ＮＥＷ ＷＩＮＤ社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり～飛翔編～」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー２のリプレイとなります。
旧作版ＮＥＷ ＷＩＮＤとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
◇４年目１月
「か…かっちゃった…」
零が戸惑いの表情を浮かべる。
「よくやった零！」
パートナーの朝比奈が駆け寄ってぐいっと抱き寄せた。
「いやーすげえな。桜崎からフォールとるなんてよ。」
「う、うん。あ…ありがと…」
顔を赤らめる零。
「やりますわね、零お嬢様。でもこれはタッグでの負け。負けには入りませんわ。」
後輩相手にフォール負け（※ローキック）を喫した桜崎はさすがに悔しそうだ。それにそのセリフは前に祐希子が桜崎相手に使ったセリフに似ているけど…
「次の群馬。シングルで勝負です。」
「う、うん。負けないよ。」
二人はガッチリ握手し、それぞれリングを後にした。
次の群馬大会でのシングルは桜崎が先輩の貫録を見せ必殺のメイデンストレッチＱ（きゅーと）でギブアップを奪った。
「ふふふ…女子プロレスＭＶＰも大したことないわね。」
災厄降臨で南から３カウントを奪った十六夜がマイクで挑発する。
「今日の負けは勝負のアヤにすぎないわ。５日後の埼玉大会でお返しするわ。」
「ふふ…災厄の力甘くみないことね。」
十六夜はパートナーの小鳥遊＆朝比奈とともに悠々と引き揚げていった。
その背中が見えなくなるまで見送った南は、北条＆市ヶ谷ともに退場していった。
※なおこの３人が組む時は“クール＆ビューティ＆エレガント”と呼ばれている。
そして５日後の埼玉大会…
「２３分０３秒、カラミティボムにより勝者十六夜美響！」
またしても南を沈めた十六夜はパートナーの小鳥遊とハイタッチを交わした。
「おいどうしたＭＶＰ？この程度か？」
「災厄の力を甘くみないことねといったはずなのにねえ。」
小鳥遊と十六夜は南を挑発する。
「すまない。フォローできなかった。」
北条は、小鳥遊に場外に釘づけにされ南を見殺しにしてしまった。
「気にしないで。フォールをとられたのは私のせいだから。」
「オーホッホッホ。勝ち誇るのは少々早いんじゃございませんこと？」
真打ち登場！とばかりに市ヶ谷が入ってくる。
「南さんのパートナーは本来私ですわ。完璧姉妹を倒した程度では勝ち誇れませんわよ。」
「やれやれ…うるさいのが来たか。まあいいや。なんなら市ヶ谷＆南でかかってこいよ。挑戦うけてやるぜ。」
こうして災厄地獄ＶＳクール＆ビューティの対戦が決定。
☆第６戦神奈川大会 メインＷＩＮＤ
「麗華！」
「わかっていますわ！」
南の指示で市ヶ谷が十六夜を場外へと叩き落とす。
「任せましたわよ。」
市ヶ谷は場外に降り、十六夜をリフトアップすると、客席へと投げ込んだ。
「１対１で勝てると思っているのかよ！」
小鳥遊が体当たりで南に襲いかかる。
「…思っているわ。」
南は飛び込んでくる小鳥遊を一歩も引かずに受け止めると腕を絡ませて持ち上げた。
「ぐはっ…」
一瞬の後にマットに脳天から突き刺さる。
「カバー！」
「ＯＫ！ワンッ！」
南の必殺技ＳＣＳ（サザンクロス・スペシャル）が完璧な形で決まった。
「これはもしかするかもしれませんな。」
「返せ！大将！」
セコンド朝比奈の声援むなしく小鳥遊は３カウントを聞いた。
「２３分４４秒、２３分４４秒…サザンクロス・スペシャルからの体固めで勝者南利美！」
「やりましたわね。」
「ええ。」
南と市ヶ谷がハイタッチを交わす。
「くそっ…」
小鳥遊は首をおさえながら立ちあがる。
「小鳥遊！あと少しの女王の座、堪能しておきなさい。私たちがその座を奪うまでね。」
「…ふん。今日のところは言わせといてやるよ。次は地獄へ送ってやるぜ。」
もはや上位の実力差はほとんどないといえるだろう。試合の流れ次第では誰が勝ってもおかしくない群雄割拠の時代になりつつある。
最終戦では祐希子が市ヶ谷にシングルで勝利し、１期生が南＆市ヶ谷だけではないと強烈にアピールしてみせた。
「私だって燃えているんだからね！」
「オレだって負けられねえ！」
朝比奈も小鳥遊とのコンビでメインに出陣。北条＆南の完璧姉妹相手にハッスルし、存在感をみせたが、最終的には南のＳＣＳでフォール負けを喫してしまった。
「…ぐうううう…」
小鳥遊との誤爆で足を痛めたのが原因だったが、朝比奈は無理に試合を続行。これが裏目に出て朝比奈は“タンカで退場→病院送り→即入院”のフルコースを味わうことになってしまった。はやくよくなってくれればいいのだが…
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と言いつつ、零ちゃんの勝利を我が事のように喜ぶ姿に萌えてたり（笑）。