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新たなる風の物語 第40話「いったいどういうことだ?」

NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より 

 ※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
 旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。


「………おい、これはいったいどういうことだ?」
 九州ドームに入った小鳥遊はいきなりボールとグローブを手渡されて戸惑っている。
「なにって?始球式だよ。」
「はあ?始球式だあ?」
「そう、始球式。」
 小鳥遊はそれからしばらく事態が飲み込めないようだった。
「…なあ私は試合前のセレモニーと聞いた記憶があるんだが…」
「そ、試合前のセレモニーだろう始球式は。野球の試合の伝統的なイベントだぞ。」
「聞いてないぞ、始球式なんて。」
「だから何km/h投げられる?ってきいただろう。」
「…キロって重さのkgじゃねえのかよ?」
「何言っているんだ。早さのkm/hだよ。これを見てみなよ。」
 私は地元のスポーツ新聞を小鳥遊に見せた。
「なになに…」

『”地獄の番犬、野球界に殴り込み!?”
プロ野球ファンを恐怖のどん底に陥れる驚愕のニュースが突如流れてきた。女子プロレス団体NEW WINDのエース・ガルム小鳥遊が今度九州ドームで行われるプロ野球の試合に殴り込みをかけることが関係者の証言から発覚した。
「140キロくれえなら余裕だな。」という本人の言葉は各地で反響を呼んでいる。
 あの地獄の番犬と恐れられるガルム小鳥遊が140km/hを超える剛速球を引っ提げて九州ドームのマウンドにやってくる。
対戦が予想される打者は、”へえ…それはぶつけられたら怖いっすね。”と発言している。
 凶器攻撃が得意なだけに、ボールもやはり凶器になるのだろうか。…とにかく文字通り死球式にならないことを祈るのみだ。』

「なんだよ、これは!」
「ま、そういうことだから。期待しているよ。それじゃ。」
「お、おい!…ボールってちっこいから苦手なんだよな…」
 
『地獄の番犬 九州ドームに見参!ガルム小鳥入場!』
 場内アナウンスが流れ、そのあと小鳥遊のテーマ曲がかかる。
「さあ、楽しい始球式のはじまりだ!」
 小鳥遊自身によるナレーションが入り、小鳥遊が一塁側のベンチから飛び出す。
「たっかなし!たっかなし!」
 大歓声の中マウンドに登った小鳥遊は馴れた仕草でマウンドをならしキャッチャーとバッターを睨みつけた。
「さあ、楽しい晩餐会のはじまりだっ!砕け散れっつ!!」
 小鳥遊は大きく振りかぶるとオーバーハンドで豪快にボールを投げた。
 ギュオオオオオオオオ!ズドーーーーン!!
「はええええええっ!」
 豪快なボールがキャッチャーミットに吸い込まれた。
「げえええええええええええええっ!!」
 数秒後”160km/h”とスピードガン表示されると…場内は異様なムードに包まれた。

 この後大騒動になったのは言うまでもない。
監督が私の元に飛んできて、育成契約をしたいと言い始めるし、大変だった。
「まさか160キロとはね…」
「私だってびっくりだよ。正直、ちっこくて軽すぎて投げた気はしないから実感はない。」
「で、いいのかい?」
「なにがだよ。」
「野球。」
「私にはプロレスしかねえんだよ。…プロレスが大好きだからプロレスやってんだ。」
 小鳥遊はニカッと笑ってみせた。


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2008/12/26 18:00 | Comments(0) | サバイバー2リプレイ NEW WIND編

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