NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
6月シリーズ第1戦では十六夜美響がさっそくデビュー。
彼女の場合は再デビューになるのかもしれないが、NEW WINDの十六夜としてはデビューなのだから、デビューでいいのかな。
小鳥遊&朝比奈と組んで、リリィ&コリィ&リンのWWCAトリオと対決。試合には敗れはしたものの、その能力の高さを見事に発揮してくれた。
「朝比奈、もうちっと頑張らねえと駄目だな。」
「わーってるよ大将。」
十六夜の力を見た師弟の顔つきが変わった。
「ちょっと暴れ足りなかったわねえ。」
十六夜は不満そうだった。
続く第2戦、第3戦でも十六夜はメインに登場。
小鳥遊&北条の団体トップ2と組んで外国人トリオと対戦したが、ともにベビーエースの北条がフォール負け。
「くっ…」
試合終了後、リングに右拳を叩きつける北条。
「災厄が降りかかったみたいねえ。」
十六夜の災厄が北条に降りかかったのだろうか?
「いいえ、私の力不足です。」
北条はそういうと足早にバスへと乗り込んだ。
北条はこのシリーズも調子が上がらず、全8戦のうち勝利したのは第4戦の山口大会のみだった。
それもバニーとの越境タッグを結成し、十六夜&南との対戦で南からフォールを奪ったもので、決して誇れる内容ではなかった。
「完璧とは程遠い…これでエースだなどとは…」
と悩む北条に小鳥遊は…
「おい北条、おまえくだらないことで悩みすぎなんだよ。エースを重く感じるのは勝手だけどな。私だってお前と同じくらい負けてるんだよ。」
「小鳥遊さん…」
「いいか北条、これが現実なんだ。私たちの力は今はこんなもんだってことさ。だったら落ち込んでるヒマなんかないんじゃねえのか?」
確かに小鳥遊の言うとおりだ。私たちはまだまだスタートしたばかりの団体にすぎないのだから。
「そう…ですね。」
「そういうことだ。なあ北条、強くなってよ、二人で団体を盛り上げようや。私と北条のシングルで大きな会場が埋められるようにな。」
「はい。」
ガルム小鳥遊とロイヤル北条のシングルで大会場を埋めるか…1000人の会場を埋めきれない現在の我々では想像もつかないけど…実現させたいね。
若手戦線では予想通り市ヶ谷が大暴れ。
第5戦では旗揚げ戦で敗れた宿敵(?)祐希子を喉輪落としでKOし雪辱をすると、続く第6戦ではソニックを同じく喉輪でKO。その潜在的な破壊力を見せつけた。
「オーホッホホ。これが当然の結果ですわ。」
勢いに乗った市ヶ谷は第7戦でも喉輪で祐希子をKO。第5戦よりも勝負タイムを縮めるというオマケつき。試合に荒さはあるものの、4人衆の中では頭一つ実力が抜けていることは間違いがない。
テクニックの南、パワーの市ヶ谷、オールマイティな祐希子、スピードに溢れ華のあるソニック。この新人4人衆はこの先相当期待できるだろう。
「調子に乗るなよ、市ヶ谷!まだまだお前のパワーなんて通用しねえんだ。」
市ヶ谷を必殺のフィニッシュバスター(旋回式スクラップバスター)で沈めた朝比奈は力こぶしをつくる。
「くっ…」
完敗を喫した市ヶ谷は屈辱に唇を噛みしめる。
「へっ…ちったあ先輩らしいところみせてんじゃねえかよ。」
小鳥遊は満足そうに弟子をみている。
「まあ…この先はどうかわからないけどな。」
小鳥遊は朝比奈のことだけを言っているのではなさそうだった。
最終戦のメインでは、スナイパーシスターズの持つWWCA王座にガルム小鳥遊&ロイヤル北条のNEW WIND最強コンビが挑んだ。
旗揚げシリーズでは60分時間切れ引き分けに終わった二人は「今度こそ!」の意気込みで臨んだのだが…
「ただいまの試合は、20分10秒!20分10秒! ドラゴンスープレックスホールドにより、勝者リリィ・スナイパー!!」
前回のおよそ3分の1の時間で北条がフォール負けを喫してしまった。
「くっ…」
またもや拳を叩きつけて悔しがる北条に対し、パートナーの小鳥遊は「やられたな…」と冷静に一言。
今日のスナイパーシスターズは北条にターゲットを絞っていた。
「タカナシはストロングだけど、北条は脆い。狙い撃ちさ。」
「小鳥遊は少しだけやっかいだけどね~」
勝利したスナイパーシスターズは今日の勝利は当然だと胸を張っていた。
第15話へ
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