NEW WIND社長 風間 新 手記より。
※このお話は長編リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』のその後のお話です。
ただし、このお話はリプレイではなく『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WIND編に準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
※このお話は長編リプレイ『NEW WIND編』およびその続編である『栄光のスターロード編』のその後のお話です。
ただし、このお話はリプレイではなく『創作ストーリー』です。
お話の設定には、ゲーム上では再現できない設定を盛り込んでいますので、ご注意ください。
単独作品としても楽しめるとは思いますが、人物の設定などはNEW WIND編に準拠していますので、NEW WIND編を先に読んで頂く事をお勧めいたします
※※ご注意事項※※
ストーリーの都合上、登場人物に恋愛などの設定が加味されています。
そのような表現が苦手な方はご遠慮ください。
続く第4試合はブレード上原&ミミ吉原組(ともに12期)VS南智世(11期)&“2代目”サンダー龍子(14期)組。
14期生の“2代目”サンダー龍子は今年がキャリア4年目だ。かつて『最強の龍』と呼ばれた吉田龍子には及ばないが、近いうちにトップに食い込むことができる素質の持ち主だと私は思っている。
だが、まだまだ世間的には「所詮2代目は2代目」という見方をされてしまっているようだ
他団体で活躍した初代サンダー龍子、NEW WINDのエースだった吉田龍子と比較されてしまうのは仕方ないことだろう。
そして同じ事は南3姉妹の末妹である南智世にもいえるかもしれない。
智世はデビュー当初から数年の間はマスクウーマン『ウインド・ドラゴン』としてファイトしていた。これは姉二人と比較されてしまうことを懸念してのことだ。
十分な実力がついてからマスクを脱ぎ、素顔の南智世になってからは立派なメインイベナンターとして活躍している。だが、実力はともかく、実績や人を惹き付ける力は長姉である南利美には及ばないのが現実だ。
レスラーとしての実力ならば南利美の現役時代より上といえるのだが…やはりシングルのベルト(MAX WIND)をとれていないのも一つの要因かもしれない。
伝説と戦うことの辛さ・重みを一番知っているのはこの二人なのかもしれないなあ。
特に今日の智世にはかなりのプレッシャーがかかっているのではないだろうか。
伝説の重みを知る智世と龍子が、伝説の復活する大会で、どのような主張をしてくれるのか注目したいと思う。
対する12期生の二人は伸び悩んでいる。
なぜこうはっきりと言うのかといえば、二人の同期が現MAX WIND女王マイティ祐希子だからだ。
祐希子はわずか2年で頂点へと駆け上がったが、同期の二人は大きく出遅れた。
二人ともMAX WINDどころか、ミドル・ウインドすら巻いたことがない。
二人とも資質はあるはずだし、スター性も兼ね備えていると思うのだが…なんとなくだけど、一期生のマッキー上戸・ラッキー内田(ジューシーペア)とイメージが被っているような感じなんだよなあ。
資質はあるけど、同期とは差をつけられてしまったというあたりが非常に似ている気がする。
上原はスピード感あふれる空中技が得意で、キリリとした「太い眉」とその端整な顔立ちで女性ファンが多い。
その多くの女性をしきるのが智さんという女性で、現在はハッピープロジェクトのブレード上原公式ファンクラブの担当を勤めるまでになった。
また、ミミ吉原は男性ファンから圧倒的な支持を受けている。
優しい物腰と蕩けるような声にファンが多く、吉原への思いが強すぎて、サイン会で『色紙の変わりに婚姻届を出してサインを求めたhという男性ファンがいる』など、数々の武勇伝を持っている。
上原のスピードあふれる空中殺法が観客を虜にし、サンダー龍子は豪快なラリアットで上原をふっとばし、観客のボルテージを一気にアップさせる。
吉原が空手仕込みの打撃を解禁してサンダー龍子を追い詰めるが、龍子は持ち前のパワーで逆襲し、智世にタッチ。
オールラウンダーな智世は、吉原としばし打撃戦。
吉原のスピードのある的確な突きと蹴りに苦戦するが、スピンをつけての裏拳でペースを握ると、ハイキックを叩き込み吉原をダウンさせる。
「まだまだね。」
そういって智世は笑うと、得意の関節技を仕掛けに入った。
「甘いわ。」
吉原は上手く切り返すと、得意のドラゴンスリーパーで智世を捕獲したが、智世は表情一つ変えない。
「ポイントが甘いわ。完璧じゃないわね。」
「くっ、戯言を…」
吉原がムキになって強く締め上げるが、智世は顔色を変えずにロープエスケープ。
「こうやって仕掛けるのよ!」
智世はここで、1期生氷室紫月フィニッシュホールドだった、変形のドラゴンスリーパー『紫龍』を決めた。
「おお~~!!」
場内のオールドファンが一斉に声を上げた。
ウインド・ドラゴン時代にはよく使った技だが、素顔の智世になってからはほとんど使われた事がない。
予期せぬ技にがっちりと決められてしまい、吉原はまったく動くことができない。
「吉原、ギブアップ?」
レフェリーの声にかすかに首を振る吉原。
「ミミさ~~ん!!」
ファンの願いをこめた声援が飛ぶが、吉原の顔色がだんだん変わってきた。
吉原の腕がだらんとなる。もしかして、落ちたか?
「ミミ~~~!!」
声援を飛ばす吉原ファンだが、吉原の反応はないままだ。
レフェリーのギムレット美月が、吉原の意識を確認するために左腕を持ち上げるが、手を離すとすぐにだらんと力なく垂れ下がってしまう。
「吉原!」
2度目もまったく同じ反応だ。
「ミミ~~!!」
声援むなしく3度目も同じ反応だった。
レフェリーは即ゴングを要請し、智世に技を解くように命じた。
「25分23秒、25分23秒。紫龍によるレフェリーストップで、勝者南智世。」
上原の背に背負われて退場する吉原に大きな歓声と拍手が巻き起こる。
敗れたとはいえ、二人は気迫をみせたし、観客の心を揺さぶるいいファイトができていた。
祐希子には大きく水をあけられたが、まだまだ上を目指せるはずだ。
上原そして吉原…頑張れよ。
勝った智世は龍子とともに勝ち名乗りを受け、控え室へと下がっていった。 智世は見事に姉の復帰に花を添えたな。
「今日は負けられなかったから。まっ、完璧なフィニッシュじゃなかったけど。」
そういって智世は笑顔を見せた。
「…ところで最後はなぜ紫龍だったんだ?」
智世は楽しそうに笑うとこう答えた。
「会場の空気がそうさせた…ってところかしら。懐かしい技を出せば喜んでくれるかなってね。」
「ふむ…サービスってところか?」
「まあそんなところかな。そして吉原に対するエールのつもりよ。」
「なるほどな。」
「微妙に違うけど龍子と私、そして吉原と上原は似ているからね。」
「似ている?」
「そう、彼女たちは常に同期の祐希子との比較をされ、私と龍子は…伝説となった選手たちと比較され続けている…という事よ。」
そういうと智世は拳に力をこめた。
「確かにそうだな。」
「それと、私がネオ・サザンクロスロックを出したら、姉さんのネオ・サザンを楽しみにしてくれる人に悪いなと思ってね。」
そういって智世はウインクした。
なるほどな…色々と考えさせられるよ。
この4人だけじゃない、現役選手たちは強烈な光を放った先輩たちと比較されている。でも、その先輩たちも他団体の選手と比較されていた。
プロレスは一人でやっているわけじゃない。だから比べられてしまうのは当たり前といえるだろう。
思えば先輩たちは、それを乗り越えて強烈な光を放ってきた。だから、現在の所属選手たちにもそれは出来るはずだ。
みんな、その能力と意地を見せてくれ、そして栄光のスターロードを駆け上がって欲しい。
ここまでの4試合で現役の意地は十分感じたし、彼女たちなら、もう一度あの日のように、エネルギーにあふれたスカイブルーのリングをみんなで作り出せるだろう。
ここで休憩時間となり、私は指定していた席にいるあの男の姿を確認した。
「…ようやく来たか。」
「おやおや、彼が噂のマスターシュ黒沢ことHIGE君ですかな。なにやらO坂君と話しているようですな。」
ダンディさんはのんきなものだ。
「そうですよ。私は彼に挑戦状を送りつけました。今夜の試合見逃すことのないようにと招待状をつけてね。」
「気になりますか?」
「そりゃ気になりますよ。」
「では、私がいってきましょう。」
そういってダンディさんは飄々とマスターシュ黒澤記者のもとへと歩み寄っていき、いきなり話しかけた。
O坂次長は普通に挨拶を返したが、さすがにHIGE君は動揺したようだ。
まさか天下のダンディ須永が挨拶に来るとは思ってもみなかったのだろうな。
14期生の“2代目”サンダー龍子は今年がキャリア4年目だ。かつて『最強の龍』と呼ばれた吉田龍子には及ばないが、近いうちにトップに食い込むことができる素質の持ち主だと私は思っている。
だが、まだまだ世間的には「所詮2代目は2代目」という見方をされてしまっているようだ
他団体で活躍した初代サンダー龍子、NEW WINDのエースだった吉田龍子と比較されてしまうのは仕方ないことだろう。
そして同じ事は南3姉妹の末妹である南智世にもいえるかもしれない。
智世はデビュー当初から数年の間はマスクウーマン『ウインド・ドラゴン』としてファイトしていた。これは姉二人と比較されてしまうことを懸念してのことだ。
十分な実力がついてからマスクを脱ぎ、素顔の南智世になってからは立派なメインイベナンターとして活躍している。だが、実力はともかく、実績や人を惹き付ける力は長姉である南利美には及ばないのが現実だ。
レスラーとしての実力ならば南利美の現役時代より上といえるのだが…やはりシングルのベルト(MAX WIND)をとれていないのも一つの要因かもしれない。
伝説と戦うことの辛さ・重みを一番知っているのはこの二人なのかもしれないなあ。
特に今日の智世にはかなりのプレッシャーがかかっているのではないだろうか。
伝説の重みを知る智世と龍子が、伝説の復活する大会で、どのような主張をしてくれるのか注目したいと思う。
対する12期生の二人は伸び悩んでいる。
なぜこうはっきりと言うのかといえば、二人の同期が現MAX WIND女王マイティ祐希子だからだ。
祐希子はわずか2年で頂点へと駆け上がったが、同期の二人は大きく出遅れた。
二人ともMAX WINDどころか、ミドル・ウインドすら巻いたことがない。
二人とも資質はあるはずだし、スター性も兼ね備えていると思うのだが…なんとなくだけど、一期生のマッキー上戸・ラッキー内田(ジューシーペア)とイメージが被っているような感じなんだよなあ。
資質はあるけど、同期とは差をつけられてしまったというあたりが非常に似ている気がする。
上原はスピード感あふれる空中技が得意で、キリリとした「太い眉」とその端整な顔立ちで女性ファンが多い。
その多くの女性をしきるのが智さんという女性で、現在はハッピープロジェクトのブレード上原公式ファンクラブの担当を勤めるまでになった。
また、ミミ吉原は男性ファンから圧倒的な支持を受けている。
優しい物腰と蕩けるような声にファンが多く、吉原への思いが強すぎて、サイン会で『色紙の変わりに婚姻届を出してサインを求めたhという男性ファンがいる』など、数々の武勇伝を持っている。
上原のスピードあふれる空中殺法が観客を虜にし、サンダー龍子は豪快なラリアットで上原をふっとばし、観客のボルテージを一気にアップさせる。
吉原が空手仕込みの打撃を解禁してサンダー龍子を追い詰めるが、龍子は持ち前のパワーで逆襲し、智世にタッチ。
オールラウンダーな智世は、吉原としばし打撃戦。
吉原のスピードのある的確な突きと蹴りに苦戦するが、スピンをつけての裏拳でペースを握ると、ハイキックを叩き込み吉原をダウンさせる。
「まだまだね。」
そういって智世は笑うと、得意の関節技を仕掛けに入った。
「甘いわ。」
吉原は上手く切り返すと、得意のドラゴンスリーパーで智世を捕獲したが、智世は表情一つ変えない。
「ポイントが甘いわ。完璧じゃないわね。」
「くっ、戯言を…」
吉原がムキになって強く締め上げるが、智世は顔色を変えずにロープエスケープ。
「こうやって仕掛けるのよ!」
智世はここで、1期生氷室紫月フィニッシュホールドだった、変形のドラゴンスリーパー『紫龍』を決めた。
「おお~~!!」
場内のオールドファンが一斉に声を上げた。
ウインド・ドラゴン時代にはよく使った技だが、素顔の智世になってからはほとんど使われた事がない。
予期せぬ技にがっちりと決められてしまい、吉原はまったく動くことができない。
「吉原、ギブアップ?」
レフェリーの声にかすかに首を振る吉原。
「ミミさ~~ん!!」
ファンの願いをこめた声援が飛ぶが、吉原の顔色がだんだん変わってきた。
吉原の腕がだらんとなる。もしかして、落ちたか?
「ミミ~~~!!」
声援を飛ばす吉原ファンだが、吉原の反応はないままだ。
レフェリーのギムレット美月が、吉原の意識を確認するために左腕を持ち上げるが、手を離すとすぐにだらんと力なく垂れ下がってしまう。
「吉原!」
2度目もまったく同じ反応だ。
「ミミ~~!!」
声援むなしく3度目も同じ反応だった。
レフェリーは即ゴングを要請し、智世に技を解くように命じた。
「25分23秒、25分23秒。紫龍によるレフェリーストップで、勝者南智世。」
上原の背に背負われて退場する吉原に大きな歓声と拍手が巻き起こる。
敗れたとはいえ、二人は気迫をみせたし、観客の心を揺さぶるいいファイトができていた。
祐希子には大きく水をあけられたが、まだまだ上を目指せるはずだ。
上原そして吉原…頑張れよ。
勝った智世は龍子とともに勝ち名乗りを受け、控え室へと下がっていった。 智世は見事に姉の復帰に花を添えたな。
「今日は負けられなかったから。まっ、完璧なフィニッシュじゃなかったけど。」
そういって智世は笑顔を見せた。
「…ところで最後はなぜ紫龍だったんだ?」
智世は楽しそうに笑うとこう答えた。
「会場の空気がそうさせた…ってところかしら。懐かしい技を出せば喜んでくれるかなってね。」
「ふむ…サービスってところか?」
「まあそんなところかな。そして吉原に対するエールのつもりよ。」
「なるほどな。」
「微妙に違うけど龍子と私、そして吉原と上原は似ているからね。」
「似ている?」
「そう、彼女たちは常に同期の祐希子との比較をされ、私と龍子は…伝説となった選手たちと比較され続けている…という事よ。」
そういうと智世は拳に力をこめた。
「確かにそうだな。」
「それと、私がネオ・サザンクロスロックを出したら、姉さんのネオ・サザンを楽しみにしてくれる人に悪いなと思ってね。」
そういって智世はウインクした。
なるほどな…色々と考えさせられるよ。
この4人だけじゃない、現役選手たちは強烈な光を放った先輩たちと比較されている。でも、その先輩たちも他団体の選手と比較されていた。
プロレスは一人でやっているわけじゃない。だから比べられてしまうのは当たり前といえるだろう。
思えば先輩たちは、それを乗り越えて強烈な光を放ってきた。だから、現在の所属選手たちにもそれは出来るはずだ。
みんな、その能力と意地を見せてくれ、そして栄光のスターロードを駆け上がって欲しい。
ここまでの4試合で現役の意地は十分感じたし、彼女たちなら、もう一度あの日のように、エネルギーにあふれたスカイブルーのリングをみんなで作り出せるだろう。
ここで休憩時間となり、私は指定していた席にいるあの男の姿を確認した。
「…ようやく来たか。」
「おやおや、彼が噂のマスターシュ黒沢ことHIGE君ですかな。なにやらO坂君と話しているようですな。」
ダンディさんはのんきなものだ。
「そうですよ。私は彼に挑戦状を送りつけました。今夜の試合見逃すことのないようにと招待状をつけてね。」
「気になりますか?」
「そりゃ気になりますよ。」
「では、私がいってきましょう。」
そういってダンディさんは飄々とマスターシュ黒澤記者のもとへと歩み寄っていき、いきなり話しかけた。
O坂次長は普通に挨拶を返したが、さすがにHIGE君は動揺したようだ。
まさか天下のダンディ須永が挨拶に来るとは思ってもみなかったのだろうな。
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そんなわけで遅くなりましたが、黒沢の第4試合~休憩時間までの動きを掲載しました。
試合内容を勝手に脚色していますが、マズイ表現などありましたらご指摘ください(後で出る表現に被ってるよ!など)即刻修正させて頂きます。
ダンディ・ドラゴンとのバトルを迎えた黒沢の明日はどっちだ!?