NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
◇7年目4月◇
春の嵐ツアー第1戦
第1試合は伊達遥VSフェニックス遥。
いつもより1月早いデビューであり、対戦相手はあえて伊達に努めさせる。
ハイブリットのデビューのときもそうだったが、どうせ比較されるのであれば早い方がいい。
伊達遥に対し、敵対心を持つ片倉・・・いやフェニックス遥。
客席からは、”似てるなあ”という声がやはり聞こえる。
ゴングが鳴る。
伊達とフェニは対峙したまま動かない。
多分伊達の構えに隙がないからフェニは動きがとれないのだろう。
伊達の方は格下相手にムキになって攻める必要はないのだから、動かないもの当然だ。
「なにやってんだ!攻めろ~~!!」
「動け!!」
客席から怒声が飛ぶ。
「!?」
先に動いたのはフェニ。
組み付きを選択。
これに伊達が応じ、力比べに入る。
同じ体格に見えても、鍛え方が違う。
「くっそ!」
フェニがどんなに頑張っても伊達は涼しい顔のまま。
そして涼しい顔のまま余裕でフェニを押しこんでいく。
「その程度?」
伊達が冷たく笑う。
「くっそおお!!」
必死になって返そうとするフェニだったが、ついにブリッジの体勢まで押し込まれてしまった。
「!」
伊達はそのままブリッジしているフェニの上にポンと乗ると、両手を離してジャンプする。
「ぐえっ!」
伊達の変形フットスタンプがフェニの腹部を捕らえる。
「カバー!」
伊達はそのままカバー。
「ちっくしょ~~!!」
フェニはそれをブリッジで跳ね除ける。
ようやく立ち上がったフェニに、伊達は容赦のないドロップキック。
1発目は胸板を打ち抜き、倒れないとみるや2発目を顔面に打ち込む。
これでダウンしたフェニを伊達は冷たく見下ろす。
カバーにはいかず、立ち上がるのを待つ。
「くっそ・・・伊達え!!」
なんとか立ち上がったフェニはエルボーで反撃しようとするが、それが伊達に届く事はなかった。
突っ込んでくるフェニに対し、伊達はカウンターのハイキックを一閃。
フェニはそのまま前のめりに崩れ落ちる。
「レフェリー、ダウンカウント。」
伊達はフォールには行かず、ダウンカウントを促す。
正直カウントを取るまでもない。
フェニは気を失っているのだから。
「3分1秒・・・ハイキックからのKO勝利で勝者伊達遥。」
なにもさせず、伊達の勝利。
これは計算されているのだろう。
偽ぽいフェニにファンの同情を集めさせること、フェニにこれだけ差があることを分からせるために・・・
「悔しいです。絶対、やり返します。」
意識を取り戻したフェニは涙を流して悔しがる。
頑張れフェニ。
悔しさの分だけ強くなれるよ。
「伊達、ずいぶんと厳しい愛情表現だな。」
「ええ。・・・でもこうしないと彼女が負けるから。」
「しかし・・・今まで見たなかで一番容赦のないデビュー戦だったな。」
「ごめん・・・なさい。」
「謝る事はないさ。これをバネにフェニも強くなるだろう。」
今月はEWAシングルとAACタッグのタイトル戦を組んだ。
EWAシングルは王者結城が武藤を下し3回目の防衛に成功。
そしてAACタッグは絶対王者になりつつある”ホワイトスノー”カンナ&みこと組に、先輩タッグ伊達&南が挑む。
肉体的な衰えを感じ始めた南にとって厳しい相手。
だからこそ一番信頼するパートナーといえる伊達と組んでの挑戦を志願。
「これが最後の挑戦かもしれないから・・・遥と組んではね。」
と言って笑っていた南。
だがホワイトスノーはその南に照準を絞ってくる。
「南さんには悪いですが、負けるわけにはいかないので。」
とみことが言っていたな。
カンナ・みことの波状攻撃を受け、グロッキーになる南。
要所要所で繰り出す関節で反撃はするのだが・・・
なんとか代わった伊達にカンナ・みことは連繋技で攻め込む。
南はカットに入る事もできず、伊達は一気に体力を消耗してしまう。
「遥!」
南がタッチを要求する。
伊達はちょっと迷ったが、タッチする。
みことは南にエルボーをいれ、動きを止めると”竜巻”を狙う。
もはやここまで!
と誰もが思ったものだが、南の目はまだ死んでいない。
南は巧く体勢を入れ替えると、みことの右足を取る。
サザンブレーカー!!
南が最初に使っていたフィニッシュホールドが、ガッチリとみことの右足を捕らえた。
「遥!!」
南が叫ぶ。
「任せて!!」
伊達も叫び返し、コーナーからリングに飛び出そうとするカンナへ突進。
「させない!!」
伊達のフェニックスニーがカンナのボディを捕らえ、場外へと叩きだす。
伊達はそのまま場外へと降りると、悶絶するカンナをハーフボストンクラブで捕獲。
「南さん!!決めて!!」
伊達が場外から叫ぶ。
「南~~!!」
「南さん!!」
「決めて!!」
客席から、エプロンサイドのセコンドから声援が飛ぶ。
ああ南って愛されてるんだな。
そして・・・レフェリーがゴングを要請した。
「29分4秒、29分4秒、サザンブレーカーにより勝者、南利美!!」
この瞬間浮かんだ南の笑顔。
伊達の笑顔・・・そしてセコンドの笑顔・・・客席の笑顔。
私は忘れる事はないだろう。
とても素敵な空間だった。
「私と遥は・・・雨と太陽のようなつりあわないタッグですが、でも・・・最高のタッグパートナーです!! ありがとう!!」
南はそうマイクでアピールすると、伊達をぎゅっと抱きしめる。
その光景に再び拍手が贈られる。
最近の精彩を欠いていた南をずっと応援していたのだろうか、泣いている女性客もいる。
南と伊達のお互いを尊敬しあう愛、観客からの南への愛、そして南を慕う同輩・後輩たちの愛。
すべてが南を後押しした結果、圧倒的な強さをみせつつあったホワイトスノーを撃破できたのだろうな。
7年目4月 南利美はまだまだ現役トップレスラーであると自ら証明してみせた。
↓励みになります。メッセージ、ご感想などお待ちしてます。
※愛の力=徳永英明 1999年発売アルバム「honesto」に収録されています。 今回のイメージソングです。
春の嵐ツアー第1戦
第1試合は伊達遥VSフェニックス遥。
いつもより1月早いデビューであり、対戦相手はあえて伊達に努めさせる。
ハイブリットのデビューのときもそうだったが、どうせ比較されるのであれば早い方がいい。
伊達遥に対し、敵対心を持つ片倉・・・いやフェニックス遥。
客席からは、”似てるなあ”という声がやはり聞こえる。
ゴングが鳴る。
伊達とフェニは対峙したまま動かない。
多分伊達の構えに隙がないからフェニは動きがとれないのだろう。
伊達の方は格下相手にムキになって攻める必要はないのだから、動かないもの当然だ。
「なにやってんだ!攻めろ~~!!」
「動け!!」
客席から怒声が飛ぶ。
「!?」
先に動いたのはフェニ。
組み付きを選択。
これに伊達が応じ、力比べに入る。
同じ体格に見えても、鍛え方が違う。
「くっそ!」
フェニがどんなに頑張っても伊達は涼しい顔のまま。
そして涼しい顔のまま余裕でフェニを押しこんでいく。
「その程度?」
伊達が冷たく笑う。
「くっそおお!!」
必死になって返そうとするフェニだったが、ついにブリッジの体勢まで押し込まれてしまった。
「!」
伊達はそのままブリッジしているフェニの上にポンと乗ると、両手を離してジャンプする。
「ぐえっ!」
伊達の変形フットスタンプがフェニの腹部を捕らえる。
「カバー!」
伊達はそのままカバー。
「ちっくしょ~~!!」
フェニはそれをブリッジで跳ね除ける。
ようやく立ち上がったフェニに、伊達は容赦のないドロップキック。
1発目は胸板を打ち抜き、倒れないとみるや2発目を顔面に打ち込む。
これでダウンしたフェニを伊達は冷たく見下ろす。
カバーにはいかず、立ち上がるのを待つ。
「くっそ・・・伊達え!!」
なんとか立ち上がったフェニはエルボーで反撃しようとするが、それが伊達に届く事はなかった。
突っ込んでくるフェニに対し、伊達はカウンターのハイキックを一閃。
フェニはそのまま前のめりに崩れ落ちる。
「レフェリー、ダウンカウント。」
伊達はフォールには行かず、ダウンカウントを促す。
正直カウントを取るまでもない。
フェニは気を失っているのだから。
「3分1秒・・・ハイキックからのKO勝利で勝者伊達遥。」
なにもさせず、伊達の勝利。
これは計算されているのだろう。
偽ぽいフェニにファンの同情を集めさせること、フェニにこれだけ差があることを分からせるために・・・
「悔しいです。絶対、やり返します。」
意識を取り戻したフェニは涙を流して悔しがる。
頑張れフェニ。
悔しさの分だけ強くなれるよ。
「伊達、ずいぶんと厳しい愛情表現だな。」
「ええ。・・・でもこうしないと彼女が負けるから。」
「しかし・・・今まで見たなかで一番容赦のないデビュー戦だったな。」
「ごめん・・・なさい。」
「謝る事はないさ。これをバネにフェニも強くなるだろう。」
今月はEWAシングルとAACタッグのタイトル戦を組んだ。
EWAシングルは王者結城が武藤を下し3回目の防衛に成功。
そしてAACタッグは絶対王者になりつつある”ホワイトスノー”カンナ&みこと組に、先輩タッグ伊達&南が挑む。
肉体的な衰えを感じ始めた南にとって厳しい相手。
だからこそ一番信頼するパートナーといえる伊達と組んでの挑戦を志願。
「これが最後の挑戦かもしれないから・・・遥と組んではね。」
と言って笑っていた南。
だがホワイトスノーはその南に照準を絞ってくる。
「南さんには悪いですが、負けるわけにはいかないので。」
とみことが言っていたな。
カンナ・みことの波状攻撃を受け、グロッキーになる南。
要所要所で繰り出す関節で反撃はするのだが・・・
なんとか代わった伊達にカンナ・みことは連繋技で攻め込む。
南はカットに入る事もできず、伊達は一気に体力を消耗してしまう。
「遥!」
南がタッチを要求する。
伊達はちょっと迷ったが、タッチする。
みことは南にエルボーをいれ、動きを止めると”竜巻”を狙う。
もはやここまで!
と誰もが思ったものだが、南の目はまだ死んでいない。
南は巧く体勢を入れ替えると、みことの右足を取る。
サザンブレーカー!!
南が最初に使っていたフィニッシュホールドが、ガッチリとみことの右足を捕らえた。
「遥!!」
南が叫ぶ。
「任せて!!」
伊達も叫び返し、コーナーからリングに飛び出そうとするカンナへ突進。
「させない!!」
伊達のフェニックスニーがカンナのボディを捕らえ、場外へと叩きだす。
伊達はそのまま場外へと降りると、悶絶するカンナをハーフボストンクラブで捕獲。
「南さん!!決めて!!」
伊達が場外から叫ぶ。
「南~~!!」
「南さん!!」
「決めて!!」
客席から、エプロンサイドのセコンドから声援が飛ぶ。
ああ南って愛されてるんだな。
そして・・・レフェリーがゴングを要請した。
「29分4秒、29分4秒、サザンブレーカーにより勝者、南利美!!」
この瞬間浮かんだ南の笑顔。
伊達の笑顔・・・そしてセコンドの笑顔・・・客席の笑顔。
私は忘れる事はないだろう。
とても素敵な空間だった。
「私と遥は・・・雨と太陽のようなつりあわないタッグですが、でも・・・最高のタッグパートナーです!! ありがとう!!」
南はそうマイクでアピールすると、伊達をぎゅっと抱きしめる。
その光景に再び拍手が贈られる。
最近の精彩を欠いていた南をずっと応援していたのだろうか、泣いている女性客もいる。
南と伊達のお互いを尊敬しあう愛、観客からの南への愛、そして南を慕う同輩・後輩たちの愛。
すべてが南を後押しした結果、圧倒的な強さをみせつつあったホワイトスノーを撃破できたのだろうな。
7年目4月 南利美はまだまだ現役トップレスラーであると自ら証明してみせた。
↓励みになります。メッセージ、ご感想などお待ちしてます。
※愛の力=徳永英明 1999年発売アルバム「honesto」に収録されています。 今回のイメージソングです。
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うちも頑張って追いつきますw