NEW WIND社長 風間新 手記「新たなる夢のはじまり~飛翔編~」より
※こちらはレッスルエンジェルスサバイバー2のリプレイとなります。
旧作版NEW WINDとはお話上のつながりはありませんが、登場人物などは一部同じものを使用しています。
「さがってください!」
セコンドの声で当該方向の観客が大慌てで席から離れる。
ドガシャッ!
「うわっ!あぶねえよっ!」
逃げ遅れた“AIBA LOVE”Tシャツを着た青年が抗議の声を上げた。
その目の前では、小鳥遊の巨体が鉄柵に突っ込み、頑丈な鉄柵がひん曲がってしまっている。さすがに小鳥遊の重量には耐えきれなかったか。
「てめえ…」
小鳥遊は南を睨みつけるが、今のダメージで体が動かない。
「はああっ!」
南はさらに小鳥遊を鉄柱に叩きつけ、自分はさっさとリングへと戻った。
「ラフファイトまで身につけましたか。」
「なかなかサマになっていますなあ。」
小鳥遊はカウント18でリングへと戻った。
「はっ!」
南は正面から小鳥遊をキャッチすると、その重量のある体をフロントスープレックスで軽々と…いや華麗に投げ飛ばした。
「おおっ!」
「やろっ!」
しかし小鳥遊も軽やかに前転して起き上がり、南の体を掴み、強烈なゴリラスラムでお返し!
「いくぜっ!」
エルボーを落とそうと構える小鳥遊。
「ぐああああっ!」
しかし、技に入る前に悲鳴を上げることになってしまった。
「油断しすぎじゃない?」
投げ飛ばされた南は受身をとると素早く小鳥遊の足を取り、アンクルホールドに極めてみせたのだった。
「ギブアップ?」
「ノーだ!」
トニー館レフェリーの問いかけをきっぱりと拒絶し、ロープへと逃げてみせた。
「らああっ!」
小鳥遊は立ち上がると痛めつけられた右足で立ったままの相手にギロチンドロップを浴びせた。
「ぐうっ…」
さすがに動きが止まる南。
「しゃああっ!」
ダウンをさせようと小鳥遊は前蹴りを繰り出したがこれを南はキャッチし、ドラゴンスクリューで小鳥遊を一回転させた。
「ぐああああああっ…」
さらに南は小鳥遊をアルゼンチンバックブリーカーで担ぎあげてみせる。
「ぐあああああああああああっ!」
ちなみにこのアルゼンチンは通常のアルゼンチンとは違う。南の繰り出すこの技は“腕関節を極めながら背骨折りを極める”南のオリジナルホールド…サザンクロスバックブリーカーである。
「…いや違いますぞ。」
「えっ?」
「今日の南は足関節を極めています。」
さすがは関節のヴィーナスと呼ばれるだけはあるな。ただ力任せに絞り上げるアルゼンチンバックブリーカーとは一味もふた味も違う。
「ブレイク!」
なんとかロープを掴みエスケープには成功したものの、小鳥遊の消耗は明らかだ。
「たっかなし!たっかなし!」
劣勢の女王に対し小鳥遊コールが巻き起こった。
「…うらあああああああっ!」
しかし小鳥遊もさすがだ。その声援にこたえるように、ダメージの残る足でもう一度スタンディング状態の相手をなぎ倒すギロチンアタック!
「ぐっ!」
さすがの南もこの攻撃には耐えきれずたまらずダウンした。しかしカバーにいくべき小鳥遊もダメージで起き上がれない。
「たっかなし!たっかなし!」
「起きろ大将!カバーに行くんだ!」
セコンドの朝比奈が声を飛ばす。
「くっ…おおおおっ!」
しかし…小鳥遊がようやく体を動かした時、すでに南は立ちあがっていた。
「たかなしいいいいっ!」
南は小鳥遊を担ぎあげると、今度は腕を極める正調サザンクロスバックブリーカーで小鳥遊を追い詰めた。しかし小鳥遊も素早く対処し素早く腕を外すと体をひねりロープへと逃げた。
「これなら!」
しかし南もそう簡単には逃がさない。無理やりロープから引きはがすと南式の変形チキンウイングフェイスロック…サザンクロス・アームロックに決めた。
「ぬうおおおおおっ!」
小鳥遊は体重差を利してロープへと南を引っ張っていく。
「なっ…」
「どっせえええっ!」
またもロープへと逃げることに成功。
「これを耐えられるかしら。」
南、今度は腕を完璧にロックしながら落とすタイガードライバー…サザンクロスドライバーでフォールを奪いにいく。
「OKフォール!ワン!…トゥ!」
小鳥遊は冷静に足を伸ばしサードロープへと足を引っかけた。
「なっ…」
南は顔色を変えた。
「焦りすぎですな。ロープの位置を把握していませんぞ。」
「悪いな。」
小鳥遊は起き上がりざまにナックルパートを南の腹部に叩きこんで動きをとめると、さらに顔面にもナックルを打ち込んで南をダウンさせた。
「よっしゃ!いくぜええええっ!」
小鳥遊はアピールしてからコーナーを駆け上がる。
「次の地獄でまってんぜ!」
小鳥遊は、今度はトップロープから飢餓地獄…ダイビングフットスタンプで飛んだ。
「くああああああっ!」
セカンドロープからのフットスタンプは耐えた南だったが、この日2発目のフットスタンプ…それもトップロープからのフットスタンプは相当効いたようだ。
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