”レッスル川柳イラスト化作品 SS化チャレンジ”
N版 第28弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
※ジャンル:純プロレス話
N版 第28弾です。
気楽にお願いします。
※このSSは公式でイラスト化された川柳を、私が勝手に設定しSSとして書き上げたものです。
※ジャンル:純プロレス話
「おら、どうした成瀬~!」
「お前サーカス出身やろ!飛んでみ~!」
成瀬唯へ罵声が飛び交う。
この成瀬、軽業師と呼ばれているのだが・・・
「おう、お前サーカス出身だって?なら『軽業師』ってコピーで決まりだ。」
「へっ?ウチ、そういう事やってないで?」
「いいんだよ。サーカスといえば、空中ブランコだろう?やっぱり軽業師だよ。」
社長の勝手な思い込みでつけられた『軽業師』というキャッチコピーと『サーカス出身』という二つの要素だけが突出してしまい、成瀬唯=華麗なる飛び技使いというイメージで見られてしまっている。
ところが、手先は器用なのだが・・・成瀬には瞬発力が欠落していたのである。
瞬発力は華麗なる飛び技を出すのには絶対必要な要素であり、それが欠落しているということは、つまり・・・飛べないことを意味している。
「だから、言うたんや・・・ウチは手先が器用なだけやのに・・・」
イメージとのギャップに苦しむ成瀬。
「唯君、悩んでいるようだね。」
「滝先輩・・・」
ミシェール滝は舞台女優の金の卵だったのだが、あえてプロレスに飛び込んできた異色の経歴の持ち主である。
「どうした唯君。悩みがあるなら打ち明けてくれたまえ。」
「はあ・・・実は・・・」
成瀬は自分の悩みを話した。
「なるほど。イメージとのギャップに苦しんでいるのだね。・・・軽業とは『綱渡り・空中ブランコなどの曲芸の見世物。はなれわざ。曲芸。アクロバット。』をさすわけだよね。飛ぶ以外に選択肢はあると思うよ。」
「飛ぶ以外の選択肢・・・」
「そう、唯君は、瞬発力というものは『完全に欠落』しているが、それを補うだけのボディバランスはもっているじゃないか。」
「ウチのボディバランス・・・」
成瀬は今まで気づかなかったこと指摘され、目から鱗が落ちる感じがした。
「それをどのように活かすかは、唯君次第。でも、覚えておくといい『プロレスは 魅せてなんぼ』だってこと。自分の魅力で、いかにお客さんを楽しませ、魅了するかが仕事なのだよ。さ、バンビーノ達を魅せる練習でもするかな。」
滝は言いたいことをいうとさっさと行ってしまった。
『サーカスは魅せてなんぼやで』
以前サーカス団の団長にも同じようなセリフを言われたことがある。
「サーカスもプロレスも・・・魅せてなんぼ・・・か。」
成瀬はその後特訓を重ね、魅せる技を開発することに成功する。
まあオリジナル技ではないにしろ、一動作増やすことで印象が違うものだ。
「しっかし、あれやな~、この『ダンディ・ドラゴン』って人は、ようこんな余計な動きするわ。」
成瀬が参考にしたのは、一動作増やし、魅せる演出が得意だったダンディ須永というプロレスラーの技全集だった。
「でも、参考にはなったで。」
そして・・・成果を見せるときがきた。
「たああああっつ!」
成瀬はコーナーへと相手を押し込むと、ぐるぐる腕を回しながら突進していく。
「なんでやねん!」 とツッコミながら放った技は、逆水平チョップ!
「どははははっつ!」「腕まわした意味がわからんぞ~!」「なんでやねん!」
客席からは笑いとツッコミ。
「テエイッ!」
逆水平をさらに連打する成瀬。
「なんでやねん!」「なんでやねん!」「なんでやねん!」「なんでやねん!」
場内から、大「なんでやねん!」の合唱が始まった。
「なんでやねん!」「なんでやねん!」「なんでやねん!」
元々プロレスファンは、技や動きに合わせて声を出すのが好き。
たとえば、とある選手がモンゴリアンチョップを出そうとしたら「シュー!」と口真似をしたり、胸張り手合戦が始まったら「ヘイ!」と声を合わせたりする。
コーナーに上って右腕を突き上げたら「オー!」など、それを楽しむ風潮があるのだ。
ちなみにこの試合以降、成瀬のチョップが出たら「なんでやねん!」と合いの手が入ることになる。
このチョップ連打で肉体的にも、精神的にも弱った相手の腕をとると、成瀬はひょいとロープへ登った。
まあ、本人はひょいと登ったつもりなのだろうが、どう見ても「よっこいしょ」と登っているようにしか見えなかったのであるが。
成瀬はコーナーからロープへ登ると、相手の腕を取ったまま、ロープを渡る。
ここで開いている手で拝んでいたら、『拝み渡り』だが、さすがにそれはしない。
変わりにピースしてみせる。
スピードを上げたり、後ろ歩きしたり・・・成瀬はボディバランスのよさをアピールする。
すると、「いいぞ!軽業師!!」と声がかかった。
(やったで!ウチの勝ちや!)
軽業師というキャッチコピーが認められた瞬間であった。
成瀬はここでロープから飛び降りると、そのまま相手の腕を関節に極めた。
普通は手刀を落とすところだが、これも魅せるためだ。
「おおっつ!」
ざわめく場内。
飛びつき腕ひしぎ逆十字の応用で、スワンダイブまではいかないにしろ、普通に飛びつき腕十字を極めるよりインパクトがあった。
カン!カン!カン!
びっくりした相手は即タップ。
「12分13秒 軽業師式飛びつき腕ひしぎ逆十字固めで、勝者成瀬唯!」
場内からいつも以上の拍手が送られる。
「成瀬~!いいもの魅せてもらったで。」
「軽業師や~!」
「プロレスも魅せてなんぼの軽業師やで!」
飛べない軽業師はこれからも魅せるプロレスをしていくだろう。
(終)
『プロレスも 魅せてなんぼの 軽業師』 芹神龍兵JACさんの句です。
出演
成瀬 唯、ミシェール滝
なおこのSSには
『逆水平 ついつい出てまう 「なんでやねん!」』(伝説の垂れ幕さんの句)を使用しています。
なお関西弁に関しては完全に似非だと思います。
なので関西圏の方、似非だと思って流してください。上手く表現できませんでした。
飛べないで軽業・・・表現が難しかったですねえ。
「お前サーカス出身やろ!飛んでみ~!」
成瀬唯へ罵声が飛び交う。
この成瀬、軽業師と呼ばれているのだが・・・
「おう、お前サーカス出身だって?なら『軽業師』ってコピーで決まりだ。」
「へっ?ウチ、そういう事やってないで?」
「いいんだよ。サーカスといえば、空中ブランコだろう?やっぱり軽業師だよ。」
社長の勝手な思い込みでつけられた『軽業師』というキャッチコピーと『サーカス出身』という二つの要素だけが突出してしまい、成瀬唯=華麗なる飛び技使いというイメージで見られてしまっている。
ところが、手先は器用なのだが・・・成瀬には瞬発力が欠落していたのである。
瞬発力は華麗なる飛び技を出すのには絶対必要な要素であり、それが欠落しているということは、つまり・・・飛べないことを意味している。
「だから、言うたんや・・・ウチは手先が器用なだけやのに・・・」
イメージとのギャップに苦しむ成瀬。
「唯君、悩んでいるようだね。」
「滝先輩・・・」
ミシェール滝は舞台女優の金の卵だったのだが、あえてプロレスに飛び込んできた異色の経歴の持ち主である。
「どうした唯君。悩みがあるなら打ち明けてくれたまえ。」
「はあ・・・実は・・・」
成瀬は自分の悩みを話した。
「なるほど。イメージとのギャップに苦しんでいるのだね。・・・軽業とは『綱渡り・空中ブランコなどの曲芸の見世物。はなれわざ。曲芸。アクロバット。』をさすわけだよね。飛ぶ以外に選択肢はあると思うよ。」
「飛ぶ以外の選択肢・・・」
「そう、唯君は、瞬発力というものは『完全に欠落』しているが、それを補うだけのボディバランスはもっているじゃないか。」
「ウチのボディバランス・・・」
成瀬は今まで気づかなかったこと指摘され、目から鱗が落ちる感じがした。
「それをどのように活かすかは、唯君次第。でも、覚えておくといい『プロレスは 魅せてなんぼ』だってこと。自分の魅力で、いかにお客さんを楽しませ、魅了するかが仕事なのだよ。さ、バンビーノ達を魅せる練習でもするかな。」
滝は言いたいことをいうとさっさと行ってしまった。
『サーカスは魅せてなんぼやで』
以前サーカス団の団長にも同じようなセリフを言われたことがある。
「サーカスもプロレスも・・・魅せてなんぼ・・・か。」
成瀬はその後特訓を重ね、魅せる技を開発することに成功する。
まあオリジナル技ではないにしろ、一動作増やすことで印象が違うものだ。
「しっかし、あれやな~、この『ダンディ・ドラゴン』って人は、ようこんな余計な動きするわ。」
成瀬が参考にしたのは、一動作増やし、魅せる演出が得意だったダンディ須永というプロレスラーの技全集だった。
「でも、参考にはなったで。」
そして・・・成果を見せるときがきた。
「たああああっつ!」
成瀬はコーナーへと相手を押し込むと、ぐるぐる腕を回しながら突進していく。
「なんでやねん!」 とツッコミながら放った技は、逆水平チョップ!
「どははははっつ!」「腕まわした意味がわからんぞ~!」「なんでやねん!」
客席からは笑いとツッコミ。
「テエイッ!」
逆水平をさらに連打する成瀬。
「なんでやねん!」「なんでやねん!」「なんでやねん!」「なんでやねん!」
場内から、大「なんでやねん!」の合唱が始まった。
「なんでやねん!」「なんでやねん!」「なんでやねん!」
元々プロレスファンは、技や動きに合わせて声を出すのが好き。
たとえば、とある選手がモンゴリアンチョップを出そうとしたら「シュー!」と口真似をしたり、胸張り手合戦が始まったら「ヘイ!」と声を合わせたりする。
コーナーに上って右腕を突き上げたら「オー!」など、それを楽しむ風潮があるのだ。
ちなみにこの試合以降、成瀬のチョップが出たら「なんでやねん!」と合いの手が入ることになる。
このチョップ連打で肉体的にも、精神的にも弱った相手の腕をとると、成瀬はひょいとロープへ登った。
まあ、本人はひょいと登ったつもりなのだろうが、どう見ても「よっこいしょ」と登っているようにしか見えなかったのであるが。
成瀬はコーナーからロープへ登ると、相手の腕を取ったまま、ロープを渡る。
ここで開いている手で拝んでいたら、『拝み渡り』だが、さすがにそれはしない。
変わりにピースしてみせる。
スピードを上げたり、後ろ歩きしたり・・・成瀬はボディバランスのよさをアピールする。
すると、「いいぞ!軽業師!!」と声がかかった。
(やったで!ウチの勝ちや!)
軽業師というキャッチコピーが認められた瞬間であった。
成瀬はここでロープから飛び降りると、そのまま相手の腕を関節に極めた。
普通は手刀を落とすところだが、これも魅せるためだ。
「おおっつ!」
ざわめく場内。
飛びつき腕ひしぎ逆十字の応用で、スワンダイブまではいかないにしろ、普通に飛びつき腕十字を極めるよりインパクトがあった。
カン!カン!カン!
びっくりした相手は即タップ。
「12分13秒 軽業師式飛びつき腕ひしぎ逆十字固めで、勝者成瀬唯!」
場内からいつも以上の拍手が送られる。
「成瀬~!いいもの魅せてもらったで。」
「軽業師や~!」
「プロレスも魅せてなんぼの軽業師やで!」
飛べない軽業師はこれからも魅せるプロレスをしていくだろう。
(終)
『プロレスも 魅せてなんぼの 軽業師』 芹神龍兵JACさんの句です。
出演
成瀬 唯、ミシェール滝
なおこのSSには
『逆水平 ついつい出てまう 「なんでやねん!」』(伝説の垂れ幕さんの句)を使用しています。
なお関西弁に関しては完全に似非だと思います。
なので関西圏の方、似非だと思って流してください。上手く表現できませんでした。
飛べないで軽業・・・表現が難しかったですねえ。
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リアルもこんな感じかもw
きっと、製作するときこの社長の様な行き違いがあったんでしょうw
あと、ダンディさんかっこいいw