NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
NEW WINDは新たなる人材を求めるため、新人テストを行うことにした。
「一度だけではなく最低2度は行うべきかと。逸材は多いにこしたことはありませんからな。」
確かに。現時点で所属が決まっているのは、ガルム小鳥遊、ロイヤル北条の両エースに、経験者のオーガ朝比奈の3人だけだ。
「なるほど。2度目の開催の告知もしておきます。まず明日の第一回入団テストにどのような娘が来るかですね。」
当日…40人ほどの応募者が集まり、体力テストに挑んだのだが……
「ちっ…どいつもこいつも…これでよくプロレスラーを目指す気になったもんだぜ。」
審査員の一人である小鳥遊は頬杖をついて溜息を吐いた。その眼前には、力尽きた応募者が倒れている。
「ったく。仮にもプロレスラーを目指して受けに来たんだろうが。この程度できないでどうすんだよ。」
確かに小鳥遊の言うとおりで、反論の余地はない。
「GGJの時より酷いな。あの時はあいつがいたんだがなあ……あいつみたいな根性のあるやつはいないのかねえ。」
「うきゅ!うきゅ!まだまだなのぉ!」
ここで一人の受験者がむくっと立ちあがり、メニューをこなし始めた。
「ほう。ちったあ根性のあるやつがいるじゃねえか。」
小鳥遊の口元に笑みが浮かぶ。
そのままその受験者はすべてのメニューをこなして見せたのだった。
「結局全部こなしたのはコイツだけか。名前は結城みか。」
「結城みか?どこかで聞いたことがある…ちょっといいですか。」
私は小鳥遊の手元から受験者プロフィールを引っ手繰った。
「!やっぱり!この娘は、特撮でヒロインを務めている結城みか…だ。」
「!?」
「なんですと?」
あんぐりとする我々にお構いなしに「うきゅっきゅっ!よろしくなのさね!」と結城みか君は、にぱっと笑った。
特撮作品音速ヒロインソニック・キャットでヒロインソニック・キャットを演じていた結城みか君が、あろうことかわが団体の新人テストを受けに来た。
「彼女がどんな作品に出ていたかは知りませんが……スピード・パワーともにバツグンで、プロレスラーとしてはかなりの逸材ですな。」
ダンディさんもさすがに目を丸くしている。
「…採用しますか。」
「お勧めしますぞ。このクラスの逸材にはそう簡単には出会えないと思いますからな。」
「うきゅ!音速ヒロインにクラスチェンジなのさね。」
うーん、版権としてはどうなのだろうか。と私は思ったので、その後ダンディさんの人脈を活かし確認をとったところ、面白いからOKという許可を得た。
原作者もプロレスファンで、自分の描いたキャラクターがタイガーマスクなどのようにリングで活躍する姿を見たかったそうだ。
それに結城みかが演じる音速ヒロイン・ソニックキャットがあまりにもイメージにぴったりなので、彼女自身がソニックキャットとしてリングに上がるのなら大歓迎とのことだった。
NEW WIND第1回新人テスト合格者
音速ヒロイン・ソニックキャット(結城みか)
「しっかし、あの結城とかいうやつ、ある意味恐ろしいな。」と小鳥遊がデータを見ながらつぶやく。
「どういうことですか?」
私は意味がわからない。
「ああ。あいつあんなに小柄なのにもかかわらず、筋力関係の数値がすげえんだ。私が言うのもなんだけど、怪力と言っていいかもしれない。」
小鳥遊は楽しそうな顔だ。
「期待できそうですか?」
「できるだろうね。特撮のヒロインてことで、ベビーなのがちいっと残念だけどな。」
そういって小鳥遊はニッと笑った。きっと将来の好敵手となる相手だと感じているのだろう。
第5話へ
PR
きっと原作者は、永井豪みたいなのに違いないw
あと、「あいつ」が切ないですね・・・