NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
トゥルルルル…トゥルルルル…
四国・中国地方巡業の準備のために出張していた私の携帯電話が鳴った。
「…霧子さんからか…何かあったのだろうか?」
私は通話ボタンを押すのを一瞬躊躇した。なぜ躊躇したかといえば、よい知らせとは思えなかったからだ。
「風間だ。」
「あっ!社長ですかっ!大変です!大変なんです!」
予想通りと悪い知らせのようだ。ここまで霧子さんが慌てているのだからよっぽどの事態だと思われる。
「どうした、霧子さん。何が大変なんだ?」
私は努めて冷静な声で答えた。
「落ち着いてる場合ですか、社長!」
霧子さんが動揺しているのがわかる。まだ用件を伝えていない事をすっかり忘れているくらいだから…
「どうしたんだい霧子さん。大変なのはわかったんだが、何がそんなに大変なんだ?」
「あっ…私としたことが…実は大変なんです、社長。」
おいおい、何が大変なんだ?
「南さんが…南さんが…」
南がどうしたというのだ?
「いないんです!」
「なにっ!どういうことだ!」
さすがにこれは予想外だった。
「はいっ、先日の巡業を終えた後からちょっと様子がおかしかったので気にしていたのですが…どうも昨日の深夜に寮から抜け出したようです。近所を探したのですが、行方不明です。」
「なんてことだ…」
「社長、お心当たりはありませんか?」
そう言われても…思い当たることはない。
「いや、ないな…」
四国・中国巡業目前に控えているというのに…まさか南が失踪するとは…
もちろん南の出身地である高知も今回の巡業先に含まれているのだが…
地元凱旋で広告を打っているだけに、正直なところ興業的にも困るのだけど、それはなんとかできる。
それよりも心配なのは南だ。
「わかりました。父に頼んで探してもらいます。」
北条は父親の持つ人脈を利用した北条ネットワークを駆使し南の捜索に当たる。
「やれやれ世話が焼けますわね。」
市ヶ谷は少々呆れていたが、南とは仲がいいだけに心配なのだろう。市ヶ谷財閥の総力をあげて南の行方を捜索してくれた。
「我々だけでは限界がありますが…あの北条家と市ヶ谷財閥の協力を得られれば…きっと見つかるはずですぞ。」
「そう願いますよ。ねえ……ダンディさん…何があったんでしょうね。」
「ふむ…私が思うに逃げたわけではないと思いますぞ。それに……南のことですから、秘密特訓でもしているのかもしれませんぞ。」
そうであって欲しいと私も思う。
そして数日が過ぎた…
「北条ネットワークを駆使しても何の手がかりも得ることができないなんて…完璧なはずなのに…」
「どういうことですの!市ヶ谷財閥の総力をあげているというのに人一人発見できないなんて…」
北条は力不足を嘆き、市ヶ谷は力不足に怒りをあらわにした。
「気にするな。日本は広い。たった一人の人間を探すなんて不可能なんだからな。」
私は二人を慰めることしかできなかった。
「なあ、南…どうしたんだ…無事なのか?どこへ行ったんだ…みなみっ!!…無事でいてくれ。」
私は南の無事を祈ることしかできないでいた。
第20話へ
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失踪すると、何時帰ってくるか分からないみたいですからね~
何でも、一年近く行方不明のままなんてこともあるらしいですよ
兎に角、南さん早く戻ってきて~
ちなみに、うちでは失踪とか怪我で入院とかサバ1から通して発生した事無いですねぇ