NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
※この手記は基本的にリプレイですが、風間 新 社長視点で書かれており、創作要素を多分に含んでいます。
ここでの各登場人物の設定は公式なものでなく、管理人N独自のものです。
それをご了承の上、つづきへとお進みくださいませ。
10年目に突入したNEW WIND。
記念すべき10期生、白石なぎさは例年より早く4月にデビューする事に決定。
デビュー戦の相手はハッピー枠入団の富沢レイ。
富沢の評価は女子プロレス界では決して高くはないが、明るく楽しいプロレスを心がける幕張プロレス出身のベテラン選手だ。
多分なぎさとは手が合うのではないかな。
そしてなぎさのデビュー戦、そして富沢のNEW WINDデビュー戦でもある試合が始まる。
なぎさに向けられる視線は期待感であり、富沢に向けられる視線は好奇心もしくは査定という感じだった。
富沢、上手くなぎさを引き出してくれよ。
正直期待半分、不安半分・・・保護者のような気持ちだ。
「うんしょ!」
なぎさのナチュラルパワー任せの体当たりが富沢に決まる。
「あ~~れ~~」
富沢は大げさに後ろ回転受け身でふっとぶ。
会場は爆笑。
大げさに見えるが、本当になぎさの体当たりは効くのよ。
デビュー直後の相羽のタックルなら止められたけど、なぎさのは止められないだろう。
「いったあ~!お仕置きよっ!」
富沢の必殺技サソリ固め。
「いたいの・・・いや・・・」
とてもレスラーとは思えない発言に会場から笑い。
「痛いのいやなの?」
と富沢は優しくたずねる。
「うん・・・いや。」
いやいやとなぎさは首を左右に振る。
「ふ~ん。そう。」
ちょっと力を緩めるように見える富沢。
それを感じたかなぎさの顔がほっとする。
「じゃあもっと痛くしてあげるわっ!」
そりゃそうだ。
これはプロレスなんだから。
あ~あ新人相手にあんなエグイ角度にするなんて・・・
当然耐え切れるわけもなく、なぎさはギブアップ。
富沢がNEW WINDリングで初勝利をあげる事に成功。
負けたとは言え、キャリアでは8年差がある先輩をあわてさせたのだから立派だといえる。
「おーよしよし、よくあそこまで耐えたわね。はいごほうび。」
富沢が控え室でご機嫌斜めのなぎさに風船を渡す。
「風船♪」
なんて風船な・・・いや現金な。
この子採用して本当によかったのかなあ・・・
「ファンの皆さんにご報告をいたします。私カンナ神威は来月5月シリーズを持って引退、退団いたします。」
最終戦のメイン終了後、カンナがマイクを要求し、上記のコメントを発表した。
これには会場騒然。
なにしろこの日もカンナは”クロスフェイスカンナ”で勝利している。
「まだできるよ~~!」
「早すぎるよ~!」
とファンからも声援が飛ぶ。
この引退宣言は私は知っていた。
カンナは事前に私に了解を求めてきていたから。
もちろん止めたさ。
だけど・・・カンナはマスクを脱ぎ、引退するという。
2度のMVP、6度のベストバウトに輝いた”最強のマスクウーマン”は5月にスカイブルーのリングを去る。
「最後の2戦は”九州ドーム”と、”どさんこドーム”です。私はそれぞれ伊達選手、草薙選手と対戦します。突然の発表で申し訳ありません。」
カンナは深々と頭を下げた。
まだまだ通用するだけの能力はある。
だけど、今ならカンナらしくリングを去ることができるぎりぎりのタイミングかもしれない。
「声援はありがたいのですが、強いままの私で終らせてください。」
これがカンナのSAYONARAの理由(わけ)。
そして翌日。
「社長、ちょっといいでしょうか。」
と事務所を訪ねてきたのは富沢レイ。
「どうした富沢?NEW WINDから逃げたくなったか?このあいだのなぎさとの試合は評価高かったし、富沢には来月も頑張ってもらおうかなと思っているのだが。」
私はにこにことしていた。何しろ期待通りの試合だったからね。
「ありがとうございます。ですが、私・・・」
富沢の顔は暗い。
「どうした?」
私はなんとなく嫌な予感がして、恐る恐る聞く。
「私、引退しようと思って。」
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コメント
無題
そりゃないぜ、セニョリータ?(苦笑)
posted by オーサカURLat 2007/01/29 08:02 [ コメントを修正する ]