☆注意喚起情報☆
このお話はレッスルエンジェルスサバイバー リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』の設定を受け継いでいますが、このお話は『NEW WIND』のお話ではありません。
また、登場人物の設定は前述の『NEW WIND』での設定を受け継いでおり、公式とは違う設定がなされています。
本来なら先輩であるはずの登場人物が、後輩として登場したりしますのでその点についてはご留意ください。
また基本的にこのお話は管理人のオリジナルであり、リプレイではありません。
ただし、外伝という位置づけですので、リプレイの設定を受け継いでいます。
リプレイでいえば、13年目4期生永沢舞の引退後あたりを舞台に展開していきます。
以上注意喚起情報を留意の上、つづきへとお進みください。
※感想はOKというか歓迎しますが、苦情は一切受け付けませんので、あらかじめご留意ください。
管理人 N
このお話はレッスルエンジェルスサバイバー リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』の設定を受け継いでいますが、このお話は『NEW WIND』のお話ではありません。
また、登場人物の設定は前述の『NEW WIND』での設定を受け継いでおり、公式とは違う設定がなされています。
本来なら先輩であるはずの登場人物が、後輩として登場したりしますのでその点についてはご留意ください。
また基本的にこのお話は管理人のオリジナルであり、リプレイではありません。
ただし、外伝という位置づけですので、リプレイの設定を受け継いでいます。
リプレイでいえば、13年目4期生永沢舞の引退後あたりを舞台に展開していきます。
以上注意喚起情報を留意の上、つづきへとお進みください。
※感想はOKというか歓迎しますが、苦情は一切受け付けませんので、あらかじめご留意ください。
管理人 N
食堂でお茶を飲んでいるダンディ須永の下に、藤島瞳がやってきた。
「あの~ダンディさん」
「続きを聞きたいのか?」
もう用件はわかっているので、ダンディさんは穏やかな声で尋ねた。
「はい」
「・・・いいだろう。聞きたいという人間を集めておいてくれるかな」
「は~い。ありがとうダンディさん!」
藤島は嬉しそうに微笑み、仲間を呼びに行った。
「人気者ですね、ダンディさん」
「おお、風間君か」
ダンディさんは自分より若い社長を風間君と呼ぶことが多い。
風間にとってもダンディ須永は尊敬すべき人物であり、そう呼ばれる事に抵抗はない。
「若くて可愛い子たちに囲まれて、羨ましいですよ」
「何を言っているんだ、風間君。君だってそうだろう?」
「いや、私はそんなに好かれてはいないと思いますよ。無茶ばっかりさせていますからね」
風間は笑いながら頭を掻く。
「……私だって、厳しい練習ばかりさせてますがね」
「ですねえ。ダンディさんの指導あってのNEW WINDですから」
「風間君の手腕があってのNEW WINDだろう?」
「いえいえ、私には手腕なんてありませんよ。資質の高い選手を見抜く、ダンディさんの眼力と、ダンディさんの指導と選手たちの頑張り、実務をサポートしてくれる井上さんの存在。営業は仲間君がきっちりこなしてくれていますし、私のやることなんてないのです」
風間はそういって笑った。
「ダンディさん、みんな集まったよ~」と藤島の可愛らしい声がする。
「どうやら、姫がお呼びのようですよ、爺様」
「私はまだそんな年ではない」
須永は50代後半、まだまだ若い。
「ねえ、はやく~。」
藤島の声がする。
「ほら、姫がお待ちかねですよ」
「やれやれ、せっかちな姫君だ」
「うちの自慢の『西陣の姫』を待たせてはいけませんよ」
「可愛さ自慢か。ずいぶん気に入っているようだね、風間君。でも、浮気はいかんよ」
ダンディさんはニヤリと笑った。
「・・・本気ならいいのですか?」
「・・・馬鹿者。」
NEW WIND外伝 伝説のダンディ・ドラゴン第3話「決起」
リングの上では関野源吉VS堀雄也(ほり・ゆうや)の試合が行われている。堀は関野より6年先輩であり、現SPWシングル王者およびタッグ王者でもある。
堀のファイトスタイルはかなり異色で、基本的には『腕』しか使わない。『百通りのチョップをもつ男』と呼ばれるほど多彩なチョップを使いこなす。
しかもその威力は半端ではなく、新人選手が相手なら逆水平チョップ一発でフォールを取れる。
「オラアッ!」
逆水平チョップが関野の胸元を抉る。
「い~っしょお!」
関野も胸張り手や逆水平で反撃するが、鍛え上げられた堀のボディはびくともしない。
「オラアッツ!」
今度は逆水平を連打で打ち込んでくる。連打の場合、一発ごとの威力は単発に比べ劣るものの、それでもかなりの威力がある。
見る見るうちに関野の白い胸元が真っ赤に、いや、青紫色に腫れ上がる。
「い~っしょお!」
関野は一本足頭突きを繰り出す。ゴーン!と凄い音がするが、堀は倒れない。
「い~っしょお!」「い~っしょお!」
関野は一本足頭突きを連打する。
「この野郎、本当の頭突きを教えてやるぜ!」
堀が鬼の形相を浮かべ、関野の頭をガッシッと掴んだ。
「食らえ!」
頭を掴んだまま堀はその場でジャンプし、ヘディングシュートのように上から関野の額に打ちつけた。
「ぐはあわっ・・・」
関野の額がパックリと割れ、そこから激しく血が滴りおちる。さすがにこらえきれずにダウンしてしまう。
「オラアッ!まだ終わりじゃねえぞ!」
堀はダウンしている関野に向かって手刀を落とす。
「ぐはっ!」
「くくっ・・・これで終わりにしてやるよ!」
堀は腕を高々と突き上げ、フィニッシュをアピールし、コーナーへとよじ登った。
「させるかっ!」と声がして、試合にまったく関係のないダンディ須永が突如コーナー上の堀へ飛びつき、雪崩式のスイングDDT!
「BU~~~!!!!」 場内からブーイングが飛ばされる。
「てめえ、須永!どういうつもりだっ!」
怒り心頭の堀ではあるが、ダメージは明らかだ。
「お前にばかり、いい思いさせてられるかっ!」
須永は堀をロープに振ると、オリジナル技であるダブルスピン・ローリングソバットをカウンターで叩きこむ。
「ごはっ」
アゴ先を打ち抜かれ、ダウンする堀。
「関野!」
「おう!」
二人は左右別のロープに飛び、関野がエルボードロップを、須永が体を左右に捻ってから落とすフラッシングエルボードロップを同時に堀に食らわせた。
カンカンカン・・・
ここでレフェリーがゴングを要請、堀の反則勝ちとなる。
「無駄だっ!」
関野と須永はなおも堀に暴行を加え続ける。
「貴様らっ!許さん!」
堀のタッグパートナーである『仮面シューター・スーパーパンサー』がリングに飛び込んできた。
「まってたぜ!飛んで火にいる夏の虫とはお前の事だ」
堀を関野に任せ、須永はスーパーパンサーに対峙する。
スーパーパンサーは当時人気のあったトラ仮面に似たマスクを被ってはいるが、『仮面シューター』というフレーズからもわかるように、多彩なキックを使いわける蹴り技主体のスタイルであり、飛び技はあまり使用しない。
「許さん!」
スーパーパンサーは鋭い右ミドルキックを放つが、須永が余裕でそれをキャッチする。
「なにっ…」
「俺をただの若手を思わないことだっ!」
須永は叫ぶと、その右足を空中で捻った。スーパーパンサーは一回転させられ、リング上に転倒。右ひざを押さえ、呻き声をあげている。
この技は数年後には流行する技であったが、この当時は使い手がほとんどいない。『ドラゴンスクリュー』という技で、足を取っての巻き投げである。
後年この技からの足4の字固め(フィギュア・フォー・レッグロック)や、膝十字固めが流行するが、それはこのお話には関係がない。
「俺の存在、その膝に刻みこんでおけっ!」
須永はスーパーパンサーの右足をとると、回転しはじめる。『スピニング・トー・ホールド』だ。
かつては有名な使い手がいた技だが、今はほとんど使われていない。クラシカルな技ではあるが、ただ足を極めるだけではなく、回転することによってさらに極めるという、魅せる要素があるので、須永が好んで使う技だ。
日本では漫画の主要登場人物が使用するため、あまり使われていない技にも関わらず、認知度は高い。
「ぐっ・・ぐうっ・・・」
須永が回転するたびにスーパーパンサーが呻き声を上げる。
「とあっ!」
須永は突如技をヒールホールドに切り替える。
「ぐあああああっ!」
悲鳴を上げるスーパーパンサー。
ようやく他の選手が異変に気づきリングへと走ってきた。
「関野!」
「おう!」
関野と須永はさっと技をとくとリング下へと逃げる。走ってきた選手たちは、まず堀とパンサーの無事を確かめる。
その間に須永はマイクを強奪し、関野へと投げた。
「おいおいおいおい! チャンピオンさんよ!その程度かっ!」
場内からはブーイング。
「おい、観客!お前らが崇める『百通りのチョップを持つ男』だけどなあ。こいつは頭が悪いから、腕だけに頼るんだよ!ここはプロレスのリングだぞ、ボクシングでも空手でもねえ!」
正確には堀は投げも使うし頭突きもするのだが・・・
「これからは俺たち二人が、このSPWを動かす。いつまでもチョップバカとキックバカの時代じゃない」と須永。
「これからは俺たちの、俺の時代だっ!おれはSPWのド真ん中に立つ!」
これに賛同する拍手3分の1、ブーイング3分の2.
「うるせえ!だったら証明してやるぜ!おい、チョップ堀、キック猫! 俺たちの挑戦受けろ!お前らが臆病者じゃなければな!」
こう言い放つと関野はマイクを叩きつける。
「いくぞ」
「ああ・・・種は巻いた。」
関野と須永は満足そうにうなづくと、控え室へとダッシュ。そのまま荷物を引っつかむと、用意してあった車に乗り込み会場から逃走した。
すべては計算づくの行動であり、結果は計算どおりになった。
急遽最終戦で、SPW認定世界タッグ選手権試合が組まれたのである。防衛10回のSPW最強コンビに挑む、関野源吉&ダンディ須永のスナカンコンビ。
ヘビーの王座へ、ジュニアでも軽い体重の二人が挑む。
「……というわけで、今日はここまでだ」
「ちょっと、ダンディさん、そりゃないんじゃないの? いいところなのに」
「風間社長、あまり長引くと明日の練習に差し支えますから」
「なるほど・・・」
納得する風間。
「え~~~もっと聞きたいのに~」
藤島は不満顔だ。
「ちゃんと睡眠はとらないと、顔にシミができるそうだよ」
ダンディさんは脅しを入れる。
「そ、そうね。瞳今日はここまでにしましょう」
なぜかハイブリットがそう答え、吉田が腕組みしたまま大きく頷いた。
「そっか・・・もっと聞きたいけど、シミはいやだもの。今日は諦めるわ」
「あの~ダンディさん」
「続きを聞きたいのか?」
もう用件はわかっているので、ダンディさんは穏やかな声で尋ねた。
「はい」
「・・・いいだろう。聞きたいという人間を集めておいてくれるかな」
「は~い。ありがとうダンディさん!」
藤島は嬉しそうに微笑み、仲間を呼びに行った。
「人気者ですね、ダンディさん」
「おお、風間君か」
ダンディさんは自分より若い社長を風間君と呼ぶことが多い。
風間にとってもダンディ須永は尊敬すべき人物であり、そう呼ばれる事に抵抗はない。
「若くて可愛い子たちに囲まれて、羨ましいですよ」
「何を言っているんだ、風間君。君だってそうだろう?」
「いや、私はそんなに好かれてはいないと思いますよ。無茶ばっかりさせていますからね」
風間は笑いながら頭を掻く。
「……私だって、厳しい練習ばかりさせてますがね」
「ですねえ。ダンディさんの指導あってのNEW WINDですから」
「風間君の手腕があってのNEW WINDだろう?」
「いえいえ、私には手腕なんてありませんよ。資質の高い選手を見抜く、ダンディさんの眼力と、ダンディさんの指導と選手たちの頑張り、実務をサポートしてくれる井上さんの存在。営業は仲間君がきっちりこなしてくれていますし、私のやることなんてないのです」
風間はそういって笑った。
「ダンディさん、みんな集まったよ~」と藤島の可愛らしい声がする。
「どうやら、姫がお呼びのようですよ、爺様」
「私はまだそんな年ではない」
須永は50代後半、まだまだ若い。
「ねえ、はやく~。」
藤島の声がする。
「ほら、姫がお待ちかねですよ」
「やれやれ、せっかちな姫君だ」
「うちの自慢の『西陣の姫』を待たせてはいけませんよ」
「可愛さ自慢か。ずいぶん気に入っているようだね、風間君。でも、浮気はいかんよ」
ダンディさんはニヤリと笑った。
「・・・本気ならいいのですか?」
「・・・馬鹿者。」
NEW WIND外伝 伝説のダンディ・ドラゴン第3話「決起」
リングの上では関野源吉VS堀雄也(ほり・ゆうや)の試合が行われている。堀は関野より6年先輩であり、現SPWシングル王者およびタッグ王者でもある。
堀のファイトスタイルはかなり異色で、基本的には『腕』しか使わない。『百通りのチョップをもつ男』と呼ばれるほど多彩なチョップを使いこなす。
しかもその威力は半端ではなく、新人選手が相手なら逆水平チョップ一発でフォールを取れる。
「オラアッ!」
逆水平チョップが関野の胸元を抉る。
「い~っしょお!」
関野も胸張り手や逆水平で反撃するが、鍛え上げられた堀のボディはびくともしない。
「オラアッツ!」
今度は逆水平を連打で打ち込んでくる。連打の場合、一発ごとの威力は単発に比べ劣るものの、それでもかなりの威力がある。
見る見るうちに関野の白い胸元が真っ赤に、いや、青紫色に腫れ上がる。
「い~っしょお!」
関野は一本足頭突きを繰り出す。ゴーン!と凄い音がするが、堀は倒れない。
「い~っしょお!」「い~っしょお!」
関野は一本足頭突きを連打する。
「この野郎、本当の頭突きを教えてやるぜ!」
堀が鬼の形相を浮かべ、関野の頭をガッシッと掴んだ。
「食らえ!」
頭を掴んだまま堀はその場でジャンプし、ヘディングシュートのように上から関野の額に打ちつけた。
「ぐはあわっ・・・」
関野の額がパックリと割れ、そこから激しく血が滴りおちる。さすがにこらえきれずにダウンしてしまう。
「オラアッ!まだ終わりじゃねえぞ!」
堀はダウンしている関野に向かって手刀を落とす。
「ぐはっ!」
「くくっ・・・これで終わりにしてやるよ!」
堀は腕を高々と突き上げ、フィニッシュをアピールし、コーナーへとよじ登った。
「させるかっ!」と声がして、試合にまったく関係のないダンディ須永が突如コーナー上の堀へ飛びつき、雪崩式のスイングDDT!
「BU~~~!!!!」 場内からブーイングが飛ばされる。
「てめえ、須永!どういうつもりだっ!」
怒り心頭の堀ではあるが、ダメージは明らかだ。
「お前にばかり、いい思いさせてられるかっ!」
須永は堀をロープに振ると、オリジナル技であるダブルスピン・ローリングソバットをカウンターで叩きこむ。
「ごはっ」
アゴ先を打ち抜かれ、ダウンする堀。
「関野!」
「おう!」
二人は左右別のロープに飛び、関野がエルボードロップを、須永が体を左右に捻ってから落とすフラッシングエルボードロップを同時に堀に食らわせた。
カンカンカン・・・
ここでレフェリーがゴングを要請、堀の反則勝ちとなる。
「無駄だっ!」
関野と須永はなおも堀に暴行を加え続ける。
「貴様らっ!許さん!」
堀のタッグパートナーである『仮面シューター・スーパーパンサー』がリングに飛び込んできた。
「まってたぜ!飛んで火にいる夏の虫とはお前の事だ」
堀を関野に任せ、須永はスーパーパンサーに対峙する。
スーパーパンサーは当時人気のあったトラ仮面に似たマスクを被ってはいるが、『仮面シューター』というフレーズからもわかるように、多彩なキックを使いわける蹴り技主体のスタイルであり、飛び技はあまり使用しない。
「許さん!」
スーパーパンサーは鋭い右ミドルキックを放つが、須永が余裕でそれをキャッチする。
「なにっ…」
「俺をただの若手を思わないことだっ!」
須永は叫ぶと、その右足を空中で捻った。スーパーパンサーは一回転させられ、リング上に転倒。右ひざを押さえ、呻き声をあげている。
この技は数年後には流行する技であったが、この当時は使い手がほとんどいない。『ドラゴンスクリュー』という技で、足を取っての巻き投げである。
後年この技からの足4の字固め(フィギュア・フォー・レッグロック)や、膝十字固めが流行するが、それはこのお話には関係がない。
「俺の存在、その膝に刻みこんでおけっ!」
須永はスーパーパンサーの右足をとると、回転しはじめる。『スピニング・トー・ホールド』だ。
かつては有名な使い手がいた技だが、今はほとんど使われていない。クラシカルな技ではあるが、ただ足を極めるだけではなく、回転することによってさらに極めるという、魅せる要素があるので、須永が好んで使う技だ。
日本では漫画の主要登場人物が使用するため、あまり使われていない技にも関わらず、認知度は高い。
「ぐっ・・ぐうっ・・・」
須永が回転するたびにスーパーパンサーが呻き声を上げる。
「とあっ!」
須永は突如技をヒールホールドに切り替える。
「ぐあああああっ!」
悲鳴を上げるスーパーパンサー。
ようやく他の選手が異変に気づきリングへと走ってきた。
「関野!」
「おう!」
関野と須永はさっと技をとくとリング下へと逃げる。走ってきた選手たちは、まず堀とパンサーの無事を確かめる。
その間に須永はマイクを強奪し、関野へと投げた。
「おいおいおいおい! チャンピオンさんよ!その程度かっ!」
場内からはブーイング。
「おい、観客!お前らが崇める『百通りのチョップを持つ男』だけどなあ。こいつは頭が悪いから、腕だけに頼るんだよ!ここはプロレスのリングだぞ、ボクシングでも空手でもねえ!」
正確には堀は投げも使うし頭突きもするのだが・・・
「これからは俺たち二人が、このSPWを動かす。いつまでもチョップバカとキックバカの時代じゃない」と須永。
「これからは俺たちの、俺の時代だっ!おれはSPWのド真ん中に立つ!」
これに賛同する拍手3分の1、ブーイング3分の2.
「うるせえ!だったら証明してやるぜ!おい、チョップ堀、キック猫! 俺たちの挑戦受けろ!お前らが臆病者じゃなければな!」
こう言い放つと関野はマイクを叩きつける。
「いくぞ」
「ああ・・・種は巻いた。」
関野と須永は満足そうにうなづくと、控え室へとダッシュ。そのまま荷物を引っつかむと、用意してあった車に乗り込み会場から逃走した。
すべては計算づくの行動であり、結果は計算どおりになった。
急遽最終戦で、SPW認定世界タッグ選手権試合が組まれたのである。防衛10回のSPW最強コンビに挑む、関野源吉&ダンディ須永のスナカンコンビ。
ヘビーの王座へ、ジュニアでも軽い体重の二人が挑む。
「……というわけで、今日はここまでだ」
「ちょっと、ダンディさん、そりゃないんじゃないの? いいところなのに」
「風間社長、あまり長引くと明日の練習に差し支えますから」
「なるほど・・・」
納得する風間。
「え~~~もっと聞きたいのに~」
藤島は不満顔だ。
「ちゃんと睡眠はとらないと、顔にシミができるそうだよ」
ダンディさんは脅しを入れる。
「そ、そうね。瞳今日はここまでにしましょう」
なぜかハイブリットがそう答え、吉田が腕組みしたまま大きく頷いた。
「そっか・・・もっと聞きたいけど、シミはいやだもの。今日は諦めるわ」
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