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2024/04/25 11:17 |
NEW WINDの物語 第4話「2年目始まる」
 編集部より。

 これは連載126回にて終了した、『NEW WIND社長風間新手記』を加筆・修正した改訂版です。

 無駄な部分をそぎ落とし、表現にも手を入れてあります。

 印象が変わるかもしれませんが、NEW WINDの歴史を再度振り返っていただければと思います。
◇2年目春◇
 
 私は北の大地、北海道にいる。
なぜここにいるかといえば、新人スカウトの為だ。
いい人材がいるという噂を聞いているので、自ら確認をしにきたわけさ。

「あれか?本当に噂通りなのだなあ。」と私は思わず呟いた。
 そこには噂どおり・・・マスクを被った女性がいる。
街中でマスクを被っているのは珍しいよ。ここが、メキシコならわかるけどなあ。

「カンナ神威さんですか?」
「はい。そうですが。」
 まあ、間違えるわけはない・・・はず。
「私はプロレス団体を経営しております、風間新と申します。」
 プロレス団体ときいた瞬間、カンナの目がキラリと光ったような気がした。
「NEW WIND・・・ああ九州の団体ですね。で、私に何か御用でしょうか?」
 手渡した名刺を丁寧に受け取り、隅々まで確認しているようだ。
「カンナ神威さんに、ぜひうちの団体に入団していただきたいと思いまして、お伺いいたしました。」
「私をスカウトですか。」
「はい。私どもはこれから設立2年目に入る若い団体です。カンナさんのような若くて優秀な人物とともに団体を大きくしていきます!その為にカンナさんが必要なのです。」
 言い切った。日本人は「大きくしたい。」とかいう言い方をよくするが、ここぞと言う場面では、言い切るのは大事な事だ。
「分かりました。プロレスには興味ありましたし、こちらがお願いしたいくらいです。」
 まあマスクを被っていて。プロレスに興味がないわけはないと思ったけど。
 2期生カンナ神威入団決定。
 私はこの後東北に出向き、巫女修行中の草薙みことをスカウトする事に成功した。
 これで2期生はOKだ。
草薙みことは投げ技に、カンナ神威は関節にセンスがあるようだ。

◇2年目5月◇

☆旗揚げ1周年記念興行☆。

 メインはミレーヌVS南のAACジュニア選手権。
『今度こそ!』の期待が高まったが、19分41秒、掌底からの片エビ固めで南が敗北。
試合内容としては前回の方がはるかによかった。
一年の成果をみせたいこの興行で、プロレスの難しさを再認識させられた感じだよ。
 1流への道は、まだまだ遠いようだ。  

ここまで所属選手のエース格は南利美だった。
ま、エース格とはいっても評価はまだまだジュニアの域を出てはいないけど。
 だが、この月を境に『エース=南』という評価は覆されることになる。
 
◇2年目6月◇

 AACから許可を得て、最終戦でジュニアタイトル選手権試合を行なう事になった。
 今までは南が挑戦し続けていたが、今回は最近急成長を見せている伊達を挑戦させることにする。
「・・・タ、タイトル戦?」
 プロレスラーとして成長はしているのだが、まだこういう部分は変わってないな。
 初めて宮崎で会ったときのままなのかもしれない。
「そうだよ。今度の6月シリーズの最終戦で組むことになったから。頑張れよ。」
 道場の隅で南が一瞬悔しそうな表情を浮かべたのが見えた。
彼女にはこの悔しさをバネに頑張って欲しいと思う。
「せ、精一杯頑張ります。」
「期待しているよ。」
 よく見ると南だけでなく、他の同期も悔しそうな表情を浮かべていた。
これでいい。
 本来は社長室に呼んで通達するのを、わざと道場でやったのだから、そうでないと困る。
  
 ☆AAC認定世界ジュニア選手権試合 60分1本勝負☆
王者ミレーヌ・シウバ VS 挑戦者 伊達 遥

 ちょっともろいところがある南と違い、伊達はタフだ。
ちょっとくらい攻められても、すぐに回復してしまう。
 ミレーヌは手数で攻めるが、伊達は打撃技をポイントポイントで繰り出し、ミレーヌの流れを寸断していく。
 伊達の得意技のフェニックスJ(ジャンピングニー)をバックドロップで切り返すミレーヌ。だが伊達はカウント2でクリアすると、もう一度フェニックスJに行く。
 ダウンを奪われたミレーヌだったが、カウント2.5でクリアすると再びバックドロップ!
 しかしこれを2.5でクリアしてみせる伊達。
王者 ミレーヌの顔に焦りの色が浮かぶ。
 三度バックドロップを狙うミレーヌだったが、この瞬間を伊達は待っていた。
『必殺』のフェニックス・ニー(ニー・リフト)が、ミレーヌのボディを的確に打ち抜いた。
 苦悶の表情を浮かべ、ダウンするミレーヌに伊達が覆いかぶさるようにカバーする。
「決まって!!」
 そして3カウントが入った。
大歓声の中 信じられないという表情を浮かべる伊達がいた。
レフェリーのトニー館に右手を上げられ、ようやく自分が勝った事に納得したらしい。

「只今の試合は27分9秒、フェニックスニーからの体固めで、勝者 伊達遥!この試合の結果、伊達遥選手が新王者に決定いたしました!!」
 地元宮崎での王座戴冠劇。
超満員札止めの観客もきっと満足だろう。
「わ、私がチャンピオン・・・」
客席からの祝福の拍手はしばらくの間鳴り止むことはなかった。 

 ◇2年目7月◇ 

 南利美の公式ファンクラブが発足。タイトルは伊達に、先にとられてしまったが、ファンクラブの結成は一番早かった。ぜひファンの期待にこたえてタイトルを取って欲しいものだ。
なお今月はタッグ王者が来日するので、Jr王者伊達と南のコンビで挑戦させる。
 デスピナ&ジョーカー・レディはかなりの強敵。
特にジョーカー・レディは『AACNo2』の実力者で、伊達・南よりも明らかに格上だ。
 世界タッグ王座初挑戦の結果は・・・

○デスピナ&ジョーカー(36分48秒 ローリングソバット→片エビ固め)伊達&南×
 最後は地味な技で決められてしまったが、これはその前のラッシュで南が消耗しきっていたのが原因。
 実際にはその前の技でカウント3は入っていたはずだ(これは伊達がカットした)
 さすがにAAC認定世界ヘビータッグは簡単にはとれないか。
タッグ王者の来日という事に一番反応したのは、マッキー&ラッキーのジューシーペアだ。
 (このタッグ名は公募で決定)
今後彼女達がタッグ王座に挑戦する事もあるだろう。

 AAC王者チョチョカラスも来日予定だし、AACの3本のタイトルをかけて、NEW WINDにタイトル戦線の熱い風が巻き起ころうとしていた。

   



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2007/07/21 21:19 | Comments(0) | NEW WIND 改訂版

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