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”SAYONARAの理由(わけ) パート2” その92   
「引退しようと思って。」


 富沢レイの口から出た衝撃発言。

 あまりに予想外の言葉に、衝撃を受け思わず引っ張ってしまったが、話を続けよう。

 予想していない言葉に私は言葉が出ず「はあ?」と間抜けな声を出すのが精一杯だった。

「ほんとごめんなさい。折角代表に推薦していただいたのに。」

 ちなみにハッピープロジェクトはNEW WINDの総資金の25%を投入して作った会社だ。
 代表は旧知の者に依頼して快諾を頂いている。
もちろん”ダンディ須永さん”にも相談役に就任して頂き、実際にレスラーを見てもらっている。
 
「どうしてだ?」
 私はうめくような声を出す。
「・・・満足しちゃったからです。今まで100人、200人のところでしか試合したことなかったのに、4000人や8000人の会場で試合をさせてもらえて満足したっていうか。」
 わからなくもないが・・・
「それでいいのか?」
「はい。ずっとあこがれていた大きなリングに立てて幸せでした。なぎさちゃんと試合して思ったんです。やっぱりNEW WINDに入ってくる新人の子は違うなって。」
 
 これが富沢のSAYONARAの理由(わけ)か。

「・・・そうか。富沢、決意が堅いようなら引止めはしないが、一つだけ命令していいかな。」
 富沢は緊張する。
「はい。」

 間。

「来月も試合に出てください。そしてドームで引退してください。」
「・・・私がドームに・・・?いいんですか?」

「レイ大尉、悲しいけどこれって命令なのよね。」
 ニヤリと笑う私。
「・・・社長、世代がばれますよ。折角レイとシンなんだから、”ディスティニー”ネタにすべきだと思いますが。」
 うっ・・・さすが。
「・・・見てはいたが、笑い飛ばしていたからな。程度の低いシリーズの焼き直し作品だったよ。」
「コスプレをするにはあのザフトの制服いいんですよ。結構人気あったんですから。」
「そうか。」
 富沢はちょっと考えてから
「”この先何があろうと、誰が何を言おうと議長を信じろ。”」
 と同作品中のセリフを言ってくる。
「”ドラマの親父みたいだな”」
 多分こんなん。よく見てないから覚えてない。
「”俺はクローンだ”」

間。

「これでいいのか?富沢。」
「ありがとうございます。わがままを聞いていただいて。」 
 
 たった2ヶ月だったけど、NEW WINDに明るさを届けてくれた富沢。
 ありがとうの気持ちを込めて最後にドームのリングを味わってほしい。
衣装のデザインなどで今後もお世話になるかもしれないしね。



 
 そして5月シリーズは、カンナの引退ロードとして、メモリアルなカード編成となる。
 史上最強タッグの呼び名も高い、伊達との”サイレントヴォイス”最後の結成に始まり、みこととの”ホワイトスノー”、シャイとの”神威シスターズ”の最後の試合を見せ、タッグでの役目を終える。

  
 カンナの歴史はNEW WINDの歴史。

常にトップであり続けたからこそ、一つ一つのカードに思い入れがある。 
 その後も後輩への伝承試合を順調に消化し、迎えたシリーズ第7戦は九州ドーム大会。
 超満員札止めの観客が見守るなか、セミファイナルで組まれたのは伊達遥VSカンナ神威。

 全盛期の二人の対決ならば、ドームのメインだったであろうカード。

 かつて頂点を競いあった二人の最後の対決となる。

 どちらもピークは過ぎているが、それでも出来うる全てをだしての戦い。
 伊達の”暴れん坊なヒザ”が、カンナの鋭い関節技が・・・あの頃をフラッシュバックさせる。

「伊達ええ!!」
 カンナ渾身の”クロスフェイスカンナ”今までに伊達を何度もタップさせた恐怖の技だ。
 飛び交うカンナコールと伊達コール。

 じりじりと伊達がロープへと這い、そしてロープブレイク。

「勝機、見逃すわけにはいかない。」
 お馴染み伊達のフィニッシュ宣言、そして・・・必殺技”シャイニングフェニックス”がカンナの顔面を貫き、カンナはそのまま静かに3カウントを聞いた。


「負けてしまいましたが、やはり楽しかったですね。」
 伊達とはシングルで激闘を繰り広げ、タッグでは組んでよし戦ってよしの好敵手同士だった。
「ありがとう遥先輩、”あなたがいたから私はここまでになれた。”と伝えておいてください。」
 直接いわないのは照れくさいからだろうな。
「先にやめるとは・・・思わなかったのに。」
 伊達が寂しそうに呟く。
後輩が先に辞めるのは確かに予想していなかっただろうな。



 そして“カンナファイナルロード”最終戦 どさんこドーム大会。

 第3試合で組まれたのは、富沢の引退試合。

 相手は富沢の希望もあって、伊達。

 懸命にくらいついた富沢だったが、伊達の余裕を崩す事はできず、最後はフェニックスソードで撃沈。
 わずか2ヶ月、されど2ヶ月。
 
 退場する富沢には大きな拍手が送られた。
 
 希望によりセレモニーはなし。
功労者のカンナと同じ扱いでは失礼だと言うことだろう。

「私にとってNEW WINDといえば伊達遥選手でした。最後に戦う事が出来てよかったです。ありがとうございました。」
 とコメントを残している。

 ハッピー枠1号富沢レイは2ヶ月で引退となる。
なぎさとの試合は前座の名物カードとなりえただけに残念だ。



 カンナの引退試合は、同期みことと最後の対決。
 熱い攻防を魅せたが、クロスフェイスをロープに逃げられた直後、投げ技を狙って組に行ったカンナを上手くいなし、体勢を入れ替えてから放たれた”草薙流兜落とし”が炸裂し、カンナはそのまま最後の3カウントを聞いた。

 セレモニーは苦手というカンナの最後の挨拶は

「これで、さよならです・・・」だった。

 カンナ神威は後輩と同期、そしてOB含む先輩たちに見送られ花道を退場してゆく。
 花道を歩きながらカンナはマスクのヒモを解き、バックステージに消える直前にマスクを天高く放りあげた。

「北海道出身、“史上最強のマスクウーマン” カンナ~神威~!!」

 コールとともにひらひらとマスクは舞い落ちた。

 カンナ神威、神威マスクを残し引退。


 その後カンナ神威の姿を見たものはいない。


 カンナの残した神威マスクは、最強のマスクとして、そしてカンナの身につけたアイテムは最強のコスチュームとして、後の世まで語り継がれていったという。


 そして伝説へ・・・





↓ご感想などはこちらからどうぞ。






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2007/01/29 20:36 | Comments(2) | NEW WIND編

コメント

 なんだかカンナがドラ○エⅢの勇者ロトみたいに・・・南さんや氷室のようにNEW WINDでは(文章的には)目立たなかったが、ついついラストでホロリ(;;)そういえば今回のレイみたいな獲得即引退は自分も23歳の霧島軍曹の時起きました(^^;
posted by 赤猫at 2007/01/30 00:25 [ コメントを修正する ]
む、わかる人にはわかりますか(苦笑)。
書きにくい人でしたからメインではなかったですが、実績ではナンバー1かもしれません。
 愛着はあるキャラでしたけどね。

 獲得即引退は・・・びっくりでした。
「はあっ?」ってのはプレイヤーの感想でもあります。
posted by Nat 2007/01/30 01:09 [ コメントを修正する ]

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