NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
「はあああああっ!!」
北条のフィニッシュホールド、ロイヤルDDTがダイナマイト・リンに決まった。
「ワンッ!……トゥ!!…………スリー!!」
北条の勝利を告げるゴングが鳴り響く。
「か…勝った。」
すべての力を出しつくした北条は天井を向いたまま右手で小さくガッツポーズを作った。
勝つには勝ったが、この試合も大苦戦。リンのパワーファイトに終始おされ、ペースを完全に握られていた北条だったが、カウンターで決まったパーフェクトキックから反撃の糸口をつかみ、そしてついに逆転勝利をおさめたのだった。
「北条~よくやったぞ~~」
「沙希さま~~~」
「北条~~~」
「もっとしっかりしろ~~~!」
様々な声が北条に飛ぶ。
「しっかりしろですか…手厳しいですね。」
北条は観客のストレートな声に苦笑せざるを得ない。
「私は私らしく完璧を目指すだけ。今はまだまだ全然ですけどね。」
北条の瞳に力が戻った。この試合をきっかけに上昇してほしいものだ。
「くっそおおおおおお!!」
天に向かって咆哮する朝比奈。
師小鳥遊とのタッグでWWCAタッグ王座に初挑戦した朝比奈だったが、奮闘むなしくコリィのムーンサルトプレスで3カウントを奪われてしまったのだった。
「お前はよくやった。フォローしきれなくてすまなかったな。」
小鳥遊はローンバトルを強いられボロボロになった朝比奈をガシッと抱きしめて優しい言葉をかけた。
「大将おおおおっ!!」
朝比奈は小鳥遊の腕の中で号泣した。
「朝比奈~~よくやったぞ~~」
「まだチャンスはある!次だ次~~っ!」
観客からも温かい声が飛ぶ。
「立てるか?」
「おう…ぐああああああああっ!」
立ち上がろうとした朝比奈だったが、右のヒザをおさえ悲鳴を上げた。
「どうした?朝比奈っ!」
朝比奈は結局重傷と診断され、8・9月シリーズの欠場が決定。
「好調だっただけに痛いですな。」
「ええ。ただ本当に痛いのは朝比奈でしょう。怪我もそうですが、やっと念願のプロレス復帰をしたばかりでまだこれからってところで…」
「社長!大変です!!」
霧子さんが血相を変えて飛び込んできた。
「どうしたんですかな?」
ダンディさんは冷静に尋ねた。
「はい…ソニック選手もダメージが大きく8・9月シリーズは無理です。」
「なっ!ソニックもか!」
私はことばを失った。
やはり先日のコリィとのシングルマッチの影響だろう。ジュニア王者の力を甘く見すぎたか。
「これは苦しいですな。」
「あの、もう一つあるのですが…」
霧子さんは申し訳なさそうな顔をしている。
「どうしたんです?」
「はい…市ヶ谷選手も負傷しました。ただ程度は軽いので試合出場も可能ですが…」
旗揚げから3か月…いきなり野戦病院状態になってしまったNEW WIND。
8月の興行は大ピンチとなってしまった。
第17話へ
PR
妄想的には美味しいですけど、能力値は下がるわ練習はできないわで厳しいですねぇ。
それにしても朝比奈って意外とひよわ(笑)なのかしら。うちのプレイでも2年で3回ケガしてましたし。