NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇4年目2月
「うっきゅう…悔しいのさね。」
「すいません、ソニ先輩…フォローできなくて…」
ソニックは、桜崎の“萌え拳”(萌える裏拳)でフォール負けを喫してしまった。
「仕方ないのさね。負けは負けだお。それにぶーちゃんは頑張ってくれたから。」
「はい………マイティ!桜崎!もう一度だ!」
越後がマイクを掴んだ。
「まあ私は構わないけどね。」
「私も逃げも隠れもいたしませんわ。」
こうしてこの両チームによる再戦が決定したのだが…
「勝者、メイデン桜崎!!」
桜崎の必殺技の一つメイデンストレッチでソニックがまさかのギブアップ負け。
「何が正義よ。もっと萌える…じゃない燃える試合にしてほしいな。」
祐希子は余裕の表情を崩さない。
「くそっ…もう一回!もう一回だ!」
「どうしますか、祐希子お嬢様?」
桜崎が問う。
「まあやってあげてもいいけどね。ただし条件はつけちゃおうかなあ。」
「…条件だと?」
越後の顔色が変わる。
「にひひっ…私たちが勝ったら、私を音速ヒロインに出してもらおっかな。」
この一言に場内がどっとわいた。
「!」
「あれ~意外って顔したね?こう見えても結構特撮には興味あるんだよね。ピンク役がいいなあ。」
「…オイ。それは戦隊ものだろう。音速ヒロインにはピンクも何もないぞ。」
越後がまじめに答える。なんだかんだといっても越後もレギュラーキャストだ。番組への思い入れもあるのだろう。
「えっ…そうなの?」
「…お前見てないだろ。」
「あはははは…なんのことだか…」
祐希子はわざとらしい笑い声を上げる。
「…やっぱりな。それにファンのみんなに聞けばわかると思うが少なくてもピンクのイメージではない。」
越後はばっさりと切り捨てた。
「ど、どういうことよ?」
「ふん。聞けばわかるさ。ファンの皆さん、マイティ祐希子が戦隊ヒーローものに出演した場合何色が似合うと思いますか?…せ~の!!」
「きいろ~~!!!」
「イエロー!!」
やっぱりな。祐希子といえばカレー。カレーといえば黄色なんだよ。
「ええ~っ…」
祐希子は驚きを隠せない。
「ところでソニ先輩…この条件どうします?」
「問題ないのさね!やってやるお!」
こうして祐希子の音速ヒロインを賭けた再々戦が行われることになった。
「15分24秒、メイデンストレッチQ(きゅーと)で勝者メイデン桜崎!」
今度は越後がギブアップ負けを喫してしまった。
「これで音速ヒロイン出演決定ね。」
「うっきゅう…仕方ないのさね。約束は約束だお!プロデューサーに掛け合ってみるのさね。」
「へへ…やったね!」
こうして祐希子の音速ヒロイン出演が決定(?)したのだった。
「これから交渉ですな。」
「まあ問題ないでしょうけど。」
「ほう。やけに自信ありげですな。」
「ええ。配役に関するアイディアがあるんですよ。」
「なるほど。」
なお最終戦でソニックと祐希子はシングルで激突したが、祐希子が“祝!音速ヒロイン出演(ダイビングボディプレス)”で勝利し、音速ヒロイン出演へと弾みをつけた。
そして…祐希子の音速ヒロイン出演が決定。ついに収録の日がやってきた。
「楽しみ~~!」
張り切って寮を出て行った祐希子を待ち受けていたのは…
「えええええ~~~~~っっ!!!」
祐希子の役は“カレー魔人”という悪役だった。
カレー魔人はカレー色のコスチューム身を包み頭の上にカレーを乗せている…まあようは“カレ○ック”だな。
口からカレーソース(※激辛)を吹きかけて物を破壊するという荒技でソニック&越後を苦しめたが、最後は正義の友情パワーボムでKOされた。
「ちょっと、なんでこんな役なのよ。」
祐希子がボヤく。
「オホホ。お似合いでしたわよ。」
「なんであんたがいるのよ。」
「市ヶ谷財閥はこの番組のメインスポンサーだ。」
私は教えてあげた。
「ええっ!」
「オーホッホッホ。格が違うのですわ。それにしてもお似合いですわよ、その格好。」
「ぐっ…」
「まあ番組に出せとは言っていたが、役までは言ってなかったからな。場合によってはカレー魔人でリングに上がってもいいぞ?」
「…嫌。」
こうして祐希子の音速ヒロイン初出演は無事に終わった。なお、余談だが視聴率はよかったらしい。
そのうち本当に”カレー魔人ユキコ”でリングに登場するはめになるかもなあ。
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カレー魔人として登場する時は、入場曲を『日本印度化計画』にしましょう(爆)