～」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー２のリプレイとなります。
旧作版ＮＥＷ ＷＩＮＤとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇６年目９月
王者が多数存在するＮＥＷ ＷＩＮＤでは、毎月のようにタイトルマッチが行われている。
８月シリーズでは北条のアジアヘビーと、真壁のＩＷＷＦジュニアの防衛戦が行われた。
真壁は同期小早川にまさかのフォール負けを喫し、ＩＷＷＦジュニアの防衛に失敗してしまう。
「そ、そんな…」
「やったね！悪いね、ナツねえ。」
イトコ同士だけに少々やりにくかっただろうが、二人はプロの試合を見せてくれた。
「絶対に取り返してみせるから！」
真壁はリベンジを誓った。
さて、もう一つの方だが…アジアヘビー王者北条は毎月のように防衛戦を行っているが、これは北条自身の要望によるもの。
「今、私は充実しています。だからこそ、色々な相手と試合をしたい。」
８月は後輩メイデン桜崎の挑戦を受け白熱の試合を繰り広げたが２７分５６秒ロイヤルスラッシュで桜崎の執念と意識を刈り取った。
「よっし…」
北条は片膝をついたままガッツポーズをしてみせる。
「オイ、後輩相手に大苦戦しているみたいじゃねえか。」
ここでマイクを片手にリングサイドに上がったのは、オーガ朝比奈だった。
「おい、北条。お前後輩相手に防衛して嬉しいか？オレが挑戦してやるよ。」
朝比奈が問いかける。
「…お前も後輩だろう？」
北条は少々あきれ顔だ。
「うるせえ。ここでは同期みたいなもんだろうが！オレの挑戦、受けるのか？」
「いいだろう。ではアジアヘ…」
「ちょっと待った。誰がアジアに挑戦するつったよ？」
朝比奈は“お前馬鹿じゃねえの？”と言いたげだ。
「なにっ？アジアじゃないのか？」
北条は意外そうな顔をする。
「あったり前だろ？アジアヘビーの方が権威あるとか言われているけどさあ。所詮はアジアのベルトに過ぎねえんだ。オレが欲しいのは…“世界”のベルトなんだよな。」
こうして９月シリーズでの朝比奈の挑戦が決定した。
その９月シリーズ…朝比奈は絶好調で、強豪外国人を連続で倒し、さらにはパートナー小鳥遊とのタッグで絶対女王南利美と激突すると、もはや不沈艦と化しつつあるＭＡＸ ＷＩＮＤ女王南からの勝利をサポートしてみせた。（小鳥遊がダイビングフットスタンプで勝利。）
そして最終戦…第２ＷＩＮＤで挑戦者真壁が王者小早川を破りＩＷＷＦジュニアを奪還し、挑戦者朝比奈にいい流れを持ち込む。
そして迎えたダブルメインＷＩＮＤのファーストマッチで朝比奈が世界王座へと挑む。
「せっかくのタイトルマッチが実質セミ扱いってのが気に入らねえけどな。まあ、ひと頑張りしてくるとすらあ！」
挑戦者朝比奈に気負いはなかった。長年の目標だった小鳥遊超えを果たしたことで朝比奈はまた一つ成長したのだろう。
「この試合もパーフェクトに決める！」
対する王者北条も気合十分であった。
気合の入った二人の対決は白熱。互いの得意技を食らってもカウント１で跳ね返し、すかさず強烈な技でお返しをするという展開が続いた。
「いくぜっ！フィニッシュバスター！！」
ついに朝比奈の代名詞ともいえる旋回式のスクラップバスターが炸裂し、スカイブルーのリングが大きく揺れた。
「フォール！！」
しかしこれを北条はカウント２．８で跳ね返す。
「この程度！」
ふらつきながらもパーフェクトキックを繰り出す北条。
「あぐっ…」
朝比奈はうめき声を上げたもののダウンせずに耐え切った。
「ラアアアアアッ！」
朝比奈のラリアットが逆に決まり、北条がたたらを踏んだ。
「今度こそ終わりだ！フィニッシュバスター！！」
今度は先ほどとは逆回転し、北条の首を急角度でマットへと突き刺した。
「フォール！！」
朝比奈はのしかかるようにフォールする。
「ワン…トゥ……」
トニー館レフェリーが首を振り、右手を振り下ろした。
「スリー！！」
場内から歓喜の声が上がる。
「２９分３１秒、２９分３１秒…フィニッシュバスター・バーニングエンドによりまして、勝者オーガ朝比奈！！」
「よっしゃああああああああああっ！」
朝比奈は天高く拳を突き上げた。
「あっさひな！あっさひな！！」
大朝比奈コールに包まれる。
「きゃ～～～っ！ひな～～～～！！」
ファンクラブ“Ｐガールズ”会長が卒倒せんばかりの歓声を上げた。
「しゃああああああっ！」
朝比奈はベルトを受け取るとコーナーポストへとよじ登り両手でベルトを高々と掲げた。オーガ朝比奈…ついに世界王座奪取！！念願のシングル王者となった。
なおダブルメインＷＩＮＤファイナルマッチでは、ＷＷＣＡ王者カオスに越後が挑戦したが、１８分２１秒パワーボムで沈み王座奪取ならずであった。
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うわぁぁ、なんかもう泣けてきそうです。
大将超えを果たし、世界のベルトを巻いて、と、これ以上ない良い形にしてもらってほんとによかったねぇぇぇぇ♪