NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版のNEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
「フッツッフ…」
無気味な音楽が流れ、花道に巨体のマスクウーマンが現れた。
「あれは…ダークスターカオス!」
「カオスだ…」
「うお~~~!!WWCAチャンピオンだ。」
カオスは花道からゆっくりとリングへと向かっていく。その傍らにはパートナーでありWWCAナンバー2のジュディ・コーディがいる。
ロープ際までやっていたカオスはそこでマイクを要求する。
「フッフッフ。凶器を使えねば勝てぬチャンピオンと、それに勝てぬ者が茶番を繰り広げるか。」
カオスはメガライトと小鳥遊を静かな口調で嘲る。
「なにいっ!」
カッとなったメガライトが殴りかかろうとするが、TWWAのセコンド陣が総出でそれを阻止する。
「フッフッフ…図星だろうに。正直…今日は失望したよ。日本で一番勢いのある団体だと聞いていたのだが、今日の試合を見る限りは大したことがないようだからな。」
カオスは流暢な日本語でマイクアピールを続けた。
「だが、契約は契約だ。次のシリーズから私とコーディがこの3流マットに上がってやろうというのだ。ありがたく思え。フッフッフ」
「てめえ、このやろう!」
小鳥遊が突っかかるが、それをコーディが阻止、軽々とアルゼンチンバックブリーカーで小鳥遊の巨体を持ち上げた。
「ぐわあああああっ…」
「大将!」
朝比奈が助けに向かうが、コーディは小鳥遊を担いだまま前蹴りで朝比奈を蹴り飛ばす。
「ぐっ…」
「このやろう!」
「タカナシ!」
NEW WIND、TWWA、WWCAの選手が入り乱れ乱闘を繰り広げる。
せっかくの2周年記念興行のエンディングがこんなことになるとは…
カン!カン!カン!カン!
仲間リングアナがゴングを打ちならすが、それでも乱闘は止まらない。
「静まれっ!」
乱戦の中マイクを握った小鳥遊が叫び、乱闘がピタッとおさまった。
「おい、カオスさんよ…」
小鳥遊はゆっくりと語り始める。
「はじめまして。私がガルム小鳥遊だ。」
丁寧すぎる小鳥遊のマイクに場内から笑い声が起きる。
「ようやくお出ましかい。待っていたぜ。オイ、カオス!私は逃げも隠れもしねえよ。言いたいことがあるんだったら、リング上で…プロレスで語ろうぜ。」
場内から大きな拍手が沸き起こる。
「いいだろう。フッフッフ…」
カオスはコーディとともに引き上げていった。
「タカナシ!」
唐突にメガライトがマイクを握る。
「なんだよ。“目がライト”。」
「…“メガライト”だ。今体感したようにカオスとコーディは強い。コウイッテハなんだが、今のNEW WINDには奴らと互角に戦える奴はいないだろう。」
「なんだとコラアアッツ!」
朝比奈が突っかかろうとするがそれを小鳥遊は手で制する。
「確かにな。この先はわからないが、“今”となるとな。」
「ソウダロウ?タカナシ、私とクマナイカ?」
場内はどよどよとどよめく。それはそうだろう。ついさっきまで倒すべき相手であったメガライトからのまさかの共闘の申し入れなのだから。
「ふざけんな!大将のパートナーはオレって決まっているんだよ!なあ、大将?」
朝比奈が口をはさむが、小鳥遊は苦笑する。
「ばあか。誰がお前だけをパートナーと決めたよ?この申し出私は受けるぜ。」
「ゲエエッ、マジかよ。こんな反則野郎と組むのかよ!」
「ヨロシクな、タカナシ!」
「ああ。頼むぜ。」
NEW WINDとTWWA両団体のエースが共闘と打倒WWCAを宣言。
今後はNEW WIND&TWWA連合軍VSWWCAという構図になりそうだ。
「まさかの展開でしたな。」
「ですね。来日するとは聞いていましたが…」
NEW WINDのエースであるガルム小鳥遊が勝てなかったTWWA王者ジェナ・メガライトよりも強いといわれ、世界的に見てもIWWFのクリス・モーガンと双璧をなすといわれているダークスターカオスの来襲。
戦力的には厳しいかもしれないが、なんとか意地を見せてもらいたい。
第69話へ
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