NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
「お返しよっ!」
今度は南が完璧なフォームのドロップキック!!
「そんなもの効くかっ!」
北条はそれを鍛え上げた胸筋で弾き飛ばす。
「はああああっ!」
南の髪を掴んで引き起こすと、そのまま南の首を抱え込んで頭突きを打ちおろした。
「ぐうううう…でもっ!」
「なにっ…」
技の離れ際を狙ってタックルで北条をダウンさせ、起きあがったところを下段蹴りで蹴り飛ばす。
「ぐはっ…」
体勢が十分でなかったために膝をついてしまう北条。南はすかさすスリーパーでスタミナを奪いにかかる。
「いい加減にっ!」
北条は首投げの要領で南を振りほどき、南の起き上がりに合わせてキック!
「甘いわねっ!」
その蹴り足をキャッチした南はすかさず捻りにいく。
「甘いのはそっちだっ!」
北条は空いている足で南をキックしてドラゴンスクリューを回避。
「さすが…やってくれるわね。」
「ふん。この程度…」
両者ジリジリと間合いを詰めながらにらみ合う。
「このっ!」
北条は張り手を打ち込み、南が一瞬ひるんだすきをついて、高貴なる輝き”ロイヤルカット”を繰り出した。
この技はいわゆるダイヤモンドカッターなのだが、北条の場合そのフォームが宝石のように美しいことからいつしかロイヤルカットと呼ばれるようになった。
「ま、まだまだあっ!」
「そう来ると思ったよ!」
南が起き上がるのを予期していた北条は、素早く組みついて南をロープに振ると、戻ってくる南を完璧なタイミングとフォームのパワースラム“パーフェクトスラム”でマットに叩きつけた。
「がふっ…」
そのまま片エビ固めでフォールする北条。固め方も完璧だ。
「OK、フォール!」
トニー館レフェリーがカウントをとるが、南はカウント2でそれを跳ね返す。
「うおおおおおおおっ!」
南はふらつく足で立ち上がると北条の肩をつかみリング中央まで押し戻す。
「ほうリング中央へポジションをチェンジさせましたか。」
「リング中央ですか。ネオ・サザンクロスロックを狙うつもりですかね?」
「…それかサザンクロス・アームロックというところでしょうな。」
観客もそれを期待しているようで、一気に緊迫感が高まった。
いくら北条とはいえ、リング中央で南の関節技を食らってしまってはただではすまない。
いや、それどころか…南の大金星ということも十分ありえるだろう。
「!」
ここで南が動いた。当然北条は関節技を警戒する。
「はあああああああああっ!」
しかし南が繰り出したのは“強烈な中段蹴り”だった。
「がはっ…」
まともにもらってしまった北条の体がくの字に折れ曲がる。
「ハッ!」
南は北条の首を引っ掴むとフライングメイヤーで北条に尻もちをつかせるように投げた。
「ハアッ!」
さらに南はそのガラ空きの後頭部に強烈なドロップキック!!
「ぐうっ…」
北条はたまらずダウン。
「決めるぞ!」
南がアピールをするが、その感に北条はむっくりと起きあがった。
「この程度でやられるかっ!」
北条は起きあがると南のボディに突きを入れる。
「がっ…」
今度は南の体がくの字に折れ曲がった。
「はああっ!」
北条はパイルドライバーで南をマットに突き刺す。
「フォール!」
「OK、フォール!」
南はダメージが大きいのか動かない。
バン!…バンッ!…
「おおおおおっ!」
カウント3直前に南は右足を伸ばしサードロープにひっかけた。
「まだまだよ。この程度で…」
「しぶとい奴だ…このっ!」
北条は無造作にキックを繰り出したが、その蹴り足はまたもや南にキャッチされた。
「…!」
南はニッと笑みを浮かべ回転に入るが、またまた北条はキックで切り返す。なんとか南は倒れずに踏ん張ったが、北条は素早くドロップキックを叩き込む。
「OK、フォール!」
バン!「ワン!」
バンッ!「トゥ!!」
「まさか…」
トニー館の右手が振り下ろされる。
第61話へ
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