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『もう一度あの日のように~再会~ その4「それぞれの今」』
 NEW WIND社長 風間 新 手記より。

※このお話は全126話で終了した、長編リプレイNEW WIND編および栄光のスターロード編のアフターストーリーです。
 ただし、リプレイではなく創作になりますので、通常のゲーム上ではありえない展開になっております。

 その辺りをふまえた上で続きへとお進みください。

 単独でも楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WINDに準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします。

 ※※ご注意事項※※
 ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
 そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。 
 同じく一期生の氷室紫月は、引退後は故郷でのんびりとしながら、ときおりタレントとして仕事をしていたのだが、3年前に運命の人をみつけ海外に移住してしまった。
 国際電話で連絡を取ることはできたのだが・・・「もう・・・運命の歯車は止まったから・・・」と、あっさりと断られてしまったそうだ。
「紫月先輩は男性ファンが多かったので、復帰してもらえばと思っていたんですけどね。」
 武藤は残念がったが、こればかりは仕方ない。
「そういうなよ。この発想自体に無理があるんだからな。氷室が運命の人と幸せに暮らしていることを喜び、そして今後も幸せに暮らしていけるように祈ろうじゃないか。」
 私はカップを口に運んだ。もちろん中身は英国の紅茶である。
「そうですね・・・」
 武藤はそう呟いてから湯呑みを口に運んだ。
 茶所静岡県の出身である彼女は、紅茶派ではなく“緑茶”派だ。
「私にも・・・運命の人が・・・現れるかなあ・・・」
 それは私にはわからないので、あえて言葉を差し挟まなかったが、それは正解だっただろうか。

 そして2期生の草薙みことは・・・
「もう山の生活に馴染んでしまいましたし、蓮(スイレン草薙 8期生=引退)に巫女の仕事を教えるので精一杯なんです。いまさらリングに上がることはできません。お世話になった団体に恩をお返ししたい気持ちはあるのですが・・・」と。
 みことの同期カンナ神威は行方不明、あれからカンナの姿をみたものはいないのだから仕方ないか。

 3期生の結城は「あははっ・・・もう無理ですよ、社長。」と。
「そうか。」
「私はリングを降りる時に決めたんです。『もう試合をしないって』って。お力にはなりたいですけど。すいません、社長。」
 この瞬間、武藤の復帰も消えたか。
「千種が復帰しないと決めた以上、私も復帰はできません。」
 本来なら言いだしっぺである武藤が復帰を宣言するのが筋だとも思うのだが、復帰はそう簡単に決められるものでもないし、武藤本人が結城との名コンビ『νジェネ』再結成を願っていたのだから仕方ないだろう。
 結城&武藤の『νジェネ』VSカンナ&みことの『ホワイトスノー』や、マッキー&ラッキーの『ジューシーペア』なら集客も見込めたのだがなあ・・・
「そうか、仕方ないな。」
「すいません、社長。本来なら私が最初に復帰の手をあげるべきなのに・・・」
 武藤はそう言って自分ヒザをさすった。
「いや、仕方ないよ。武藤のヒザは無理ができないからな。」
 かつてムーンサルトプレスやダブルスピンムーンサルトといったヒザに負担がかかる技を得意技にしていた武藤は、その代償としてヒザに爆弾を抱えてしまった。
 引退から数年たった今、普段の生活に支障がでないまでには回復したのだが、やはり飛んだり跳ねたりは怖いのだろうな。
「・・・情けないけど、もうコーナーから飛ぶのは怖いんです。」
 武藤が復帰するとなれば、観に来るお客さんは武藤の華麗なるムーンサルトやダブルスピンムーンサルトを観に来るだろうからなあ。
「必殺技をシャイニングウイザードに切り替える手もあるが・・・」
「・・・私に髪を剃れと?」
 武藤はムッとした顔をした。
「観てみたいけどね。」
「社長!」
「じょ、冗談だからな。本気にするなよ。」
 私の顔面にニールキックが飛んできそうなので、私はこの話を切り上げることにした。
「それにしても、この企画は無理があったかな・・・」
 わざとらしく話題を切り替える。
「仕方ないですよ。大分経っていますから。」
 私の紅茶が空になったのを見て、武藤はお茶を淹れてくれた。
なかなか気を使ってくれているじゃないか。私は嬉しくなった。
「そうだよな。あの武藤がここまで秘書を出来るようになるんだからなあ・・・」
「社長、それどういう意味です?」 
 武藤はギロリと睨む。その眼光は未だに現役時代のままだ。
「私の紅茶がなくなったのを見てお茶を淹れるなんて、昔の武藤にできるとも思えないんでねえ。」
 武藤は顔をカーッを赤くさせた。
「そ、そう?」
「ああ、いいタイミングだったよ。」
 武藤の入れてくれたお茶を飲みながら私は資料をチェックする。
「あと残っているのは吉田、永沢ってところだなあ・・・」
「どちらも復帰する意思はないそうです。」
 武藤はふう~とため息をついた。

 現在永沢はペットショップ“テディ&セイザン”2号店の店長として働いている。
「『毎日大好きな小動物に囲まれていて、とてもハッピーハッピーです。』だそうです。」
 それはそうだろうな。
 休みの日ともなれば毎回のように動物園やペットショップを巡っていた永沢なら、ペットショップで働く事は、ある意味天職なのかもしれない。
「確か永沢は一号店によく通っていたんだったな。」
「ええ。チンチラを買ったこともあったようですよ。」
 チンチラか・・・永沢達が可愛がっていたっけなあ。
「確か、ムトメチダネだったよな。」
 私は武藤をからかうつもりだった。
「そ、そうですけど・・・」
 明らかに動揺したな。
「チダネがちょっとトロくて、確かムトメがツンケンしてるんだったよな。」
「私はその名前の許可をした覚えはないんですけどね。」
 武藤はムッとした様子だった。
私はその反応に満足したので、話題を変えることにした。
「吉田はどうしているんだ?」
「今はラーメン評論家として活躍しているようですよ。“吉田龍子のドラゴンラーメン紀行”という本も出版しています。」
 ほう、それは初耳だ。今度読んでみるかな・・・

「美味しい不味いは衝撃度で表記されていまして、美味しい店は“プラズマサンダーボム”級、最高に美味しい店は“プラズマサンダースライド”級と表記してあります。あと吉田龍子のドラゴンスクリューというコーナーでは、お店をこうすればよくなるじゃないかというような内容になってまいすよ。」
 ドラゴンスクリュー・・・揚げ足をとって回す・・・というイメージなんだろうか。
しかし、衝撃度で表記とはさすが“最強の龍”だな。書く文章までストロングだ。
 
 それぞれがそれぞれの新たなる人生を歩んでいる。
それはとても嬉しいことだが・・・

「ふう・・・計画は失敗かな。」
 ため息をつく私。
「あの・・・社長、まだ二人候補がいるけど。」
 武藤は『忘れてないわよね?』という顔だ。
「誰だよ。」
「伊達さんと、南さんです。」
「伊達と・・・南か・・・」

(続く)
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2007/11/23 19:30 | Comments(0) | もう一度あの日のように

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